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利用者:松田桐箱/sandbox

株式会社松田桐箱(かぶしきがいしゃまつだきりばこ)は埼玉県春日部市の企業。創業は大正8年にまで遡り、主にパッケージとしての桐箱を製造・販売している。
平成4年には埼玉県指定伝統工芸モデル工場にも認定され、江戸時代に日光東照宮造営に携わった工匠が当地で日常品を作ったのが始まりといわれ、300年の伝統を持つと言われる春日部の桐箱産業とその技術を今に伝える。
近年ではの優れた性質を生かす桐箱以外の商品の開発・製造にも意欲的に着手しており、金具を用いずに開閉を行うことが可能な蝶番の開発をするなど、伝統の技法と新しい発想を組み合わせた商品展開を行っている。

製品に対する姿勢

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株式会社松田桐箱の製品は、桐の特徴を生かす様々な工夫がなされており、使用者が安心して、長く使える製品をコンセプトに製造開発を進めている。
米の計量を自動で行うことができる総桐製の米びつなどには、桐がもともと持っている調湿性を損なうことのないよう、天然素材の安全性が高い特別な塗料によって表面を仕上げ、接着剤にも天然素材のものを用いるなど、もともと木材の中でも安全性が高いと言われる桐の性質を最大限に引き出している。
新製品に関しては一般的な蝶番などの金具のない製品を開発。代表的な製品として、桐の名刺入れ(カードケース)、桐のペンケースがあり、2014年2月に株式会社ZENCRAFTより事業を継承した時のゆりかごにもその技術が用いられている。時のゆりかごは例外的に施錠するための金具が取り付けられているものの、いずれの製品にも開閉時の可動部分に一般的な金属、樹脂等の蝶番は用いられていない。
これにより、見た目にも凹凸がなく、スタイリッシュで出し入れにも引っかかりの少ない製品となっており、古来より貴重品を収納するイメージのある桐箱の風格、風合いを損なうことなく、利便性やデザイン性を向上した製品作りがなされている。

今後、収納用品やパッケージ用品としての桐箱以外にも、電化製品や日用品として、桐の良さを日常的に感じられる商品展開を進めていく予定。

主な製品

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米びつ

桐は材の中にホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因物質を含まない。多孔質構造で調湿性、保温性があり、パウロニン、セサミンと云う成分が含まれており、虫がつきにくく、抗菌性にも優れている。 虫がつきやすく湿気や温度変化によって品質が低下する恐れのある米を保存するのに桐は最適な材であり、松田桐箱の国産桐使用最高級品の米びつはその特性を最大限に生かせるように塗料や接着剤にも気を使って作られている。 また、総桐製の米びつでも計量機能を備えており、自動で1合分の米を取り出すことができる。桐は国産の木材では最も軽いので、置き場所を変える際にも非常に楽である。


まな板

桐は柔らかく、その構造上、材の内部まで水が浸透していくことがない。また、もともと天然の防腐剤であるタンニンを含むため非常に腐食に強く、この特長は水周りでの使用に向いている。 柔らかい素材であるため包丁にもやさしく、刃こぼれがしにくいためまな板が原因で切れ味が低下してしまうこともまずない。軽量であるためこまめに洗うことも容易であり、材にもともと含まれる成分が防腐剤の効果を示すことから、天然素材でありながらその安全性は高いと言える。


弓具

桐材を用いた弓具。現在、矢筒、かけ入れが販売されており、軽量な桐を用いた弓具は持ち運びに容易であり、また保存性も高い。武道、スポーツにおいて使い慣れた道具は他に変えがたいものであり、弓を引くために使われるゆがけはかけとも呼ばれ、使い慣れたかけを変えることはなかなかできない事から、「かけがえのない」の語源になっていると言われている程である。 かけに関して言えば、素材である鹿革は非常に繊細であるため、手に装着して使うかけは汗などの湿気によってさまざまな影響を受ける。弓の弦を引っかけるためにかけに付けて使うぎり粉は、松や杉のヤニを原料としているので、湿気を帯びるとべたつきが出てしまう場合もある。最悪の場合、かけそのものにカビが付く、腐食によりほつれが出る場合もある。 調湿性のある桐はこういったものの保管には非常に適したものであり、古来より着物などの高価な衣服などをしまう際に桐箱、桐タンスが用いられてきたことを考えれば、非常に理にかなった製品である。


桐の名刺入れ

前述にもある金具を用いない蝶番を使った製品。凹凸がないので胸ポケットやかばんから出し入れする場合にも容易で、非常に軽量であることが特徴である。 木製の名刺入れに多いスライド式と比較して開閉もしやすく、開けたときの間口も広い。相手から受け取った名刺をしまっておくスペースを設けて、桐製でありながらスマートな印象が出せるようにデザインされている。 この名刺入れをきっかけに『NaRu』という松田桐箱オリジナルのブランド展開を開始し、ビジネスやデスク周りで使える製品の開発を進めている。 『NaRu』の製品は現在名刺入れとペンケースが販売されている。


時のゆりかご

自動巻腕時計用に開発されたワインディングマシーン。開発元は株式会社ZENCRAFTであり、2014年2月に松田桐箱がその事業を継承した。 多くのワインダーが回転式で巻き上げるのに対し、時のゆりかごはスウィング方式を採用し、特許を取得した世界で唯一のワインダー。 時計に対する多くの配慮がなされた製品であり、その配慮は目に見えない磁力にまで及ぶ。 本体ボックスは松田桐箱の伝統的な技術により作り上げられた桐箱であり、一般的に高価な自動巻腕時計を収納する場合においても、桐箱の優れた保管性能は如何なく発揮される。特に難燃性や防水性により、万が一の事態でも収納された物への損傷を最小限に抑えられる可能性をもつ。 桐は金庫や火鉢に用いられるほどに燃えにくいとされている。


松田桐箱の沿革

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  • 大正8年2月 粕壁町(現在の春日部市緑町)1048番地にて創業
  • 昭和27年10月 有限会社松田桐箱製作所を設立
  • 昭和50年7月 春日部市緑町5-1-16に330m2の工場設立
  • 昭和63年11月 鉄骨二階建ての工場を増設
  • 平成4年11月 埼玉県指定伝統工芸モデル工場となる
  • 平成12年5月 株式会社松田桐箱に変更


リンク

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