利用者:Edokko1/sandbox
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江戸っ子1号とは、江戸っ子1号プロジェクト推進委員会が開発した小型無人の深海探査機。
2013年11月22日、日本海溝の水深7800m(推定)地点に潜行し、 海底の生物の3Dフルハイビジョンビデオ撮影に成功した。
江戸っ子1号プロジェクト推進委員会は、東京・千葉の中小企業5社からなる。 開発は推進委員会と支援(大学・研究所・支援企業・ボランティアなど)によって行われた。
沿革
[編集]- 2009年5月 杉野ゴム化学工業所の杉野社長が発案、東京東信用金庫に相談
- 2011年4月 江戸っ子1号プロジェクト推進委員会が発足(中核企業4社、支援団体4者)
- 2011年8月 ソニーのエンジニア有志が参加
- 2012年1月 共同研究契約に調印
- 2012年3月 海洋研究開発機構で高圧試験・水中挙動試験
- 2012年6月 新江ノ島水族館で撮影実験・挙動実験
- 2012年10月 相模湾(水深50m)での潜行実験に成功
- 2013年2月 岡本硝子が委員会加盟
- 2013年6月 相模湾での潜行実験で3Dフルハイビジョンビデオ撮影撮影に成功
- 2013年7月 日本海溝実験用の新設計の機体・制御モジュールを製作
- 2013年8月 相模湾(水深500m)での潜行実験に成功
- 2013年11月 日本海溝(水深7800m)での潜行実験に成功
特徴
[編集]- 小型(運用が容易)
- ローコスト
- 完全自立(索は無い)
構造
[編集]江戸っ子1号は、4つの球、フレーム、エサ台、オモリから成る。 各球は縦に配置されており、上から通信球・トランスポンダ球・照明球・撮影球である。 各球はプレスチックの保護カバーで覆われた耐圧ガラス球である。 通信球はフレームから離れてロープでつながっている。 それ以外の球は、全長約1.5mの金属製のフレームに固定されている。 エサ台、オモリはフレームの下部に取り付けられている。
搭載機器
[編集]GPS受信機、衛星電話、トランスポンダ、LEDモジュール、3Dハンディカム、 制御コンピュータ、各種センサ、バッテリ、オモリ切離し装置、オモリ
ミッション
[編集]- 母船から海中に投入後、自重とオモリで秒速1m程度で沈下する。
- 7800mの海底までは2時間程度がかかる。
- 着底後、エサ台が自重で展開し、本体の斜め下に設置される。
- 照明と3Dビデオ撮影はタイマーでオン・オフされる。
- 母船からの音響通信によるコマンドをトランスポンダで受信し、オモリを切離して浮上する。
- 浮上後 GPSで位置を測定し、衛星電話で母船に現在位置を知らせる。
撮影
[編集]ソニーの家庭用のフルハイビジョン3Dハンディカム HDR-TD20V を搭載し、 外部バッテリを接続して約10時間の撮影ができる。
組織
[編集]江戸っ子1号プロジェクト推進委員会
[編集]株式会社杉野ゴム化学工業所、 株式会社浜野製作所、 株式会社パール技研、 ツクモ電子工業株式会社、 岡本硝子株式会社
支援団体
[編集]独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、 芝浦工業大学、 東京海洋大学、 東京東信用金庫
技術支援
[編集]新江ノ島水族館、 ソニー エンジニアの有志、 沼田光器株式会社、 バキュームモールド工業株式会社、
協賛
[編集]株式会社エスアイテック、 東京東信用金庫、 ひがしんビジネスクラブ「オーロラ」、 ひがしん若手経営者の会「ラパン」、
機材提供
[編集]ソニー株式会社
開発
[編集]当初は海底を車輪で移動する探査機が構想されていたが、実現性がなかった。 海洋研究開発機構との相談で、耐圧ガラス球を使うフリーフォール型の探査機が提案された。 海洋研究開発機構のアドバイスで基本構想がまとまってからは、 推進委員会の各企業が分担して機体を設計開発したが、 制御コンピュータや通信関係の開発は各大学の教授・学生や協力企業の尽力によるところも大きかった。 全体の事務局は東京東信用金庫が行なった。
海洋研究開発機構の調査船「かいよう」にプロジェクトのメンバーが乗船し、 横須賀港から房総沖の日本海溝へ向かった。 深度7800m地点2ヶ所にそれぞれ1機、深度4000m地点1ヶ所に1機、合計3機を投下した。 それぞれ5~30時間程度の海底滞在中に、5~10時間のフルハイビジョン3Dビデオ撮影に成功し、 3機とも回収に成功した。 深度7800m地点では、ソコエビやチヒロクサウオなどが撮影された。 深度4000m地点では、ソコダラやソコボウズなどが撮影された。 映像はこの深度では世界初の3D撮影で、充分に鮮明であり、 斜め上からの撮影のため生物の行動の観察がしやすいものだった。
関連項目
[編集]日本海溝の水深7703m地点においてシンカイクサウオの生態映像撮影 http://ja-two.iwiki.icu/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%82%AA#.E6.98.A0.E5.83.8F.E8.A8.98.E9.8C.B2
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 江戸っ子1号プロジェクト公式ウェブサイト http://edokko1.jp/
- JAMSTECニュース「フリーフォール型深海探査シャトルビークル『江戸っ子1号』実海域実験」 http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20131220/index.html
- 芝浦工業大学電子機械システム研究室 http://www.shibaura-it.ac.jp/faculty/electronic_engineering.html
- 芝浦工業大学表面デザイン工学研究室 http://www.shibaura-it.ac.jp/faculty/engineering_and_design_engineering_design_course.html
- 芝浦工業大学生産加工プロセス研究室 http://www.meo.shibaura-it.ac.jp/lab_aoki.html
- 芝浦工業大学移動通信ネットワーク研究室 http://www.ce.shibaura-it.ac.jp/kyoin/#morino
- 芝浦工業大学生体高分子学研究室 http://www.shibaura-it.ac.jp/faculty/bioscience_and_engineering_bioscience.html
- 東京海洋大学ロボット工学研究室 http://www2.kaiyodai.ac.jp/~shimizu/lab/rindex.html