コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:Corvus splendens/試訳中記事2

全国バリッラ団
Opera Nazionale Balilla
略称 ONB/Balilla
標語 Libro e moschetto, fascista perfetto
「銃と本が完璧なファシストを作る」
前身 ファシスト青年前衛団英語版
後継 リットリオ青年団英語版
設立 1926年4月3日
種類 青年団/少年・少女団
法的地位 国家ファシスト党の青少年組織
国民教育省管理下の教育団体
目的 ファシズムによる教育
青年に対する軍事教練
本部 イタリア王国の旗 イタリア王国ローマ
公用語 イタリア語
指導者 ベニート・ムッソリーニ
関連組織 青年ファシストイタリア語版
ファシスト学生団イタリア語版
テンプレートを表示

バリッラ団: Opera Nazionale Balilla、全国バリッラ団)は、1926年4月3日に設立されたに設けられた 国家ファシスト党の青少年組織。

概要

[編集]
バリッラ団のバッジ

第一次世界大戦後、民族主義の観点から青少年への愛国的な教育を施すべきとの主張が行われており、この動きを支持していた未来派の詩人フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティによる影響を通じて、ベニート・ムッソリーニ率いるファシズム運動にも同様の主張が盛り込まれた。近代戦争を賛美するマリネッティは愛国主義と同時に軍隊教育、特に命懸けの任務を負っていたアルディーティ(突撃兵・決死兵)を規範とする教育を目指していた。1919年、ムッソリーニは退役兵団体であるイタリア戦闘者ファッシの下部組織としてファシスト青年前衛団英語版を結成した。

1921年11月9日にイタリア戦闘者ファッシが国家ファシスト党(PNF)に改組され、1922年10月31日にローマ進軍を経てムッソリーニが閣僚評議会議長(首相)に選出、1925年12月24日に首席宰相及び国務大臣イタリア語版として独裁権を確立した。ファシズム体制を構築する過程でそれまで政治的エリートを選抜する指導政党であったPNFの大衆政党化が図られ、党青年団の拡充も推進された。

1926年4月3日、伝説的な愛国少年ジョヴァン・バティスタ英語版の愛称を冠した党青年団として「バリッラ団」(ONB)が結成され、170万名が入団した。バリッラ団は8歳から14歳までの少年を対象とする「バリッラ」、14歳から18歳の党員を対象とする「青年イタリア」、8歳から14歳までの少女を対象とする「ファシスト少女団」、6歳から8歳の幼児が所属する「狼の子」(ロムルスとレムスの伝承に由来)に細分化された[1]。18歳以上になった団員は22歳になるまでは青年ファシストイタリア語版に入団し、大学に進んだ者はファシスト学生団イタリア語版(GUF)の所属となった。

役割

[編集]

当初は学校教育に対する文化的・教育的組織として立ち上げられたバリッラ団は、次第に準軍事組織としての役割も期待されるようになった。男子団員は国防義勇軍に再編されたかつての党武装組織・黒シャツ隊の精神を受け継いで黒色の軍服を身に付け、子供が扱いやすい様に考慮された訓練銃モスケット・バリッライタリア語版が配給され、将来の徴兵に向けて軍事教練に従事した。一方、女子団員は白い洋服にネクタイ、黒色のマントを制服として家庭教育などを受けた。教育についてはファシズムによる思想教育を中心に実施され、「明日のファシスト」を育てる事を目的とした。ナチスの様に「旧体制改宗」を志向せず、それでいてファシズムを「青年運動」と捉えていた教師出身のムッソリーニにとって次世代への教育は重要課題であった。バリッラ団による活動を公的に認める様に学校や教師に対する要請が行われ、学外行事の多くがバリッラ団に移管され、夏場のキャンプなどボーイスカウト的な活動も実施された。

1927年、ムッソリーニはバリッラ団以外の少年団・青年団に解散を命令し、学校外での青少年教育はバリッラ団の下で行う事とされた。解散を命じられた組織にはカトリック教会の青年組織であるイタリア・カトリック青年団(Gioventù Italiana Cattolica、GIC)も含められる。1929年2月、ラテラノ条約締結によってカトリック青年団のみ活動再開が認められたが、度々バリッラ団へ合流する様に圧力が掛けられている。同年にはバリッラ団は教育大臣及び国民教育省の管轄下に置かれ、正式に国家機構の一部となった[2]。国外のイタリア系コミュニティでも設立の動きが起こり、マルタ共和国やイギリス植民地に海外支部があった。

1937年、バリッラ団より準軍事組織としての側面を強めたリットリオ青年団英語版が編成され、バリッラ団の各部門は実質的にリットリオ青年団へ統合された。

関連項目

[編集]

名称について

[編集]
専用の訓練銃であるモスケット・バリッライタリア語版を手に並ぶバリッラ団の少年団員

類似組織

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ The "Balilla" organization for the physical and moral training of the young, article 5, law of 3 April 1926, No. 2247)
  2. ^ Abstracts from the Royal-Decree-Law of November 14, 1929, No. 1992

外部リンク

[編集]