利用者:河内蜻蛉/sandbox6
ピクチャー・イン・ピクチャー
ピクチャー・イン・ピクチャー(英語: Picture-in-picture)とは、パソコンやテレビの画面の一部に小さな画面を表示することである[1]。英語表記(Picture-in-picture)の頭文字をとってPIPとも呼ばれる[1]。対立概念はピクチャー・バイ・ピクチャー[1]。
概要
[編集]ピクチャー・イン・ピクチャーでは、一つの画面の隅などに小さく別の画面の表示領域を設けることで、両方の画面を同時に表示させることができるようにしている[2]。これによって複数の画面を常に表示させることが可能になり、複数画面の視聴や操作が容易になった上、画面の大小差によってメイン画面とサブ画面といった位置付けも設けやすくなった[2]。テレビにおいては「ワイプ」と呼ばれるほか[2]、多くのブラウザや動画プラットフォームで採用されている。
歴史
[編集]1976年のモントリオールオリンピックの際、初めてテレビでピクチャー・イン・ピクチャーが用いられた。新興のデジタル・プロダクション会社であったクアンテル(Quantel)が開発した技術であり、これによってオリンピック放送を行うネットワークは二つのライブ映像を一つのスクリーンに映し出すことができるようになった[3]。
1985年に公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』ではマーティ・マクフライJr.が6つのチャンネルを一つのスクリーンで見ているシーンが登場するが、同年7月の『ポピュラーサイエンス』誌では9つのテレビ・ショーを同時に見ることができる三菱のテレビセットを特集している。
評価
[編集]ピクチャー・イン・ピクチャーという技術そのものについて、アーニー・スミス(Ernie Smith)は「馬鹿げた仕掛けだと思う」という見方と「初めて手にした時は大したものだと思った」という二通りの見方があることをあげているが、前者に関しては、ピクチャー・イン・ピクチャーが発明された時に比べて今では情報の消費方法がより複雑になっているために、ピクチャー・イン・ピクチャー自体がかつての輝きを失っていることから、後になって論じられるようになったものであることを指摘している。そしてさらにピクチャー・イン・ピクチャーはかつて、消費者に選択肢を与えるという破壊的技術であり、多くの人を喜ばせることができるものであるとみなされていたことにも注目している[3]。
ただし同時に、ピクチャー・イン・ピクチャーのような発明は1980年代後半から1990年代初頭以前にはなかったもので、これによって人々はより切れ切れに情報を得るようになったが、このような一種の浪費は比較的新しく、未だに人々は複数の手段によって家庭に情報が与えられているという事実に向き合い続けているとした上で、以下のような引用を紹介している[3]。
“The ability to watch two idiot boxes at the same time—it’s the end of Western civilization as we know it.”
「一度に二つのテレビを見られる能力—これこそ我々が知っているように西洋文明の終わりである。」
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c 『デジタル大辞泉』小学館、2012年11月2日。
- ^ a b c “ピクチャーインピクチャーとは 「ピクチャインピクチャ」 (Picture In Picture, PIP): - IT用語辞典バイナリ”. www.sophia-it.com. 2021年6月22日閲覧。
- ^ a b c d “Picture-in-Picture History: Digital Multitasking’s First Foray” (英語). Tedium: The Dull Side of the Internet.. 2021年6月29日閲覧。
- ^ Alan C. Neubauer (1988年6月27日). “Marketing A Gadget For a Gadget”. New York Times 2021年6月29日閲覧。
参考文献
[編集]- Smith, Ernie (2020年3月5日). “Double Vision: The history of picture-in-picture technology, an idea that seems a lot less impressive now than it did in the 1980s, and an era of forgotten set-top devices.”. Tedium.. 2021年6月23日閲覧。