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| エリザベス・ジマーマン | |
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ファイル:Elizabeth Zimmermann knitting teacher, designer, author.jpg エリザベス・ジマーマン (photo by Walter Sheffer) | |
| 本名 | エリザベス・ロイド＝ジョーンズ |
| 誕生日 | 1910年8月9日 |
| 出生地 | イギリス |
| 死没年 | 1999年11月30日（89歳没） |
| 死没地 | マーシュフィールド、ウィスコンシン州 |
| 子 | Meg Swansen |
| 芸術分野 | 編み物、デザイン、執筆、教育 |
エリザベス・ジマーマン（1910年8月9日〜1999年11月30日）はイギリス生まれで、手編みニットの教師、デザイナーである。 彼女は著作とアメリカの公共テレビにおける講座番組シリーズを通じて現代の編み物技法に革命を起こした[1]。
普通の編み物は堅い棒針を前後に往復して編むものだったが、彼女はシームレスのニットを作り、複雑な模様をより簡単に編めるよう、柔軟性のある輪針で輪に編むことを提唱した。また、もっとも効率的で早く編める方法として「コンチネンタル・ニッティング」も提唱した。第二次世界大戦中、ドイツ式ないしコンチネンタル・ニッティングはドイツを連想させるため英米で好まれなくなり、編み物についての英語の書籍は多くはイギリス式もしくはアメリカ式だった。エリザベス・ジマーマンはアメリカ合衆国にコンチネンタル式を再導入する助けとなった。
幼少期
[編集]イギリス、デヴォン州にエリザベス・ロイド＝ジョーンズとして誕生。父は海軍士官、母はイギリスの食事宅配サービスの先駆けであるMeals by Motorを考案した[2][3]。ジマーマンはイギリスで寄宿学校に入り[4]、スイスとドイツの美術学校で学んだ[1]。彼女の自伝『Kintting Around（編み物めぐり）』にある「余談」は本文に添え、多くのオリジナル作品を再録している。ジマーマンは最初に編み物を母と伯母から習い（イギリス式）、後にスイス人の家庭教師から学んだ（ドイツ式、もしくはコンチネンタル式）。
経歴
[編集]仕事
[編集]ジマーマンは1937年に新婚の夫であり、ドイツ人の醸造マイスター、アーノルド・ジマーマンとイギリスからアメリカ合衆国へ移住した[5]。ジマーマン夫妻は始めニューヨークに住んだが、国内を転々とし、最終的にはウィスコンシン州の改装された校舎に落ち着いた。後にこの建物はスクールハウス・プレス本部となり、現在も編み物に関わる通信販売業を娘のメグ・スワンセンが経営している[1]。
独創性
[編集]ジマーマンはアメリカの雑誌に登場した初のアランセーターを編んだ人物とされる（『Vogue Knitting（ヴォーグ・ニッティング）』）（編んだものとしては初かもしれないが、2年前に別のパターンが発表されている）。ジマーマンがモデルのために編んだパターンはヴォーグ・パターン・ブックで1958年に出版され、男女両方のためのアランセーターとそれにあう靴下とミトンのコレクションが「アラン諸島の手編み」として1956年の「女性の日」号で発表された。
死後出版された 『The Opinionated Knitter （頑固なニッター）』によると、毛糸会社の編集者はジマーマンが輪編み用に書いたフェアアイルのヨークセーターのパターンを提出後に改変し、当時アメリカのニッターの間でより一般的だった平編み用に書き換えたという。この変更がきっかけで、ジマーマンは自分のパターンを『Wool Gatherings（毛糸のものたち）』として初めて出版した。
アメリカのテレビ
[編集]ジマーマンが出演した公共テレビの編み物番組は現在もビデオやDVDで入手可能である。ある回では、警察官（家族ぐるみの友人でもあった）がジマーマンと夫を「無許可編み物」で逮捕した（彼女はずっと編み物をしていたので、夫のバイクの後ろに座っている時も編めた）。『The Opinionated Knitter （頑固なニッター）』で、 ジマーマンの娘メグは母が最初の本のタイトルを The Opinionated Knitter にしたがっていたが、出版社が『 Knitting Without Tears（やさしい編み物）』に変えたとしている。しかし、最初の案の方がジマーマンの編み物に対する哲学を最もよく表しているだろう。どの著作でも（印刷物でも映像でも）、彼女はニッターたちに隠れた創造性を解き放って実験をし、自分のパターンやアイデアを発展させるよう励ましている。
功績
[編集]EPS
[編集]ジマーマンはEPS（エリザベスの比率システム）を発明したが、これはゲージと希望する胸囲をもとに衣服のサイズを計算するものである[6]。EPSは糸やゲージに関係なく、通常は袖と胴体の比率が決まっているのを前提にセーターの作り目をいくつにするか決める計算式であり、今日も多くのデザイナーが使っている。
オリジナル・パターン
[編集]これに加え、よく知られたパターンと技術といえば、いわゆる「パイ（π）・ショール」だろう。これはジマーマンの主張によると、円周率をもとに決まった箇所で増し目をしてできる円形ショールである。彼女が 『Knitter's Almanac（ニッター暦）』で述べるには、「円の幾何学は円周と半径の神秘的関係による。円は無限に半径もしくは直径が倍になると円周が倍になり、ニッターの言い方だと、1段あたりの目数が倍になる増し目段の間隔は3, 6, 12, 24…となる」。 しかし「パイ・ショール」は円周率とは何の関係もなく、全ての次元で同一の要素は同一の比率で増加するという、ユークリッドによる平面幾何学の一般知識をもとにしている。円形は単純に規則的な増し目で形成される。ジマーマンはまた「i-cord（丸コード）」、全体を平らに編んで折り紙のように畳んで上着の形にする「Baby Surprise Jacket（赤ちゃんのびっくりジャケット）」でも知られている。 また、細長い長方形を編んで両端を180回転させてつなぎ、カウルにしたメビウス編みの巻物を紹介した人物ともされる[7]。
1974年、ジマーマンは編み物合宿を設立したが[4]、これは今日に至るまで彼女の娘により行われている。そのモットーは「どのような危機があっても、自信と希望をもって編みなさい」だった。
エリザベス・ジマーマンは1999年11月30日にウィスコンシン州マーシュフィールドで89歳で死去した。その死亡記事で、ニューヨークタイムズは「ジマーマン女史は自らの編み物の発明に unventions という造語をあて、その影響を低下させることにした」[1] と書いた。
回顧展「新しいスクール・ニッティング：エリザベス・ジマーマンとスクールハウス・プレスの影響」が2006年にウィスコンシン大学マディソン校のデザイン・ギャラリーで開催された[5]。
脚注
[編集]- ^ a b c d Martin, Douglas (12 December 1999). “E. Zimmermann Is Dead at 89; Revolutionized Art of Knitting”. New York Times 17 October 2011閲覧。
- ^ “Knitter par excellence dies”. Capital Times (Madison, WI): p. 3C. (1999年12月13日)
- ^ “Meals by Motor: Eliminating 'Wholesale Waste'”. Brisbane Courier: p. 11. (4 Feb 1926) 10 September 2016閲覧。
- ^ a b Guensburg, Carol (1997年3月9日). “A high priestess of hand knitting - Crafty talent has a lot more good yarns to spin”. Milwaukee Journal Sentinel
- ^ a b Worland, Gayle (2006-11-12). “Knit knack - UW-Madison exhibit pays tribute to woman who moved to Wisconsin and became the 'queen of knitting'”. Wisconsin State Journal: G1.
- ^ “Elizabeth Zimmermann: the Grandmother of Modern Knitting”. knitting.about.com. 10 September 2016閲覧。
- ^ “Making a Mobius a matter of mathematics”. Times, The (Trenton, NJ): p. aa3. (1998年10月4日)
参考文献
[編集]- Zimmermann, Elizabeth (1971). Knitting Without Tears (1995 Fireside paperback ed.). New York: Simon & Schuster. ISBN 0-684-13505-1. OCLC 475746806
- Zimmermann, Elizabeth (1974). Knitter's Almanac (1981 Dover paperback ed.). New York: Dover Publications. ISBN 0-486-24178-5. OCLC 851977417
- Zimmermann, Elizabeth (December 1, 1981). Knitting Workshop. Wisconsin: Schoolhouse Press. ISBN 0-942018-00-1
- Zimmermann, Elizabeth (June 1, 1989). Knitting Around (June 2001 reprint ed.). Wisconsin: Schoolhouse Press. ISBN 0-942018-03-6
- Zimmermann, Elizabeth (January 30, 2005). The Opinionated Knitter: Elizabeth Zimmermann Newsletters 1958-1968. Wisconsin: Schoolhouse Press. ISBN 0-942018-26-5
外部リンク
[編集]- Schoolhouse Press Started by Elizabeth Zimmermann in 1958
- Remembering Elizabeth... from Knitting Universe Magazine
- The Influence of Elizabeth Zimmermann and School House Press An online catalog of the University of Wisconsin Design Center October 2006 Exhibition.
- Elizabeth Zimmermann: A Tribute to 50 Years of Inspiration at Vogue Knitting
{{DEFAULTSORT:Zimmermann, Elizabeth}} [[Category:編み物デザイナー]] [[Category:1910年生まれの人物]] [[Category:1999年死去の人物]]