利用者:実芭蕉/sandbox11

リスクファクター

遺伝

行動遺伝学

行動遺伝学では双生児法を用いた研究がなされている。かつて行われた一卵性双生児566人、二卵性双生児527人を対象にした研究によると、離婚の遺伝率は女性の場合で59％、男性の場合で55％であった。女性の59％のうち離婚の直接的遺伝率は41％であり、残りの18％は遺伝で決定される性格による間接的な離婚の遺伝率である。男性の55％のうち離婚の直接的遺伝率は31％であり、残りの遺伝で決定される性格による間接的遺伝率は23％であった。

また、離婚ではなく結婚生活に関する遺伝の影響が研究されている。スウェーデンで行われた研究によると、妻の結婚満足度の遺伝率は30％から31％であるという。また別の研究では、夫婦関係の愛情に関する遺伝率は、夫で22％、妻で32％であり、夫婦関係の口論や言い争いに関する遺伝率は、夫で26％、妻で14％であった。

遺伝子

アルギニン・バソプレシンの神経伝達物質を受け取るタンパク質を生み出す機能があるAVPR1Aという遺伝子が離婚に関わるとされている。ハタネズミを対象にした研究では一夫多妻を好むハタネズミとそうでないハタネズミの種を比較した所、一夫多妻制を好むハタネズミの種では、アルギニン・バソプレシン受容体が多いことが報告されていた。後に、2008年に発表された双子のスウェーデン男性の552組を対象にした研究で、人間に関しても同じようなことが明らかになった。AVPR1Aの遺伝子の塩基配列において、対立遺伝子のコピーがあるとアルギニン・バソプレシン受容体を十分に作り出すことができない。過去1年以内に離婚や結婚生活の破綻を経験した男性の割合は、対立遺伝子のコピーを持たない、そして1つしかもっていない他の男性の2倍以上だった。また、その対立遺伝のコピーを2つもつ男性のパートナーは、そうでない男性のパートナーより2人の関係の満足度が低く、結びつきも弱いことがわかった。