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利用者:おいしい豚肉/sandbox/ソーセージ (ヒグマ)

ソーセージはかつて知床半島に生息していたメスのヒグマ。別名コードネーム97B-5

知床の一般的なヒグマと同じく人間を恐れる習性の持ち主であったソーセージであったが、 観光客から餌としてソーセージを与えられたことで性格が一変し、積極的に人間の生息域に顔をだすようになる。 知床の人々は懸命になってソーセージを脅かし、人間への恐怖心を思い出させようとするが努力もむなしく、 最終的に共存は不可能であるとの判断が下され射殺される。

ヒグマと食性

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三毛別羆事件福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件といった過去の凄惨な事件を紐解くまでもなく ヒグマが我々人間にとって潜在的な脅威であることは言うまでもない。 ヒグマのオスの成体の体重は200kgを超え、知床では400kgという記録も残されている。 彼らはこの巨躯を備えながら決して鈍重ではなく、道なき山中を時速60kmで走破可能である。 その身体能力はもはや人間と比べて語ることは馬鹿馬鹿しく、自動車のような機械が適正な比較対象と言えよう。

ヒグマは雑食性であるが、その食事は90%が植物性の物で占められている72。 また消化吸収能力は低く、巨体を維持する都合もあり大量の食事を必要とする。 いわばヒグマは常に食べ続けていなくてはならない宿命を背負っている生き物なのだ。

ヒグマは口にして気に入った食物に対し、異常に執着する性質を備えている。 農作物を口にしたヒグマは畑に出没し、人間に餌を与えられたヒグマは人間の生息域へと足を運ぶ。 そして双方にとって不幸なことに、一度人間を食害してしまったヒグマはまるで性格が変わったかのように連続して人を襲うことになる。 アイヌたちはこうした人食いヒグマをウェンカムイ(悪い神)と呼び、通常のヒグマであるキムンカムイ(山にいる神)とは明確に区別して抹殺の対象にしていた。

悲劇を繰り返さないために 

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知床は2005年、世界遺産へと登録される(→知床 (世界遺産))。 これはこの地の豊かな自然環境を持続的に維持し続けるための嚆矢であったが、 一方で増大した観光客によって「ヒトとヒグマの共存」が更に困難になったという側面も持つ。

観光客の中でも特に問題視されているのが「写真愛好家」である。 市販されているヒグマの見事な写真集を見た彼らは、自らもこの難題に挑戦しようと知床の地に足を運ぶ。 より優れた、より迫力のある構図の写真を撮ろうとする彼らの愛好家としての当然の欲求は、 時に暴走し問題を引き起こす。 特に悪質な例として、狙った場所でヒグマを撮影するために、餌でヒグマを誘導する愛好家が確認されている。 ここまで極端な行為に至らずとも、彼らがより良い写真のためにヒグマに近づくことはそれだけでヒグマの人慣れに繋がる。 愛好家たちが望む写真を撮って満足して知床から去った後、知床の人々は彼らが作り出した問題個体と対峙しなければならない。p.82

もちろん、観光客が加害者であり、住民が被害者であるという単純な構図でこの問題を語ることもできない。 水産加工の廃棄物処理では不要とされる魚の頭や内臓はヒグマにとって容易に手に入る餌となってしまうため厳重な理が必要である。 魚卵だけを目的としてサケやマスの密漁を行う者たちは川岸に腹を切り裂かれた魚の母体を放置していき、これもヒグマの人慣れにつながってしまう。 サケマスの孵化場もヒグマにとってのえさ場となってしまうため、電気牧柵で覆うなどの対策を施し、人とヒグマが遭遇してしまう危険性を可能な限り減らすべきである。 2014年の金澤の報告ではこうした対策や施策はいまだ途上に過ぎない。

こうしたヒトとヒグマの共存のためのヒグマ対策は、同様にヒグマの生息地であり、人間側が銃でヒグマに対して自衛が可能である カナダやアラスカに比べてなお遅れている。 日本はヒグマ後進国という事もできよう。