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利用者:日生586/第2作業室

設備

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機器

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  • IGBT-VVVFインバータ制御装置を搭載する。
  • 207系では起動加速度が2.7km/h/sだったが、321系では起動加速度を地下鉄対応車両にしては低い2.5km/h/sに落とした。他社局の通勤形電車の起動加速度は3.0km/h/s前後が標準になりつつある。
  • 冷房装置は集約分散式のWAU708形を1両につき2基搭載。221系からの伝統的な方式だが、321系のものは他より上下方向に大きい。
  • 223系クモハ223-3033号集電装置にシングルアーム式パンタグラフを試験搭載し、125系で本格的に採用したが、321系では将来入線予定のJR東西線剛体架線に対応するため採用が見送られており、207系と同等の下枠交差式を搭載する。
  • 車両構造は電動車付随車とも屋上や床下を共通構造・配置とし、主制御器や補助機器、パンタグラフなどの追加・撤去により、在来車に対して比較的容易に変更改造できる設計となっている。
  • 7両固定編成のため、4両+3両に分割可能な207系と違い、ホーム有効長が4両編成分しかない片町線(学研都市線)[[京田辺

駅]]~木津駅間への入線はできない。

  • 駆動モーターのパワーアップに伴うM車の比率減によって編成全体としての車両新造コストを低減することを目論んできた従前の流れとは異なり、321系では、各M車のモーター数を4→2に半減する一方でM車の両数自体は倍増し、編成内各車の重量均一化と牽引力の分散によって車両間の衝動を抑制し、自由度の高い編成組成を可能にした。(高松琴平電気鉄道1200形のような2両1ユニット。)ただ、この動力方式の変更についてメディア報道では、床下に機器を多く搭載するM車の方が付随車(T車)に比べて重心が低く転覆し難いという理由により、JR福知山線脱線事故の影響で急遽設計変更したかのように報じる向きもあった。しかし、321系の動力方式変更は事故発生前に既に盛り込まれていた機軸であり、全くの誤報である。また、この動力分散によって雨天時等の空転抑制につながったとよく言われるが、207系や223系と比較した場合、動軸上重量自体も、編成重量に占める動軸上重量も減少しており、むしろ空転を起こしやすくなっているため、このような考えは間違いである。
  • 電動車は207系0番台以来のユニット方式となり、付随車は3号車に連結する。機器配置の関係で現段階ではクモハ同士の2連は組めないが、簡単な改造で組成可能なようにしている。
  • 将来の転属時を考慮、並びに部品の共通化でサハを含めた全車に2基目のパンタグラフ搭載スペースが設けられ、実際に臨時列車としての乗り入れや207系の検査時の代走を考慮してか、第10編成以降は207系同様にパンタグラフが1両あたり2基搭載して落成した。207系と同様に通常は1基のみ使用して走行している。
  • 第9編成までは201系および205系0番台の置き換えが目的だったためパンタグラフを1両あたり1基搭載、編成全体では3基のみ搭載した状態で落成したが、2006年8月までにパンタグラフ増設を完了した。

車外

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  • 先頭車前面のデザインは「厳めしい」と評された207系のイメージを踏襲するものの、前照灯尾灯の灯火類位置を若干下げた他、一層近代的で力強い表情とするべく変更がされている。
  • 207系では連結面の妻壁に非常時の換気用および妻壁外面に設置する消火器を車内に取り込む事を可能にする目的で大型の一枚下降窓が備わり、貫通路自体も若干車両中心からオフセット配置されていたが、321系では貫通路を真中に置く通常の形態に戻し、併せて妻面窓を廃止した。
  • 「半自動ドアスイッチ」の稼動を207系では電照文字で『ドア』と表示していたが、321系ではスイッチボタン周縁を光らせて知らせるタイプに変更した。
  • 207系で省略した号車表示を追加している。車内は手摺りなどの構造が大幅に簡略化しているのが見受けられる。
  • 車体帯の色については、当初、207系と同一の窓下に濃淡ブルー帯にする計画であったが、実際の落成に際しては紺色とオレンジ色の新色で出場した。側窓周りにも紺色の帯が入っており、窓間をつないで1本の帯状に見せる223系のイメージに一脈通じるデザインとなった。
  • 既存の207系も、その後上記車体帯への更新を行い2006年3月までに完了した。この変更について、メディアでは「第1編成の落成直前に発生した福知山線脱線事故の遺族や乗客の心情に配慮したもの」と報道したが、帯色変更の理由についてJR西日本からの公式発表はなされていない。
  • オレンジ色の車体帯については、同色がJR西日本のサブコーポレートカラーともされているためか、似たような紺色とオレンジ色のラインは、同社の「ひかりレールスター」用700系7000番台特急しらさぎ」用683系2000番台でも採用されている。他にも類似の配色が2006年10月21日から運転中の房総地区用211系や、南海電気鉄道の通勤車、東京地下鉄有楽町線07系に見られる。

車内

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  • 座席は、着座区分のためにバケット構造を採用し沈み込みの少ない硬い印象のものになり、奥行きが浅く座面高が高いという設定と相まって、207系より座り心地が悪いとの評判が少なくない。207系で試験採用したものは阪神電気鉄道8000系後期製造車のような着座部分をくぼませた形状のものだったが、321系では逆に両端を盛り上げた形状とし、構造を簡略化している。一方で、乗客の体格向上に合わせてドア間座席の定員を207系の7人から6人に削減し、1人あたりの着座幅を広げている。そのため着席定員は減っている。
  • 難燃性基準の改正により従来の樹脂製の蛍光灯カバーが使えなくなったため、グラスファイバーに素材を変更した蛍光灯カバーを採用している。
  • 脱線事故を契機に、車体の側面強度の向上や、手摺りにクッションを巻くなど客室の安全対策を取る必要性が指摘されたが、JR西日本は「安全対策の改良点が見つかればその都度導入する」とした。このため後で取り付けることも考えられる。

液晶ディスプレイ

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車内の案内表示モニター(大阪駅で)

車内の中吊り広告の位置3ヶ所の枕木方向6面に、東日本旅客鉄道(JR東日本)の山手線E231系500番台と同様のものを設置している。これは、207系にあるLEDでの案内を発展させたもので、画面左半分が路線上の現在位置や駅名などの運行情報、右半分がCM放送となっている。但し、流れるのは映像のみで音声は出ない。E231系500番台のような停車駅での階段エスカレーター位置などの案内はなされていない。駅名の表示順は、漢字ひらがな英字の順である(例、次は新大阪つぎはしんおおさか→Next Shin-Osaka)。

  • このディスプレイではメーカーである三菱電機のCMが多く流れているが、これは当系列の運用区間であるJR京都・神戸・宝塚線沿線に同社の製造拠点が多いためでもある。

運転台

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  • 運転席モニタ装置は207系や223系のものとは異なりどちらかというとE231系に近いが、画面は223系とほぼ同じである。画面に表示される距離は停車駅相互間の距離ではなく、走行中の路線の起点からのキロ程である。JR神戸線系統は東海道本線の終点・山陽本線の起点である神戸で、福知山線(JR宝塚線)系統は尼崎で、湖西線乗り入れ列車は湖西線起点の山科でそれぞれ切り替わる。ちなみに、伝送速度はE231系を上回る10Mbps(E231系は2.5Mbps)。
  • 現場の運転士の間では、従来の車両との運転特性の違いからか『運転しにくい』との声もあり、実際に停車時に急ブレーキを効かせることも多い。高速域から空気ブレーキを併用しているのもこの為で、本社サイドも空気ブレーキの比率を上げるなどの対策に乗り出している。
試運転中の321系(姫路駅にて撮影)