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利用者:西大路今出川/ウィキペディアにおける不立文字と方便

本来は仏教用語である不立文字(ふりゅうもんじ)と方便(ほうべん)という考え方を、ウィキペディアに援用しながら説明します。これらの考え方は、仏教以外にも有益であると考えます。

不立文字

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真の仏法(仏教における真理)は、いかなる言葉(文字)によっても正確に伝えることはできないと考えられています。言葉で表現することにより不正確な仏法が伝わって弊害を生じるよりは、言葉を全く用いず、別の方法で仏法を伝えたほうが良いということです。「既知の全ての物事を言葉で伝えることができる」「真理は必ず言葉で伝えることができる」と考えている人がいますが、仏教ではこれらの考え方を否定しています。

ウィキペディア日本語版においては、Wikipedia:合意形成に「合意は変更できる」という記述を追加する提案が何度もされましたが、「合意は変更できる」という考え方自体は反対されなかったにもかかわらず、提案は全て却下されました。これは、どのように表現を工夫したとしても、「合意は変更できる」という内容を記述すること自体が悪意の利用者によって曲解され、合意形成の無効化につながる危険性があると考えられたからです。

方便

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真の仏法を言葉で正確に伝えることはできませんが、仏教を全く知らない人に仏法を説くには、不正確な形であっても比喩などの間接的な説明を用いて言葉で伝えなければなりません。しかし、間接的な説明のために真意が相手に伝わりにくいこともままあります。その場合、手を変え品を変えながら幾通りも説明することが時に必要になります。

正確に伝えることのできない概念を他人に伝える場合、1度目のAという説明で通じなかったため、2度目にBという別の説明をしたとします。このとき、AとBの内容が完全に一致するとは限りません。このとき、聞き手がAとBの相違点のみに注目し、その矛盾を指摘して批判するのは無意味です。矛盾している部分、すなわちAとBの相違点は話し手が本当に伝えたいことではないからです。話し手が本当に伝えたいのはむしろAとBの共通点であり、聞き手はAとBの共通点を見出して話し手の説明を理解すべきなのです。

執筆のきっかけとなったページ

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