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正則性の公理(せいそくせいのこうり、Axiom of regularity) は別名基礎の公理(きそのこうりAxiom of foundation) とも呼ばれ、選択公理と同様、 様々な同値な命題が存在する公理。ZF公理系を構成する公理の一つで、1925年にジョン・フォン・ノイマンによって導入された。
定義
[編集]空でない集合は必ず自分自身と交わらない要素を持つ。
以下の4つの主張はいずれも同値であり、どれを正則性の公理として採用 しても差し支えない。
- 任意の空でない集合xに対して、
- ∀xについて、∈がx上well-founded
- ∀xについて、無限下降列である
は存在しない。
ここで、WFは0に冪集合の演算を有限回、あるいは超限回繰り返して得られる集合全体のクラスを指す。
ZF公理系の他の公理系から得られる種々の集合演算(対集合、和集合、冪集合) の結果としての集合は常にWF内に含ま れるため、V=WFの仮定は全ての集合を0に通常の集合演算を施すことによって得られるものだけに制限す ることを主張している。したがって、例えばx={x}のような集合やx∈yかつy∈xなる集合は正則性の公理 の下では集合にはなり得ない。
WFは通常の集合演算に関して閉じているため、ZF公理系から得られる全ての真なる命題がZF公理系においても真と なることが分かる。このため、WF内で通常の数学を展開できることが知られている。実際、x={x}のような集 合の存在はZF公理系からは独立だが、数学を展開する上でこのような集合が現れることはない。その一方で、正則 性の公理は必ずしもZF公理系を拡張するために必要なものではないが、ZF公理系と他のいくつかの命題が独立であるこ とを証明する際にその効果を発揮する。
ZF公理系内に限って話を進めると、各順序数aに対してR(α)を次のように定義する。
- α が極限順序数のとき
簡単に言えば、R(α)は0に冪集合の演算をa回繰り返して得られる集合のことを指す。クラスWFはこれ らを全て集めたものとして定義され、後に示すように、WFは全てのwell-founded集合からなる。
また、次が成り立つ。
- 任意のα∈ON に対して、
- R(α)は推移的
証明
[編集]超限帰納法によるa=0のときは明らか∀b<aに対して成り立っていると仮定する。a=b+1のと き、仮定よりR(β)は推移的であり、R(α)=P(R(β))も推移的になる。また、R(β)⊂P(R(β))=R(α).αが[[極 限順序数]]のとき、仮定より∀β<αに対してR(β)は推移的であり推移的集合の和集合が推移的になることに より
も推移的になる。さらに
も同様。
WFの定義より、x∈WFのときx∈R(α)を満たす最小の順序数αは後続順序数になる。実際、αを極限順 序数としてx∈R(α)及び∀β<α,x∉R(β) が成り立っているとすると、
となって矛盾する。 そこで、集合xのランクを次のように定義する。 x∈WFのとき、x∈R(β+1) を満たす最小のβを集合xのランクといい、rank(x)で表す。 よって、rank(x)=βならば
が成り立ち、x∉R(β) かつx⊂R(β)となる。また、このランクの概念 を用いてR(α)は次のように特徴付けられる。
及び、
ランクを計算するときに次の補題を使う。
y∈WFのとき、
かつ
rank(y)=αとするとy∈R(α+1)=P(R(α))。
x∈yならばx∈R(α) = {x∈WF:rank(x)<α}だからrank(x)<α。
参考文献
[編集]- 1 正則性の公理 http://www7.plala.or.jp/isaragi/set/pdf/3.pdf#search='%E6%AD%A3%E5%89%87%E6%80%A7%E5%85%AC%E7%90%86'
- ポール・ハルモス『素朴集合論』富川滋訳、ミネルヴァ書房、1975年、ISBN 4-623-00986-6