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下関酒造株式会社
[編集]山口県西部の中心都市であり、三方を海に囲まれた下関にある地酒蔵である。
下関の地酒を代表する銘柄「関娘」の蔵元で、魚料理に合う清酒「関娘」を中心に「海響」「壇」などもある。
また下関の名産とらふぐの焼きヒレが入ったヒレ酒が有名である。
成り立ち
[編集]時は大正12年。 それまで手に入る酒は遠く東の地より運ばれたものばかり、、、
「どうにか自分たちで造れないものか?」
「俺たちの作った米で酒を醸そうじゃないか!」
そういう言葉が米農家達の口癖になっていた。そしてどうすることもできないままもどかしい日々が続いた。
だが諦めきれない想い、地元の米を使いここ下関の地で酒を造りたい!その想いが日に日に増していき、ついにそれぞれ内に想いを秘めていた地元の米農家達が地酒造りのために立ち上がった。
その総数なんと445人!
それは誰もが予想できない数だった。実はみんな同じ想いを持っていたのだった。
この多すぎるとも言える熱い想いを持った人々によって念願である地元下関の地酒造りが始まった。
そして、大正12年12月15日。
彼らの熱い想いが形になり、ここ本州の最西端海峡の街下関を代表する「関娘」の地酒蔵「下関酒造株式会社」が立ち上げられた。
当世はやりの6次産業化のはしり、現代まで語り継がれる熱い農家達の物語である。
あらまし
[編集]市の中心部に位置する酒蔵だが、仕込み水には中国山系から流れ出る湧き水を地下160mより汲み上げ使っている。
この西日本で類を見ない160mという深井戸は良質な仕込み水を湧出する。
水質は「中軟水」、口当たりに柔らかさがありながらキレのよいお酒になるのが特徴。
実は、創業当時の井戸は20m。
市の中心部であった当地は時代の流れで市街地化し開発が進んだ。
そのため、地下水の湧出に不安を感じた当主は井戸の新設を考え、すぐに井戸職人を呼び相談した。そしてまもなく最良の仕込み水を手に入れるための新井戸の掘削が開始された。
さっそく掘り始めた井戸職人。ところが早々に花コウ岩の岩盤にぶち当り切削刃が次々に傷んでいく、ついには井戸堀を中止したいと申し出た。
その時当主は、
「かまうことはいらん!地球の裏側まで掘れ!」
の大号令、嫌がる井戸職人を叱咤激励したところ、見事に岩盤をくり抜き素晴らしい水源を得ることができた。
現在の酒造りの根幹を支える天然水は、こうして本日も湧出している。
代表銘柄「関娘」の由来は、港町下関に立ち寄るたくさんの人々が酌み交わす酒として愛され、その柔らかく優しい味わいから「下関の娘」すなわち「関娘」と呼ばれるようになったことが始まり。
現在では下関酒造を代表する看板商品となり、全国新酒鑑評会でも金賞を受賞するなど、大きく成長している。
酒蔵にはカフェ「酒庵 空」が併設され静かな大人の空間を求めて日々お客様で賑わっている。
また酒蔵では春の酒蔵祭りや秋にはハロウィン祭、角打JAZZコンサートなど季節ごとに様々な催しが行われ、地域の交流拠点となっている。