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日高良実
日高良実(ひだか よしみ、1957年10月4日 ~ )は日本の料理人。 東京・南青山のイタリア料理店「Ristorante ACQUAPAZZA」のオーナーシェフ。
==経歴1==
1957年(昭和32年)、兵庫県神戸市に生まれる。喫茶店経営を目標に辻学園日本調理師専門学校に入学。日本調理師専門学校ではイタリア料理と経営を履修し卒業。学生時代にアルバイトをしていたフレンチの「塩屋異人館倶楽部」に1978年就職。その3年後、神戸ポートピアホテルが開業し、フレンチの三ツ星レストラン「アラン・シャペル」の出店に合わせて転職。
総料理長ムッシュ上柿元勝氏のもとでフランス料理の魅力を学ぶ。毎日新しい刺激と発見と料理の楽しさを経験する中で、当時はフランスから石鍋裕氏、三國清三氏などそうそうたるトップシェフらが帰国し、フランス料理が脚光を浴びていた。そんな中で「自分はこのままフランス料理をやっていくべきなのだろうか。もしかすると自分はイタリア料理が向いているのではないだろうか」という思いが湧き、ドンナロイヤで経験した毎日飽きることなく食べていたカルボナーラとの出会いがここにきて気持ちを大きく動かしていった。「カルボナーラのように毎日でも飽きることなく食べられる料理を自分は作りたい」と。 そして、ムッシュ上柿元に「イタリア料理を勉強したい」と告げ、東京・銀座の「リストランテ ハナダ」を紹介してもらい、修業に行く。
1983年、東京・銀座「リストランテ ハナダ」に入る。 ここから本格的なイタリア料理の修業がはじまった。フランス料理に続き、イタリア料理でも有名シェフが登場し、活躍する時代となり、「料理で自分を表現する」というトレンドにも刺激され、自らもそうした料理を作りたいと切望。経験を重ねるごとにイタリア料理の奥深さに魅了されていった。そして「イタリアに渡り、本場の料理を知りたい。そこから自分の料理を作りたい」と強く思い、「私はイタリアに行かなくては」という使命感にも似た気持ちを抱いた。意を決して「リストランテ ハナダ」のマダム花田美奈子に「イタリアに行きたいのでお店を紹介してほしい」と頼み、六本木に新しくオープンするお店で1年間、シェフを勤め上げたらという条件をもらい、1年後、フィレンツェの「ENOTECA PINCHIORRI(エノテーカ・ピンキオーリ)」に入った。 1986年、渡伊。フィレンツェ「ENOTECA PINCHIORRI(エノテーカ・ピンキオーリ)」に入る。ここを皮切りに3年間、イタリア各地のレストラン14店舗の厨房を巡った。その目的は明確だった。イタリアは昔から郷土愛が強く、料理に至ってはスローフード発祥の地でもあり、地元の食材、郷土料理をとても大切にしている。そして北から南に細長い国土で20州すべてにおいて地元特産の食材と料理がある。そんなイタリア料理をヒントに日本人シェフが自分の料理を作りたいという思いを遂げるには、地方に移り住んで、味わい、覚えていくことだと「ダル・ぺスカトーレ」オーナーのアントニオ・サンティーニ氏にアドバイスをもらい、3年間で8州、14店舗を渡り歩いた。 この間に気づき、大きく影響を受けたひとつに“食事は楽しむもの、食べることは楽しむもの”であった。昭和30年代生まれの世代は“食事は黙って食べる”という習慣がまだ色濃く残っている世代である。イタリアは真逆である。帰国後は日本でも食べることを楽しめる店作りを目指す。そして、もうひとつが地元の素材を徹底的に知り、大切にすることである。イタリアは地域ごとに長い間に風土、歴史、文化で育まれた郷土の料理がある。郷土愛が強く、地元の食材ファーストで食べて、自慢してPRする。「おらが村」の食材を大切にするその飽くなき地元愛があってこそ、おいしい料理が生まれるのだと学んだ。
===イタリアで修業したレストラン===
・Enoteca Pinchiorri(エノテカ・ピンキオーリ)Firenze(トスカーナ州) ・Gualtiero Marchesi(グアルティエロ・マルケージ)Milano(ロンバルディア州) ・Dal Pescatore(ダル・ペスカトーレ)Canneto sull'Oglio(ロンバルディア州) ・La Mora(ラ・モーラ)Ponte a Moriano(トスカーナ州) ・Romano(ロマーノ)Viareggio(トスカーナ州) ・Vipore(ヴィーポレ)Lucca(トスカーナ州) ・Da Boschhetti(ダ・ボスケッティ)Tricesimo(フリウリ・ベネツィア) ・IL Desco(イル・デスコ)Verona(ヴェネツィア州) ・Antica Osteria Del Teatro(アンティカ・オステリア・デル・テアトロ)Piacenza(エミリア・ロマーニャ州) ・Locanda dell'Amorosa(ロカンダ・デル・アモローザ)Sinalunga(トスカーナ州) ・Don Alfonso1890(ドン・アルフォンソ1890)Massalubrense(カンパーニャ州) ・Filippino(フィリピーノ)Lipari(シチリア州) ・Gener Neuf(ジェネールヌフ)Asti(ピエモンテ州) ・Antica Osteria del Ponte(アンティカ・オステリア・デル・ポンテ)Cassinetta di Lugagnano(ロンバルディア州)
====経歴2====
1989年、帰国。 東京・青山「リストランテ山﨑」の料理長に就任。「リストランテ山﨑」の料理長に就任後、自分独自の料理をやるにはお店を持たなければという考えにいたる。折しも「ACQUA PAZZA」の初代オーナーとなる人物と出会い、西麻布に「ACQUA PAZZA」を開店。1990年11月20日、西麻布に「Ristorante ACQUAPAZZA」開店。当時はイタリア料理ブームの真っ只中で、他の店との差別化を図るためにも特長を出す必要があった。それはイタリアの地方料理をベースに“自分の料理”を作りたい思いを実現する絶好のタイミングでもあった。開店の準備に際して、納得いく素材を手に入れるために生産者に直接会うことを心がけ、畑を回り、農家と語り合い産地直送にした。魚介類も水揚げする魚市場まで行き、納得できる食材を手に入れるルートを開拓していった。開店した1990年はバブル景気全盛期。「イタメシ」ブームもあいまってまたたく間にイタリアンレストランのトップグループを走り始めた。開店して5年ほど経った頃には、ある広告代理店の統計でマスコミに一番登場しているシェフにランキングされるほど、超人気店となっていた。2001年、広尾に移転。1階にカジュアルな「アクアヴィーノ」をオープン。2003年、オーナーシェフに就任。2007年、横須賀市立美術館内に「横須賀アクアマーレ」をオープンその後も系列店舗は増え、企業との業務提携も手掛けてきた。
2017年、広尾店で若手スタッフの不注意で火災が発生。やむなく閉店となる。 そして、再起を期して、 2018年4月、東京・青山に新生「リストランテ アクアパッツァ」オープン 2019年11月、農水省のオーガニックJASレストラン認証を取得2020年の東京オリパラ開催などをきっかけに増加する海外からのビジネス&観光客。同時にヴィーガン、ベジタリアン対応も積極的に進めた。そして、イタリア修業時代からこだわってきた食材選びと生産者とのコミュニケーションをさらに充実させ、自然栽培、オーガニック食材を中心に展開する流れを演出し、オーガニックJASレストラン認証を取得。日本のオーガニックレストラン業界に新風を吹き込んだ。
2020年、「リストランテ アクアパッツァ」開店30周年を迎える。しかし、その矢先、2020年3月から新型コロナウィルス禍の非常事態宣言による営業自粛。解除後も自粛は続き、インバウンド効果は消滅、通常営業も半減。マイナスからスタートする30周年となった。2020年、コロナ禍の営業自粛中の4月、YouTube「Chef-Ropia」のYouTubeチャンネルに出演。その後自らのチャンネル、「日高良実のアクアパッツァチャンネル」配信開始。コロナ禍の4月からYouTubeで日高良実の「アクアパッツァチャンネル」配信開始。自粛中、自宅で過ごしている男性たちに「イタリア料理は簡単でおいしくできると知ってもらい、かつ料理してもらいたい」という願いで動画を配信。7月31日から8月21日までの8回でチャンネル登録者数5万人を獲得し、快進撃中。
=====エピソード=====
エピソード1 カルボナーラとの出会い 「アラン・シャペル」に入るまでの4カ月間、神戸の「DONNAALOIA(ドンナロイヤ)」でホールのアルバイト。その間に賄い料理メニュー40種類をひと通り食べ、後半の2カ月間は毎日カルボナーラを飽きることなく食べ続けた。毎回何にしようか悩むけれど、結局、あまりにおいしくてカルボナーラを選んでしまう。このおいしい体験が “毎日でも飽きずに食べ続けられる料理“が自分の目指すスタイルだと深く刻み込まれたことを後々気づくことになる
エピソード2 自分の探し求めていたもの。アクアパッツァとの出会い 南イタリアの「ドン アルフォンソ」で地元漁師があげた取れたての魚介を塩水だけでシンプルに調理するアクアパッツァに出会った。そのあまりの旨さに感動し、これが自分の探していた料理だと確信した。そして、地方といえども、真に新鮮な獲れたての魚介は、漁師と信頼あるつき合いがあってこそ手に入れられるもの。生産者との信頼あるつき合いの大切さを強く認識した。この思いは日本に帰ってからも薄れることなく、産地を訪ねて回り、ネットワークを築いている。イタリア料理の魅力は地方料理に詰まっている。そして、そのシンボルがアクアパッツァである。迷うことなく「アクアパッツァ」は店名となった
エピソード3 日高良実の「アクアパッツァチャンネル」YouTube配信 「ビデオを何回も何回も見て、入ったこともないキッチンで料理してくれたと、奥様が一番喜んでくれました。それが最高にうれしかったですね」「動画を観る→作る→食べる→そして、店に来る」という予期しなかった導線ができ、一緒に来る彼女や奥様に感謝されるという、うれしいプレゼントがついた。
======著書====== ・「アクアパッツァ」日髙良実シェフが教えるイタリア魚介料理レシピ (2018年 世界文化社) ・アクアパッツァ日髙良実パスタの秘伝 (2017年 光文社) ・おうちで乾物イタリアン(2015年 祥伝社) ・使える魚介レシピ:スーパーで買える魚介で作れる106品(2013年 柴田書店 丹下輝之・日髙良実・菰田欣也) ・リクエスチームケース イタリアンレシピ100RECIPES (2014年 マルト印刷工業コラムジャパン) ・思わずつくりたくなる極上のチョコレートレシピ(2014年NHK出版 ジャンポールエヴァン・横溝春雄・渡辺麻紀・日髙良実) ・アクアパッツァ総料理長・日髙良実さんの旬がわかる!魚介のシンプルイタリアン (2008年 アシェット婦人画報社) ・日髙良実の手軽なイタリアン-DVDでプロのコツが今すぐあなたのものに!(2007年 ブティック社) ・アクアパッツァ・日髙良実シェフの新イタリアン( 2006年 世界文化社) ・ピッツアとパスタで過ごす休日(2005年 ネコパブリッシング片岡護・日髙良実・渡辺陽一・本多哲也) ・「プロが教える」きほんのイタリアンNHK生活ホットモーニング (アスコム) ・カフェデリそうざいアイデア集(1)( 2003年 柴田書店) ・カフェデリそうざいアイデア集(2)(2003年 柴田書店) ・ミネラルウォーター・パーフェクトガイド(2002年 東京書籍) ・器と料理 盛り付け秘伝(2001年 学習研究社 野崎洋光・河田吉功・日髙良実) ・シンプルイタリアン-スローフードな食卓へ(2001年 光進社) ・Pasta Grazieパスタグラッツェ(2001年 イマージュ 片岡護・山根大助・日髙良実) ・イタリア料理はパスタから(プロに学ぶ家庭の味)(2000年 ネコパブリッシング) ・もっとシンプルに。スキレットで作る僕のイタリアごはん(2000年 プレジデント社) ・[[アクアパッツァ・日髙良実シェフの日本の食材でイタリアン-四季の素材で作る イタリアン・トキオネーゼ(東京風)]](2000年 世界文化社) ・パスタ・PASTA・パスタ-12の季節を味わう100の簡単レシピ 片岡護、山田宏巳、日髙良実(共著) 1999/5/1 ・とてもかんたんイタリアン 3人のシェフの3つのイタリア(1998年 婦人画報社 片岡護・山田宏巳・日髙良実) ・シチリア海と大地の味(1996年 文化出版局 長本和子・日髙良実) ・ワインのおつまみイタリア風-手軽にできるシェフのおすすめレシピ34レシピ (世界文化社) ・イタリアのお菓子たち(1996年 文化出版局) ・イタリア料理アイデア集 アンティパスト (1996年 柴田書店 小林幸司・山田宏巳・日髙良実) ・素材を生かしたイタリア料理~アクアパッツァのメニューから(1995年 柴田書店) ・人気シェフの味をうちで楽しむ酒の肴(まあるい食卓シリーズ)(1995年 学習研究社 脇屋友詞・野崎洋光・熊谷喜八・日髙良実) ・別冊家庭画報 一流シェフがわかりやすく手ほどき「人気のイタリアン」(1995年 世界文化社 山田宏巳・片岡護・小野清彦・味岡儀郎・小林幸司・齊藤実・落合務・澤口知之・日髙良実) ・シェフシリーズNo 39「田舎を歩いて」(1989年 中央公論社(現中央公論新社)リストランテ山﨑・日髙良実)
=======TV出演======= ・きょうの料理 ・男の食彩 ・食卓の王様 ・生活ホットモーニング ・]]あさイチ]] ・ゴゴナマ ・あしたも晴れ!人生レシピ (以上NHK、NHKeテレ) ・食彩の王国 ・ごはんジャパン ・おかずのクッキング (以上テレビ朝日) ・その他多数