利用者:Flightbridge/sandbox/多重可除数
(en:polydivisible number oldid=734949390)
{@{暫定記事名|date=2016年9月}}
多重可除数(英: Polydivisible number)とは、先頭 n 桁が n の倍数となっている数のことを言う。多重可除数は任意の基数において定義することができる。この記事では特に十進法におけるものについて扱う。
例
[編集]例として、345654 は 3, 34, 345, 3456, 34565, 345654 がそれぞれ 1, 2, 3, 4, 5, 6 の倍数なので多重可除数である。一方、123456 は 1234 が 4 の倍数でないので多重可除数でない。
- 多重可除数
- 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38, 40, 42, 44, 46, 48, 50, 52, 54, 56, 58, 60, 62, 64, 66, 68, 70, 72, 74, 76, 78, 80, 82, 84, 86, 88, 90, 92, 94, 96, 98, 102, 105, 108, 120, 123, 126, 129, 141, 144, 147, 162, 165, 168, 180, 183, 186, 189, ... オンライン整数列大辞典の数列 A144688
- n 桁の多重可除数のうち最小のもの
- 1, 10, 102, 1020, 10200, 102000, 1020005, 10200056, 102000564, 1020005640, 10200056405, 102006162060, 1020061620604, 10200616206046, 102006162060465, 1020061620604656, 10200616206046568, 108054801036000018, 1080548010360000180, 10805480103600001800, ... オンライン整数列大辞典の数列 A214437
- n 桁の多重可除数のうち最大のもの
- 9, 98, 987, 9876, 98765, 987654, 9876545, 98765456, 987654564, 9876545640, 98765456405, 987606963096, 9876069630960, 98760696309604, 987606963096045, 9876062430364208, 98485872309636009, 984450645096105672, 9812523240364656789, 96685896604836004260, ... オンライン整数列大辞典の数列 A225608
数え上げ
[編集]n 桁の多重可除数の個数 F(n) は次のようになる。
- 9, 45, 150, 375, 750, 1200, 1713, 2227, 2492, 2492, 2225, 2041, 1575, 1132, 770, 571, 335, 180, 90, 44, 18, 12, 6, 3, 1, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, ... オンライン整数列大辞典の数列 A143671
多重可除数は全部で 20,456 個存在する。うち最も桁数が多いのは、次に示す 25 桁のものである。
- 3 608 528 850 368 400 786 036 725
F(n) の推定
[編集]n 桁の多重可除数を見つけるには、n − 1 桁の多重可除数 k に対して、10k から 10k + 9 の間にある n の倍数を探せばよい。このように探すと n ≤ 10 においては常に一つ以上の多重可除数を見つけることができる。しかし n > 10 においては必ずしも見つけることができなくなり、さらに n が大きくなると多重可除数が見つからないことが多くなっていく。
n − 1 桁の多重可除数 k から見つかる n 桁の多重可除数の個数の平均を考える。これは、10k から 10k + 9 までの 10 個の数に存在する n の倍数の個数の平均に等しいので、平均 10/n 個である。加えて最上位にくる数字は 0 を除く(即ち 9 種類)ことに注意すると、次のように F(n) を推定することができる。
この F(n) の総和をとることで、多重可除数の総数が近似的に求まる。
この推定値は実際の値と比べて約 3% 小さい値となっている。
桁数 n | F(n) | F(n) (推定値) |
---|---|---|
1 | 9 | 9 |
2 | 45 | 45 |
3 | 150 | 150 |
4 | 375 | 375 |
5 | 750 | 750 |
6 | 1200 | 1250 |
7 | 1713 | 1786 |
8 | 2227 | 2232 |
9 | 2492 | 2480 |
10 | 2492 | 2480 |
桁数 n | F(n) | F(n) (推定値) |
---|---|---|
11 | 2225 | 2255 |
12 | 2041 | 1879 |
13 | 1575 | 1445 |
14 | 1132 | 1032 |
15 | 770 | 688 |
16 | 571 | 430 |
17 | 335 | 253 |
18 | 180 | 141 |
19 | 90 | 74 |
20 | 44 | 37 |
桁数 n | F(n) | F(n) (推定値) |
---|---|---|
21 | 18 | 17 |
22 | 12 | 8 |
23 | 6 | 3 |
24 | 3 | 1 |
25 | 1 | 1 |
関連する問題
[編集]多重可除数は、娯楽数学における次の問題の一般化となっている。
最初の二桁が 2 の倍数、最初の三桁が 3 の倍数、最初の四桁が 4 の倍数と以下続き、最終的に数全体が 9 の倍数であるように、1 から 9 までの数字を並べ替えよ。
この問題の解答は、九桁の多重可除数に対して「1 から 9 までの数字を一つずつ含む」という制限を課したものとなる。九桁の多重可除数は全部で 2492 個存在するが、うち追加の制限を満たすものは次の一つのみである。
- 381654729
その他、多重可除数を含む問題には次のものがある。
- 多重可除数に何らかの制限を課したもの。
- 例:偶数の数字のみからなる多重可除数のうち最長のものを求めよ。(答:480 006 882 084 660 840 40)
- 回文多重可除数を求めるもの。
- 例:最長の回文多重可除数を求めよ。(答:300 006 000 03)
- 十進法以外で多重可除数を探すもの。
- 例:十二進法における最長の多重可除数を求めよ。(答:606 890 346 850 Ɛᘔ6 800 Ɛ03 620 646 4[1])
- 最初に述べた問題は次のように改変できる。(同じことは他の問題でも考えられる)
- 0 から 9 までの数字を並べ替えて 10 桁の多重可除数を作れ。(答:3816547290)
脚注
[編集]- ^ 10 と 11 を、それぞれ 2 と 3 を半回転させた記号で表している。詳しくは十二進法#十二進法の推進を参照。