利用者:遡雨祈胡/普通の魔法使い
発達障害と暴力では、発達障害を持つ者が加害者、もしくは被害者になる暴力について記す。国立精神・神経医療センター病院に勤める田口寿子は、精神障害と犯罪の関係について語ることは、重大犯罪の逮捕者に精神科治療歴があると報道されることで精神障害者への偏見が助長されるなど難解としている[1]。ただ、精神障害を患って犯罪を犯した人間の生きづらさについて認識が広がることは、精神障害による犯罪が防止可能な社会の構築の上で重要であると考えを述べている[2]。日本橋学館大学(後の開智国際大学)教授の村上千鶴子は、診断名が同一だからと他の障害者までまとめて危険視することを愚かだと断じている[3]。2007年に精神科医の杉山登志郎は、国際医学雑誌に掲載された自閉症スペクトラム障害(ASD)が起因となる殺人は3件の報告のみと述べている[4]。そして、毎年同じ障害の影響で殺人事件が発生している日本の状況は、医療と教育における対応の遅れの象徴と述べている[4]。
発達障害を持つ者が被害者の場合、法政大学現代福祉学部臨床心理学科の助教授である岩田千亜紀によると、性暴力に遭う比率は健常者の2倍から3倍とされている[5]。この一方で、日本での性暴力と障害者に関する研究は限られている[6]。
発達障害の中でもASDは、健常者からはアプローチしづらい点があることが、精神科医の杉山登志郎に指摘されている[7]。
発達障害者が加える暴力
[編集]心理学者の藤川洋子は、2002年から2004年にかけて東京家庭裁判所が扱った32件の事例を6種類に分類した[9]。
法的解釈
[編集]発達障害者が加害者の場合、刑事責任能力の有無を刑法に基づいて判断する[11]。
幼少期
[編集]発達障害者が受ける暴力
[編集]法的解釈
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 田口 2018, p. 87.
- ^ 田口 2018, pp. 87–88.
- ^ 村上千鶴子『ストーカー』(初版)駿河台出版社〈21世紀カウンセリング叢書〉、2009年7月25日、116-117頁。ISBN 978-4-411-04006-0。 NCID BA90855600。OCLC 674761380。全国書誌番号:21638064。
- ^ a b 田淵 & NNNドキュメント取材班 2018, p. 34.
- ^ 岩田 & 中野 2019, p. 23.
- ^ 岩田 & 中野 2019, p. 24.
- ^ 杉山登志郎「発達障害から発達凸凹へ」『小児耳鼻咽喉科』第35巻、第3号、180頁、2014年。doi:10.11374/shonijibi.35.179。ISSN 2186-5957。
- ^ 増井 2015, p. 131.
- ^ 田淵 & NNNドキュメント取材班 2018, pp. 67–68.
- ^ a b 田淵 & NNNドキュメント取材班 2018, p. 68.
- ^ 田淵 & NNNドキュメント取材班 2018, p. 15.
参考文献
[編集]- 岩田千亜紀; 中野宏美「発達障害者への性暴力の実態に関する調査」(pdf)『東洋大学社会学部紀要』第56巻、第2号、東洋大学、2019年3月 。
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