利用者:にきもとと/sandbox
中世からアイルランドで密かに伝えたれてきた伝説。
眠ると魂が抜け出しオオカミになる〝ウルフウォーカー“
神秘の森の不思議な子。
オオカミで人間で私のともだち。
この映画は、カトゥーン・サルーンの「アイルランド民話三部作」の第3作であり、以前の映画「ブレンダンとケルズの秘密」(2009年)と「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(2014年)に続くものである。
監督 | トム・ムーア
ロス・スチュアート |
作製 | ポール・ヤング
トム・ムーア ステファン・ローランツ |
脚本 | ウィル・コリンズ
ストーリー トム・ムーア ロス・スチュアート |
主演 | オナー・ニーフシー
エヴァ・ウィッテカー マリア・ドイル・ケネディ サイモン・マクバーニー トミー・ティアマン ジョン・ケニー ジョン・モートン |
音楽 | ブリュノ・クレ
キーラ |
楽曲 | オーロラ
マリア・ドイル・ケネディ ソフィア・クレ |
企業 | カートゥーン・サルーン
メリュジーヌ |
配給元 | ワイルドカード(アイルランド)
オー・エ・クール(フランス) チャイルド・フィルム(日本) |
リリース日 | 2020年9月12日(TIFF)
2020年10月30日(日本) 2020年12月2日(アイルランド) 2020年12月11日(Apple TV +) 2020年12月16日(フランス) |
上映時間 | 103分 |
製作国 | アイルランド |
言語 | 英語 |
後援 | 駐日アイルランド大使館 |
概要
[編集]中世からアイルランドで密かに伝えたれてきた伝説。
眠ると魂が抜け出しオオカミになる〝ウルフウォーカー“
神秘の森の不思議な子。
オオカミで人間で私のともだち。
この作品は世界的なロックダウン中に完成した。
共同監督のトム・ムーアは「現在の危機の大部分は、私たちグローバル社会が動物に対して行ってきた、無計画かつ好ましくない態度が生んだものだ。」と語る。
アイルランドでは1786年を最後にオオカミは絶滅してしまったが、古代ケルトの人々はオオカミを自分たちより強い生き物と捉え、尊敬の念をもって接したという。
自然の中では人間も動物も先祖から受け継いだ生命を、次の時代につなぐ役目を果たす。
全ての生命に対して謙虚であろうとすること、それが本作の持つ優しさの由縁だ。
長い間語り継がれた伝説に新しい生命がふきこまれ、魅力的なキャラクターと共に再生した物語は、深い傷を負った現代を生きる私たちに、優しい感情を取り戻させてくれる。
この映画は、カトゥーン・サルーンの「アイルランド民話三部作」の第3作であり、以前の映画「ブレンダンとケルズの秘密」(2009年)と「ソング・オブ・ザ・シー 海のうた」(2014年)に続くものである。
ストーリー
[編集]1650年、アイルランドの町キルケニー。
当時、厳しい支配者である護国卿の指示のもと、オオカミ退治が命ぜられ木が切られ日々森が小さくなっていく。
その最中にイングランドからオオカミ退治の為にやってきたハンターを父に持つ少女ロビン。
ある日、森で偶然友だちになったのは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴだった。
メーヴは彼女の母がオオカミの姿で森を出ていったきり、戻らず心配でたまらないことをロビンにうちあける。
母親のいない寂しさをよく知るロビンは、母親探しを手伝うことを約束する。
翌日、森に行くことを禁じられ、父に連れていかれた調理場で、掃除の手伝いをしていたロビンは、メーヴの母らしきオオカミが檻に囚われていることを知る。
森は日々小さくなり、オオカミたちに残された時間はわずかだ。
ロビンはなんとしてもメーヴの母を救い出し、オオカミ退治を止めなければならない。
それはハンターである父ビルとの対立を意味していた。
それでもロビンは自分の信じることをやり遂げようと決心する。
そしてオオカミと人間との闘いが始まろうとしていた。
登場人物
[編集]ロビン(Robyn Goodfellowe)
ハンターの見習い少女
ロビンは非常に有能で責任感があり、自分自身を証明したいと思っている。
はじめの設定は男の子だったが、社会の常識に異を唱えることやハンターになるという夢は男の子よりも女の子の方が難しいこと、また前の2作品の主人公が男の子なので女の子になった。
名前はイギリスの妖精に由来する。
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の妖精パックも、ロビン・グッドフェロー。
声優
オナー・ニーフシー(Honor Kneafsey)
メーヴ(Mebh)
ウルフウォーカー。
純粋で野性的な性格。
自信に満ちた行動しているように見えるが、母の帰りを待ち寂しい思いをしていた。
髪に飾られるオレンジ色の花はキンセンカ(カレンデュラ)。薬草にもなる。
メーヴとは北アイルランドのアルスター神話に登場する女王の名。
とても古い名前で、アイルランドを二分する戦いを引き起こし、英雄的な人物として知られている。
「ロビン=イングランド/人間界」とすると「メーヴ=アイルランド/自然界」の象徴。
声優
エヴァ・ウィッテカー(Eva Whitaker)
池下リリコ
マーリン(Merlyn)
ロビンの相棒。
コチョウゲンボウというハヤブサの仲間。
アーサー王に登場する魔法使いの名でもある。イギリスの民話に紐づく。
ビル(Bill Goodfellowe)
ロビンの父
ウルフハンター
彼は亡くなった妻と交わした娘を守るという約束を完遂するため、権力からの命令に従う。
声優
ショーン・ビーン(Sean Bean)
井浦新
モル(Moll)
メーヴの母。
ウルフウォーカー。
護国卿が家父長制の人物である場合、モールは古代の強力な母性精神を表している。
声優
マリア・ドイル・ケネディ(Maria Doyle Kennedy)
櫻井智
護国卿
敬虔なキリスト教徒(ピューリタン)、自分の使命は絶対と信じている。
モデルはオリバー・クロムウェル。
護国卿とは王に代わって執政を行う役職。
声優
サイモン・マクバーニー(Simon McBurney)
西垣俊作
スタッフ
[編集]監督
トム・ムーア(Tomm Moore)
ロス・ステュアート(Ross Stewart)
脚本
ウィル・コリンズ(Will Collins)
音楽
ブリュノ・クレ(Bruno Coulais)
キーラ(KiLa)
楽曲
オーロラ(AURORA)
マリア・ドイル・ケネディ(Maria Doyle Kennedy)
ソフィア・クレ(Sofia Coulais)
製作
ポール・ヤング(Paul Young)
ノラ・トゥーミー(Nora Twomey)
トム・ムーア(Tomm Moore)
ステファン・ローランツ(Stephan Roelants)
後援:駐日アイルランド大使館
字幕翻訳:稲田嵯裕里
吹替翻訳:新田千枝子
アニメーション
[編集]町などの人工物は直線的な木版の美しさは、ポーランド人の版画家マルタ・ワクラ(Marta Wakula)の作風を参考にしている。
自然の表現はエミリー・ヒューズ(Emily Hughes)の愛らしい自然描写や、フランスのイラストレーター、シルク・ペドロサ(Cyril Pedrosa)の樹木や自然のエネルギーあふれる描写を参考にしている。
森は野性的で自由な曲線を水彩画や鉛筆によるラフなスケッチ風、街や人工物は堅苦しく重くのしかかるように描かれている。
キャラクターが怒っている時は線も粗く、冷静で落ち着いている時はシンプルな線になるなど感情と線の太さをリンクさせ描かれている。
これは高畑勲監督の『かぐや姫の物語』(2013)を参考にしている。
場面に応じてキャラクターの心情や内面を表現するために、影が効果的に使用されている。
また4本足で歩く狼の視点を3Dソフトウェアを使ってダイナミックなカメラワークで表現されている。
音楽編集
[編集]ブリュノ・クレはこれまでのトム・ムーアの長編3作品の全ての音楽を担当。
キラは民族楽器を使い様々なジャンルの音楽を発表しているグループで、トム・ムーアの監督作品の参加は3回目。
オーロラはノルウェーのシンガーソングライター。
ムーア監督がランニング中に聞いていた音楽の中で偶然「Running With The Wolves」に出会い、オオカミになったロビンとメーヴのシーンへの起用が決まった。ムーア監督は「この曲は彼女が19歳の時に書いたもので、ロビンの内なる声のようだと思ったのです。」と語る。オリジナルの楽曲をアイルランド風にアレンジし直し、ロックダウン中にリモート録音された。
すでにリリースされているシングル「Running with the Wolves」の新バージョンで、サウンドトラックに貢献している。
リリース
[編集]この映画は2020年9月12日トロント国際映画祭で初公開された。
劇場では10月26日にイギリスで、11月13日にアメリカとカナダで公開。
アイルランドでの劇場公開は英国と同じ日に計画されていましたが、COVID-19のパンデミックのために全国の映画館が強制的に閉鎖され延期、12月2日にリリースされた。
日本では2020年10月30日(金)株式会社チャイド・フィルム配給のもと、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国に順次ロードショー展開されている。(2021.2.22現在)
12月11日にAppleTV +でデジタルリリース
アニメーションやパフォーマンスを批評家から高い評価を得ている。
受賞
[編集]Award | Date | Category | Recipient | Result | Ref. |
---|---|---|---|---|---|
AFIフェスティバル | 2020/
10/23 |
ナラティブ | トム・ムーア
ロス・スチュアート |
優勝 | [1] |
女性映画
ジャーナリスト 同盟 |
2021/
1/4 |
最優秀長編
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [2] |
最優秀
アニメーション女性 |
エヴァ・ウィッテカー | ノミネート | |||
オナー・ニーフシー | ノミネート | ||||
ボストン映画
批評家協会 |
2020/
12/13 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | 準優勝 | [3] |
シカゴ映画
批評家協会 |
2020/
12/21 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [4] |
批評家チョイス
スーパーアワード |
2021/
1/10 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [5] |
最優秀声優賞 | オナー・ニーフシー | ノミネート | |||
最優秀声優賞 | エヴァ・ウィッタカー | ノミネート | |||
ダラス・
フォートワース 映画批評家協会 |
2021/
2/10 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | 準優秀 | [6] |
ダブリン映画
批評家サークル賞 |
2020/
12/18 |
最優秀
アイルランド映画賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [7] |
フロリダ映画
批評家サークル賞 |
2020/
12/21 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | 準優勝 | [8] |
ゴールデングローブ | 2021/
2/28 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [9] |
ゴッサム・
インディペンデント 映画賞 |
2021/
1/11 |
最優秀国際長編映画賞 | トム・ムーア
ロス・スチュアート ポール・ヤング ノラ・トゥーミー ステファン・ローラン |
ノミネート | [10] |
ハリウッドメディア
音楽賞 |
2021/
1/27 |
オリジナルスコア
アニメーション映画 |
ブリュノ・クレ | ノミネート | [11] |
ヒューストン映画
批評家協会 |
2021/
1/18 |
最優秀
アニメーション映画賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [12] |
国際映画音楽
批評家協会 |
2021/
2/18 |
アニメーション映画
最優秀 オリジナルスコア |
ブリュノ・クレ | 受賞 | [13] |
インディワイア
批評家 |
2020/
12/14 |
最優秀国際長編 | ウルフウォーカー | 7位 | [14] |
ロンドン批評家
協会映画賞 |
2021/
2/7 |
技術功労賞 | トム・ムーア
ロス・スチュアート |
ノミネート | [15] |
ロサンゼルス
映画批評家協会 |
2020/
12/20 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [16] |
ナショナルボード
オブレビュー |
2021/
1/26 |
トップ10 | ウルフウォーカー | 受賞 | [17] |
ニューヨーク
映画批評家協会賞 |
2020/
12/18 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [18] |
オンライン
映画批評家協会 |
2021/
1/25 |
最優秀長編
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [19] |
サンディエゴ
映画批評家協会 |
2121/
1/11 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [20] |
サテライト賞 | 2021/
2/15 |
最優秀アニメーション
混合メディア映画賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [21] |
サンフランシスコ
ベイエリア |
2021/
1/18 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [22] |
シアトル映画批評家協会 | 2021/
2/15 |
最優秀長編アニメー
映画賞 |
ウルフウォーカー | 受賞 | [23] |
セントルイス
映画批評協会 |
2021/
1/17 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [24] |
トロント映画批評家協会 | 2021/
2/7 |
最優秀
アニメーション |
ウルフウォーカー | 受賞 | [25] |
ワシントンD.C.エリア
映画批評家協会 |
2021/
2/8 |
最優秀
アニメーション賞 |
ウルフウォーカー | ノミネート | [26] |
声優パフォーマンス賞 | オナー・ニーフシー | ノミネート |
- ^ “'Wolfwalkers,' 'Pillars,' '76 Days' Win AFI Fest Prizes”. Variety.. 2021年3月5日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ Triumphs at Alliance of Women Film Journalists Awards (EXCLUSIVE)”. VARIETY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ Named Best Picture at Boston Society of Film Critics Awards, Paul Raci and Yuh-jung Youn Among Winners”. VARIETY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “DFW FILM CRITICS NAME “NOMADLAND” BEST PICTURE OF 2020”. DFWFCA. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Critics Choice Super Awards”. CRITICS CHOICE. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “DFW FILM CRITICS NAME “NOMALAND” BEST PICTURE OF 2020”. DFWFCA. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Wolfwalkers wins Best Irish Film at Dublin Film Critics Circle 2020 awards”. IFTN. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “The 2020 Florida Film Critics Circle (FFCC) Winners”. LATEST FROM NBP. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Golden Globes 2021:The Complete Nominations List”. VARIETY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “The gotham AWARDS”. PRESS RELEASES. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “2020 MUSIC IN VISUAL MEDIA NOMINATIONS”. HOLLYWOOD MUSIC IN MEDIA AWARDS. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “AWARDS FOCUS FEATURES 2020”. AWARDSWATCH. 2020年3月6日閲覧。
- ^ “IFMCA Award Winners 2020”. IFMCA. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “2020 Critics Poll: The Best Films and Performances According to Over 200 Critics from Around the World”. IndieWire. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Female Filmmakers Lead Nominees For London Critics’ Circle Film Awards”. DEADLINE. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Los Angeles Film Critics Winners Full List: Entire ‘Small Axe’ Series Tops Despite Not Being Submitted for Oscars”. VARIETY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “National Board of Review Names ‘Da 5 Bloods’ Best Picture, Spike Lee Becomes Second Black Director Winner”. VARIETY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Circle 2020 Winners”. IndieWire. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “The 2020 Online Film Critics Society (OFCS) Nominations”. NEXT BEST PICTURE.com. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “2020 SAN DIEGO FILM CRITICS AWARD WINNERS”. Cinema Stance. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “2020 WINNERS”. INTERNATIONAL PRESS ACADEMY. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “SFBAFCC 2020 AWARDS”. THE SAN FRANCISCO BAY AREA FILM CRITICS CIRCLE. 2021年3月6日閲覧。
- ^ ““Nomadland” Named Best Picture of 2020 by Seattle Film Critics Society”. SFCS. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Annual StLFCA Awards”. ST.LOUIS FILM CRITICS. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “The 2020 Toronto Film Critics Association (TFCA)Winners”. NEXT BEST PICTURE.com. 2021年3月6日閲覧。
- ^ “'Nomadland' Finds a Home with WAFCA Critics”. The Washington DC Area Film Critics Association. 2021年3月6日閲覧。