マクローリンの不等式(まくろーりんのふとうしき、英: Maclaurin's inequality)は 、相加相乗平均の不等式(英語版)を改良した不等式。マクローリンの名をとって命名された。
a1, a2, ..., an を正の実数とし、k=1, 2,..., nに対して平均Skを以下のように定義する。
分子は、n個の変数a1, a2,..., anを用いて作られるk次の基本対称式である。つまり変数a1, a2,..., anの指数の合計がkであり、変数が添字の昇順に並ぶようなものである。一方、分母は二項係数 で、各kに対する分子の基本対称式の項数を表す。
マクローリンの不等式はこのSkに関するもので、以下の不等式で与えられる:
等号が成立するのは、全てのaiが等しいときで、しかもその時に限る。
n=2のときには、マクローリンの不等式は2変数に対する相加相乗平均の不等式になる。 マクローリンの不等式が具体的にどのような不等式を与えるかがわかりやすい例として、n=4の場合を挙げる:
マクローリンの不等式は、ニュートンの不等式を用いて証明することができる。
- Biler, Piotr; Witkowski, Alfred (1990). Problems in mathematical analysis. New York, N.Y.: M. Dekker. ISBN 0-8247-8312-3
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