利用者:Cheapside/ジェノサイド否認
ジェノサイド否認、またはジェノサイド否定(英: genocide denial)とは、実際に発生したジェノサイドについて、それが事実であることを否認・否定したり、その規模や深刻度を最小化したりしようとする企てである。こういった否認・否定自体、ジェノサイドにとって不可欠な一要素である[1][2][3]。ジェノサイド否認には、ジェノサイドの計画を極秘に進めること、ジェノサイドが進行している間に行われる政治宣伝[1]、また、大量殺害の証拠の隠滅といったことが含まれる。
ジェノサイドについて研究している米国のグレゴリー・スタントンによると、ジェノサイド否認は「ジェノサイドの意図をもって行われるさらなる殺戮を最も確実に示すもののひとつ」と言える。[4]
ジェノサイド否認を、ジェノサイドのプロセスの最終段階と定義する研究者がいる[1]。例えば、アルメニア系米国人であるリチャード・G・ホヴァニシアンは、「ひとつの民族集団・国民集団等に属する人々を完全に殲滅するためには、記憶されたものを遠くに追いやり、記憶することを完全に封じることが必要とされる。歪曲、欺瞞、そして事実の一部しか語ろうとしないことによって、『実際にあったこと』が、『実際にあったかもしれないこと』や、あるいは『実際にはありもしなかったこと』にまで貶められる」と述べている。[5]
ジェノサイド否認の事例としては、下記のものが挙げられる[6] 。
- アルメニア人虐殺の否認
- 世界各地の先住民のジェノサイドの否認
- ホロコースト否認
- カンボジア大虐殺の否認
- スレブレニツァの虐殺を含むボスニアのジェノサイドの否認
- ルワンダ虐殺の否認
まっとうな学術的歴史研究者と、まともに受け取るべきではない歴史否認・否定論者や歴史修正主義者(ジェノサイド否認論者を含む)の区別は、歴史記述において用いられるテクニックを検討すれば明確である。歴史否認論者や歴史修正主義者は、あるアジェンダを主張するときの支えとして、歴史を書き換える。そのアジェンダは、通例、政治的であったり、主義主張に基づいていたりする。手法としては、自身の望む結果を得るために欺瞞や誤謬のレトリックが用いられる。
21世紀に入り、ソーシャルメディア上で陰謀論やヘイトスピーチが頻繁に流されることによって促進される形で、ジェノサイド否認や修正主義の露出は急激に増大している。[6] [[Category:歴史修正主義]] [[Category:歴史否定主義]] [[Category:ジェノサイド]] [[Category:否認主義]] [[Category:ジェノサイド否認]] [[Category:Webarchiveテンプレートのウェイバックリンク]]
- ^ a b c Üngör, Uğur Ümit; Adler, Nanci (2017). “Indonesia in the Global Context of Genocide and Transitional Justice”. Journal of Genocide Research 19 (4): 609–617. doi:10.1080/14623528.2017.1393985.
- ^ Huttenbach, Henry R. (1999). “The Psychology and Politics of Genocide Denial: a Comparison of Four Case Studies” (英語). Studies in Comparative Genocide. Palgrave Macmillan UK. pp. 216–229. doi:10.1007/978-1-349-27348-5_12. ISBN 978-1-349-27348-5. オリジナルの18 June 2018時点におけるアーカイブ。 21 November 2020閲覧。
- ^ Herf, Jeffrey (2006). The Jewish Enemy: Nazi Propaganda during the World War II and the Holocaust. Harvard University Press. p. 127. ISBN 978-0-674038-59-2
- ^ “10 Stages of Genocide”. 21 November 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。21 November 2020閲覧。
- ^ Hovannisian, Richard G. (1998). “Denial of the Armenian genocide in Comparison with Holocaust Denial” (英語). Remembrance and Denial: The Case of the Armenian Genocide. Wayne State University Press. p. 202. ISBN 081432777X. オリジナルの26 July 2020時点におけるアーカイブ。 2 October 2020閲覧。
- ^ a b “Der Matossian explores genocide denialism in the 21st century” (10 April 2023). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。