利用者:組曲師/sandbox

人外教室の人間嫌い教師 ヒトマ先生、私たちに人間を教えてくれますか……？
ジャンル	学園ヒューマンドラマ
小説
著者	来栖夏芽
イラスト	泉彩
出版社	KADOKAWA
レーベル	MF文庫J
発売日	2022年2月25日
巻数	既刊2巻 （2023年1月1日現在）
テンプレート - ノート
プロジェクト	プロジェクト:フィクション
ポータル	Portal:文学

『人外教室の人間嫌い教師』（じんがいきょうしつのにんげんきらいきょうし）は、来栖夏芽による日本のライト文芸シリーズ。イラストは泉彩が担当している。略称は「人外教室」。MF文庫J（KADOKAWA）より、2022年2月25日から刊行されている。

作品は連作短編集である。来栖夏芽は各篇を出されたお題にに応じた内容で書くスタイルをとっている。内容は、人間関係に不安を抱える人間のニート、人間零（ひとまれい）が山中にある人外が人間になることを目指して通う私立高校「不知火高校」に就職し、教鞭を執ることから始まるヒューマンドラマ。本編では、各生徒が人間になるための葛藤やそれに応じる人間零の人間模様が描かれている。

著者である来栖夏芽はにじさんじに所属するバーチャルライバーであり、『人外教室の人間嫌い教師』は2021年12月に来栖夏芽のYouTubeでの生配信内で刊行が発表された。作品は、同所に所属するバーチャルライバーがライトノベルを執筆したこともでも話題となり、PANORA、リアルサウンド、KAI-YOUなど主要なメディアで取り上げられた。また、PANORAおよび雑誌『VTuberスタイル』（2022年3月号）では特集を組んでいる。

『このライトノベルがすごい！』（宝島社）では2023年版の中で単行本・ノベルズ部門で11位を獲得した。

登場人物

学校関係者

人間零（ひとまれい）

本作の主人公。人間の男性。元々は他の高校で教鞭をとっていたが、あることをきっかけに人間関係にトラウマが生じて、引きこもりのニートになっていた。私立不知火高校の求人広告を見て、エントリーをし、就職。生徒が人間になることを目指すことを支える教師として働くことになった。好きなものはゲームと寿司。ゲームに関しては、

羽子田トバリ（はねたとばり）／シラヌイ様（シラヌイさま）

普段は生徒に隠し、仮の姿のモズで「音楽をしたい」羽子田トバリとして生徒と一緒に過ごす一方で、実のところは私立不知火高校の創設者で理事長。その正体は不死鳥の女性であり、能力で学校の周りに結界を張り巡らし、結界内で半分人間になれるようにしている。最終目標は自分自身に「寿命を与えること」。

烏丸四郎（からすましろう）

校長。烏天狗の男性。野球が好きで挨拶の際には野球用語を絡めて話す。千里眼や地獄耳の能力を持つ。校長の姿の身体は本来の姿ではなく、本体はダチョウほどの大きさを持つ白いカラス。

早乙女雪（さおとめゆき）

理科担当教師の元雪女。夫は星野。烏丸ハルカは学校の後輩で教え子にあたる。新卒から私立不知火高校で担任をもたず、教えている。

星野悟（ほしのさとる）

人間。妻は早乙女。アメリカ合衆国にある大学を首席卒業後、主に植物の遺伝子を専門とする研究者として働いたのち、転職し、私立不知火高校で数学を担当し、中級クラスを教えている。植物の遺伝子研究をしていたこともあり、コーヒーを好んでいる。

須藤（すどう）

体育担当教師の女性。水泳で全国大会へ出場経験を持っており、人間零曰く「すらっとした長身でスタイル抜群」。

東雲寮子（しののめりょうこ）

寮のお世話をしている寮母。

烏丸ハルカ（からすまはるか）

校長こと烏丸四郎の娘。養護教諭を担当している。早乙女雪の卒業した学校に入学し、彼女から教えられていた教え子。

絵本四季（えもとしき）

美術共有を担当している男性。

生徒

水無月鏡花（みなづききょうか）

1作目に登場した、ポセイドンを先祖とする人魚の在学3年の上級生。ある日船上でダンスをしていた人間を見たことに影響され、ダンスがしたいことを理由に、人間になりたいと願っている。卒業後はダンスの専門学校に通っている。

右左美彗（うさみすい）

1作目から登場した、ウサギのぬいぐるみの在学3年の上級生。言葉遣いが悪く、周りに冷ややかな態度をとることがある。その一方で授業態度はいたって真面目な一面を持つ。右左美は人間の木崎彗子が所有しており、恩返しをしたいことを理由に、人間になりたいと願っていた。しかし、木崎彗子の体調が悪く、学校を抜け出し、人間姿で木崎彗子と会ったことで医者を志すようになる。

尾々守一咲（おおかみいさき）

1作目から登場した、人狼の在学3年の上級生。普段はオオカミで大人しいが、満月になると人間のギャルになる二重人格を持つ。尾々守一咲は満月になると人格が変わることに対して抵抗感をもっており、人格を1つにしたいと願い、学校に通っていた。尾々守一咲は人間零と接すことで、人格を別々の人間に分け、2人の人間として生きる道を歩むことを志すようになった。普段のおとなしい性格の「一咲」は、私立大学の文学部に。満月のギャルな性格の「いさき」は美容の仕事をしたいと思っている。

黒澤寧々子（くろさわねねこ）

アリス・メーデイアが飼っていた黒猫。彼女と一緒にいすぎたせいか魔力を持ち始め、これ以上一緒にいると猫又になりそうなところを、シラヌイ様に預けられ、人間零が就職した年度に特例で中級から入学。入学について本人も了承していたが、春休みに脱走騒動を起こし、その処置として2年目には準正規として昇級している。アリスが学校に訪れた後、2回目の脱走を図る。この処遇について面談をしている最中にアリスと再会。シラヌイ様からの提案で魔力量を抑えることを提案され、退学処分を受けた以後は、森の中の神社に住んで魔力をコントロールする方法を勉強している。

龍崎カリン（りゅうざきかりん）

2作目から登場し、正規昇格し、上級クラスに入ったドラゴン族。恋を知り、大切にされたいことを理由に、人間になりたいと思っている。洞窟に住んでいた時代に、けがをした姫が洞窟に迷い込み、一時的に一緒に過ごした際に恋の存在を知った。人間零が右左美彗と木崎彗子を合わせようとしていた際に後ろからつけており、それをきっかけに先生のことが好きになる。入学前に水無月鏡花が学校に通い始めた噂を聞き、学校に通うことを決めた。

根津万智（ねづまち）

2作目から登場し、正規昇格し、上級クラスに入ったネズミの在学歴8年の生徒。おいしいものをいっぱい食べたいことを理由に、人間になりたいと思っている。妹の根津万智が初級クラスにいる。生徒寮では、妹と2人部屋に住んでいる。

根津千結（ねづちゆ）

2作目から登場した、初級クラスのネズミの生徒。根津万智の妹にあたる。生徒寮では、姉と2人部屋に住んでいる。

その他

木崎彗子（きざきせいこ）

76歳の人間の女性。右左美彗の所有者。幼少時代より「うさみ」を大切にしていたが、2、3年前に宇佐美が学校に入学したことで「うさみ」と別れる。医者からは余命1か月と宣告されており、入院している。入院中に校則を破って人間姿になり、目の前に現れた「うさみ」と再会する。元同級生の夫、健一と結婚。夫は由緒正しい家の生まれで、木崎彗子と結婚したことで実家での立場が悪くなり、無理をして体を悪くしたことで70歳で4年前に他界した。夫との間には1人娘がおり、娘は海外に家庭を持つ。

アリス・メーデイア

魔女。魔術の力で若々しい姿を保っているが、実年齢は外見よりも長生きで、数百年生きている。羽根田には馴れ馴れしく接する。黒澤寧々子の保護で、飼い猫を暇つぶしのつもりで人間にしようと考える。

執筆と作風

『人外教室の人間嫌い教師』は著者の来栖夏芽にとって、商業作品の処女作にあたる。来栖夏芽は、2019年12月よりバーチャルYouTuber配信プロジェクト、にじさんじに所属し、バーチャルライバーとして配信活動を行っている。来栖夏芽は、配信活動のなかでゲーム『Minecraftのゲーム実況配信をしており、2020年11月に天宮こころが開催した寄贈本企画「にじ文豪になろう！」に合わせ、『Minecraft』内で短編小説『吾輩はネコである』および『バナナの皮で滑ったら異世界に！』を執筆した。これが本作の担当編集者の目に留まり、著書を持つきっかけになった。

本編は、10篇で構成されており、にじさんじ所属のバーチャルYouTuberに提供された3つのお題（三題噺）と配信のリスナーの安価に基づいて執筆している。

来栖夏芽は、本作の執筆にあたって数本のパイロット版原稿を執筆している。お題を〇〇に出してもらい、編集者に提出。編集者はこの原稿に対して「」と来栖夏芽のインタビューに対して配信で回答している。

『人外教室の人間嫌い教師』は2022年月日に来栖夏芽のYouTubeチャンネルで発表された。発表当日は、来栖夏芽が「」と題した配信で出版を発表。同日に予約開始し、来栖夏芽のYouTubeチャンネルにプロモーション動画が掲載された。

来栖夏芽は編集者に対して「なんでもします」と過去に回答していたことを明かしており、本書に関する多数のプロダクトを担当している。本書の執筆をはじめ、表紙漫画、店舗特典（漫画、イラスト、同人誌、ショートストーリー）、告知用イラストなどを担当している。

書誌情報

• 来栖夏芽 著、大竹卓 編『人外教室の人間嫌い教師 ヒトマ先生、私たちに人間を教えてくれますか……？』泉彩、KADOKAWA（MF文庫J）、2022年3月25日。ISBN 978-4-04-681095-3。 

関連書籍

• 大竹卓（MF文庫J） 編『にじさんじアーカイブス 2021-2022』ANYCOLOR、2022年3月25日。  - 著者の来栖夏芽が本書の宣伝漫画を描いている。また、編集者が同一という共通点も持つ。
• 芝崎浩司（編）『VTuberスタイル 2022年3月号』、アプリスタイル、2022年2月28日。  - 著者の来栖夏芽が作品に関連してインタビューに受け答えている。

外部リンク

• 公式ウェブサイト

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