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利用者:㭍月例祭/Wikipedia:記事名をめぐるcommonとofficialの変遷

本項では、Wikipedia:記事名の付け方の「記事名を付けるには」(WP:CRITERIA)と「正式名称」(WP:COMMONNAME)について、現状の齟齬や矛盾がどのように生じてきたのかについて、経緯を解説します。

概要

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現状、WP:NCでは、「正式・公式」「official」、「一般的・有名」「common」をめぐって、齟齬や矛盾があります。また、「正式」の意味する・意図するところは、当初と今では解釈に変化が生じています。

この齟齬は、この文書が2003年頃から何回も改定されていて、時には独断で、時には合意で、日本語版独自の文章と、英語版からの文章と、いろいろな経緯があった結果、このような形になっています。

この齟齬についての指摘が過去に何度も行われています。が、多様な意見が出たり、意見の一致に至らず、改定には至っていません。

  • 最初期(2003年)には、日本語版独自の規定として、略称では記事名が重複してしまうことがあるので、それを避けるために正式名称にするのがよい、とされていました。
  • (例)「CD」では「コンパクトディスク」なのか「キャッシュディスペンサー」なのか判らないから、記事名は「コンパクトディスク」と「キャッシュディスペンサー」にするべきだ
  • その後、「記事名の衝突を避けるため」という目的は失われて、様々な分野・事例で「そもそも正式名称とはなんぞや」を巡って論争が起きるようになりました。しばしば「誰も知らない正式名より、皆が知っている有名な名称のほうがよいのではないか」という意見も出ました。
  • 2009年に、英語版からの導入でWP:CRITERIAが導入され、「認知度が高い」などの原則が導入されました。このときに、あわせて英語版から「一般的な名称を使う(common)」を導入しようという提案もされましたが、これは見送りになりました。
  • 2012年に、日本語版オリジナルの「正式名称」に「WP:commonname」というショートカットが設置されました。
  • その後も「正式名称」と「一般的」、「official」と「common」の齟齬については何度か指摘が行われていますが…改定には至っていません。

詳しく

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2003年2月 黎明期

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Wikipedia日本語版の最初期(2003年2月頃)[1]には、「名前が衝突しないよう、正式名称」を記事名にすべきとなっていました。(当時の規定文書は、少数の利用者が個人的に自由に改変していたものです。)


2008年にも、最初期に「正式名称を採用するのは、その方が記事名の衝突が避けやすいからだった」との指摘があります。

一方、「日本語を使う」(外国語表記は使わない)などの指示もありました。

×「Computer Graphics」 → ○「コンピューター・グラフィックス」

2003年4月 修正

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まもなく2003年4月頃[2]に、次のようになりました。

正式な名称を使う
×「ディズニーランド」→○「東京ディズニーランド
×「北朝鮮」→○「朝鮮民主主義人民共和国
×「HTML」→○「Hypertext Markup Language
アクロニム
×「FFT」→○「高速フーリエ変換
×「NHK」→○「日本放送協会
×「JASRAC」→○「日本音楽著作権協会
×「JR東日本」→○「東日本旅客鉄道
×「WWW」→○「World Wide Web

例外

×「ティーシーピー/アイピー」→○「TCP/IP
×「UNICEF」→○「ユニセフ
×「UNESCO」→○「ユネスコ

上を見れば分かる通り、今では改名されてリダイレクトになっているものも多くあります。

2004年秋 正式とはなにか

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2004年秋になって、「そもそもなぜ正式名称にするべきなのかが論じられていない」「正式とはなにか」と指摘されるようになったり(正式名称を使う事が望ましいのか非常に長い法律の記事名正式名称の定義がわかりにくいものその他[3])、「一般的な名称を採用すべき」と指摘されるようになったり「正式名称よりも通称の方が遙かに一般的(正式名称とカテゴリの問題)」という意見が出るようになりました。

英語版の方針文書やユーザビリティの観点から「日本語話者の大多数にとって、最も曖昧でなく、最も理解しやすいもの」「リンクしやすい」を重視すべきという意見が出ました。

またこのときに、「『正式な名称をつかうこと』で述べているのは『略称は使うべきではない』に変更可能」と指摘されました。

当時[4][5]のように「何をもって正式名称とするか」に関連して論争もありました。(結果として一時保護になっています。)

アクロニムについては一部改定されました。

×UNICEFユニセフ)→○「国際連合児童基金
×UNESCOユネスコ)→○「国際連合教育科学文化機関

「長い法令の記事名」を想定して、2006年秋に「正式名称が長すぎるなら通称もOK」[6][7]となりました。

2004年-2005年 正式名称か一般的名称か

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2004年12月から2005年1月にかけて議論(Wikipedia‐ノート:記事名の付け方/過去ログ2)があり、「専門的な見地による正式名称」と「広く知られた通称」の取捨や、各分野での個別の各論が出ました。

この中では次のような指摘が行われています。

2005年9月(Wikipedia‐ノート:記事名の付け方/過去ログ3#正式な名称を使うことの改訂)に改定[8]されました。

2005年-2009年 さまざまな事例

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「株式会社」「有限会社」「社団法人」などは、(正式名称であっても)記事名には付けないことが合意されました。

外来語関係の改定が行われました[9]

その他の周辺議論

2009年 英語版からCRITERIAの導入、「一般的」は見送り

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2009年に、英語版をもとにした大改定が論じられました。

これにより「認知度が高い・見つけやすい・曖昧でない・簡潔・首尾一貫している」の5基準が導入されました[10]

このときに、あわせて英語版から「一般的な名称を使う」の導入も提案されました。

これは「これは「正式名称を使うこと」節ともろに矛盾する」もので、当時、次のような慎重意見が出ました。

結局このときは「一般的」の導入は見送られました。この結果として、「認知度が高い」などのWP:CRITERIAの「5基準」は導入されたものの、「正式名称」はそのまま残り、矛盾が生じました。当時は冒頭文の「まず何よりも「日本語話者の大多数にとって、最も曖昧でなく、最も理解しやすいもの」」という一文があるので、「正式」よりも「WP:CRITERIA」が優先だとの意見もありました。

2010年-2016年 繰り返される議論

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その後も、「正式」をめぐって何度も議論があります。

2012年-2015年 ショートカットの齟齬

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  • 2009年に英語版からWP:CRITERIA導入されたあと、様々な議論がありましたが、英語版ではその後に当該部が改定されているのに、日本語版ではアップデートされていません。
  • 2009年に英語版からWP:CRITERIAが導入されましたが、この当時は「WP:CRITERIA」というショートカットは設置されていませんでした。また、「正式な名称」に対するWP:COMMONNAMEというショートカットも設置されていませんでした。

その後

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その後、現在に至るまで

補足

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上で示したように、この規定を巡っては、過去に何回も改定議論が出ています。

ですが多くの場合それらの議論は、どこかで起きた個別の案件の論争がWP:NCに場所を変えて行われた、という裏事情があり、WP:NCの改定よりも別の論争(しばしば利用者の対立からブロック案件に発展)になって、WP:NCの改定に至っていません。

参考

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