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利用者:Five-toed-sloth/翻訳について

jawpにおける二流翻訳者の一人、Five-toed-slothが翻訳に関する私見をまとめてみました。

翻訳の肝

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翻訳の3つの柱

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この3つが全て揃わなければまともな翻訳はできない、はずです。

  • 語学力 - これは言うまでもないでしょう。
  • 文章力 - いくらX語ができても、Y語による文章力が無ければX文Y訳はできません。
  • 知識力 - レアリアなしでは翻訳はできません。

あと、ついでに言えば「やる気」「時間」「パソコン」「辞書」あたりも必須です。

翻訳心得

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では実際の翻訳に当たって具体的にどうすべきか。

  • なるべく辞書を引くべし(「野生の勘」に頼る無かれ)。…しかしどうしても調べが付かない時には、「野生の勘」を全開にすべし。
  • 日々、地力の向上に努めるべし。
    • 翻訳元言語の文法力・語彙力・その他力を向上させるべし。
    • 翻訳先言語での文章作成能力を向上させるべし。
    • 活動分野の予備知識を充実させるべし。
    • 活動分野に限らない一般常識も充実させるべし。
  • 根気が尽きたらやめるべし。中途原稿はやる気が再燃するまでハードディスクの奥に秘蔵すべし。ゆめゆめ投稿する無かれ。
  • 推敲すべし。期間を置いて、客観視できるようになってから再び推敲すべし。
  • 「ウィキペディア日本語版は、英語版の劣化コピーであるべきではない」[1]
    • 英(独、仏、…)語版のウィキペディアンを盲信せず、なるべく裏を取るべし。また日本語版にとって不要な記述は省くべきだし、必要な情報は独自に加筆するべし。

そもそも何を翻訳すべきか・そもそもなぜ翻訳なのか

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「品質・出典の怪しい記事」をわざわざ訳すのは感心しません。そもそもなぜ翻訳なのか、を考えてみましょう。資料を探すのが面倒だから? 構成を自分で考えるのが面倒だから? 執筆者として芽が出なかったから? …そういう「でもしか翻訳者」[2]たちのヴィジョンなき活動は勘弁して欲しいのですが。「主題に関して、日本語資料が充実していない」かつ「他言語版が優れた品質を有している」ような時はまさしく翻訳屋の出番ですが、「日本語資料が充実している」かつ「他言語版が充実していない」場合は翻訳でなく執筆を検討する(執筆能力がないなら翻訳屋が出しゃばらず執筆者に任せる)べきではないでしょうか。上でも述べましたが「jawpはenwpの劣化コピーであるべきではない」です。

あと、各人の価値観の問題でもありますので多くを述べる気はありませんが、「特筆性の怪しい記事」(別の言い方をすれば「マニアのマニアによるマニアのための記事」)をわざわざ訳すのは感心しません。またWP:JAREQにあるからと言って必ずしもその記事が日本語版に必要と決め付けるのは良くないと思います。

自分のポリシーなど

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カナ転写にまつわる細かいポリシー

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細かいことですが、細かいことでこそ無駄な争いとか混乱が起こりがちですので念のために自分の細かいポリシーを表明しておきます。

  • どちらかと言えば原音主義を優先。
  • 基本的に原語残しはせず、カナ転写する。「百科事典の仮想的対象読者は知的な素人」と考えているので、原語よりはカナかと。教養人だって分らない言語があるだろうし、カナ転写のあるほうが親切でしょう。アカデミックな文献の原語残しは一つの文化かもしれませんが……あれは怠惰と無能が起源だと密かに信じてます。
  • しかしカタカナ化というプロセスは情報の欠損を免れない。ゆえに、カナ転写にはカッコして原綴りを添える。
  • とは言えあまりページ内をカッコと原語が躍り過ぎるのも可読性を低下させるので、重要語以外はカッコでなく<!-- -->を使うべきかもしれない…。ジレンマで悩ましい。
  • 原語綴りを示すために字上符つきのラテン文字、合字、キリル文字、…などの特殊文字を含む文字列を表示する際は、閲覧者の環境も考えて{{lang|何とか語}}で覆う。
  • ラテン文字以外の表音文字を使う時は、ラテン翻字を添える(ってことを私が出来るのはキリル文字とギリシャ文字と…チェロキー文字[3]だけですが)。分らない人の立場になって考えると、そうしたほうが親切です(私も記事を読んでいて、アラビア文字だのタイ文字だのハングルだのが翻字もされずに書かれているのに突き当たると、不親切だなあ何て書いてあるのかなあといつも感じますので)。

ライセンス

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要約欄にて「翻訳元の記事名」「版」は死んでも述べる。「主要著者5名」も基本的には述べる。

似非ポリグラットを目指そう:英語中華論は勘弁して下さい

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「X語とY語ができればX文Y訳ができる」という考えにはあまり感心しません。…いや直言しましょう。「英語さえできれば英文和訳ができる」みたいな考え方が見え見えの方が沢山いらっしゃいますが、それはあまりに純真素朴で近視眼的な考えだと私は思います。

「純粋に英語圏の事物に関する記事を、英語版から翻訳する」時なら百歩譲ってOKだとしても、少しでも非英語圏の事物が絡むとなれば英語版の記事にだって非英語は…特に固有名詞は…ポンポン出てくるわけで、ましてや「完全に非英語圏の事物に関する記事」を翻訳する時には非英語の嵐が彼らを襲うわけであって、そういうばあい英語中華論者は一体どうするつもりなのでしょうか。ParisだとかМосква程度ならともかく、見たことの無いものが出てきたらどうするつもりなのでしょうか。

ある程度メジャーで綴字=発音体系がそこそこ規則的な言語の読み方くらい、翻訳屋なら一通り覚えておくべきだと思うんですが。とりあえず「何語であろうと英語読みする」のは勘弁して欲しいです。少なくともドイツ語・フランス語のメジャーなファーストネームくらい翻訳屋なら読めるようになって欲しいです[4]

「できないならやらない」を徹底しろとまでは言いませんが[5]、「わからないなら知ったかぶらない」ことだけは徹底して欲しいです。

各言語の技能:似非ポリグラットとしての私

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そういうお前は何語が一体どれだけできるのかと問われれば、全く大したことは無いのですが…。

  • en-2:一番まともなのが英語で、英文和訳の一方向だけは何とか実用可能です。普通の状況で2000バイト毎時、理想的な状況で5000バイト毎時くらいの速度でしょうか。jawpの英文和訳屋としても別にレベルの高いほうではありませんね。純粋に英語の語学力だけで見ればむしろ中の下くらいでしょうか?
  • de-1, eo-1, fr-1:独・仏は共に検定4 - 5級相当でしょうか。辞書と首っ引きでごく簡単な記事が訳せる程度ですし、速度も落ちます。エスペラントも同程度の技量のはずですが、使用する機会は極少です。
  • la-0.5:古典ラテン語は、綴字=音韻体系はOKで、語彙(100語以上1000語未満)と文法はごく初歩的です。
  • ru-0.25:ロシア語は綴字=音韻体系はOKで、語彙(100語未満?)と文法はごくごく初歩的です。
  • es-0.1, it-0.1:基本的には綴字と音韻の体系しか学習していません。語彙と文法はほぼゼロです。

英語以外は、基本的に英文和訳の援用用(英語圏以外の事物を扱った英語版の記事を和訳する際に、固有名詞をカナ転写する用)です。

今後の課題は (1) 全体的な底上げと (2) オランダ語(なぜか科学史関係では頻出する)、アラビア語、何かもう一つ二つスラヴ語(チェコ語とポーランド語かな?)、ポルトガル語、何か一つは北ゲルマン語、ギリシャ語、…あたりの学習。

推薦資料

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たまたま見つけたのですが[6]利用者:Hnishy「誰でも実践できる翻訳の心得 5 箇条」は極めて説得力があります。お勧めです。

脚注

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  1. ^ 元ネタは、m:包摂主義にある「ウィキペディアはブリタニカの劣化コピーであるべきではない」という趣旨の記述。
  2. ^ 実を言うと自分にもその気がある…あった…ことは否定しません。
  3. ^ シクウォイアを作った時に覚えたのですが、使いどころがない!
  4. ^ フランス人が「ジーン」とかドイツ人が「ジョージ」とかそううレベルの間違いは勘弁して欲しいです。
  5. ^ jawpにおける私の基礎的なポリシーの一つですが、私自身必ずしも徹底できてはいないかもしれませんので。
  6. ^ 本項をほぼ書き終わってから見つけたのであり、類似があるとすれば第一には偶然であり第二には収斂進化による必然です。