利用者:Centurion/作業室
ニュース・スタイル(英・News style, news writing style)は、新聞記事、テレビやラジオの報道番組で使われる報道原稿の叙述方法である。マスメディアを閲読、視聴する多くの人に向けて作成されるために、ニュース記事には特徴的な書き方、表現方法がある。一般的にニュースの文章は、義務教育を終えていれば、理解できる内容でなければならないとされる。馬場博治は、ニュース記事の基本として、「Clear(はっきりと)」「Correct(正しく)」「Concise(簡潔に)」という「三C」の原則を挙げている。「clear(はっきりと)」はやさしくわかりやすい文章であること、「Corect(正しく)」は真実性と正確性を持った文章であること、「Concise(簡潔に)」は短く簡潔で読みやすい文章であることを示している。また、ニュース記事は、実際に起きた出来事の報告であるという目的から、記事には基本的な構成要素である「5W1H」(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を満たしていることが求められる[1]。
ニュース記事のもう一つの大きな特徴として、ほかの文章と大きく異なる点は、結論、結果など最も重要な情報が冒頭に書かれ、文章が後になるに従い、説明や経緯、補足など記述の重要度が低くなる「逆三角形型」の構造をしていることである。ニュースの読者・視聴者は忙しく、メディアで取り上げられるすべての記事を知ることはできない。ニュースは自分が閲読・視聴すべきであるかどうかを、冒頭で読者・視聴者に判断してもらわなければならない。そのため、冒頭の情報内容が重要になり、どこでも読んだり見たりするのをやめてもその記事について理解できる構造になっている。ニュースを報じる紙面や放送時間にも限りがあり、ニュースが追加されれば、その分、他のニュースの一部を削除・短縮しなければならない。そのような場合、一からニュースを作り直すより、重要ではない後ろの部分を削除する方が時間がかからない。そのため、ニュースの作り手にとっても、ニュースの編集が楽になる。
ニュース記事の構造
[編集]ニュース記事は、見出し、リード、本文の順番で構成されている。
見出し
[編集]「見出し」は(英・headline)記事の表題であり、要約でもある。新聞記事では、普通の原稿の活字より大きな文字が使用されている。新聞の見出しの文字の大きさはニュースの編集側が判断する重要度であり、文字が大きければ、より重要であることを示している。テレビでは、見出しはテロップで表示される。
リード
[編集]見出しと本文の間に書かれている文章。小さい記事の場合は、見出しの後にそのまま本文の記事になるが、大きな記事の場合、本文の中身を短い文章で伝えている。テレビニュースの場合、キャスターが読み上げる最初の一文がリードに当たる。
リードの後に本文があり、ニュースの詳細が記されている。記事によっては、記事中の専門用語や難しい言葉、ニュースのこれまでの経緯の解説が掲載されていることもある。
- ^ 田村紀雄、林利隆、大井眞二「現代ジャーナリズムを学ぶ人のために」世界思想社 2004年 p90-94