利用者‐会話:Yamanosora/神の国

メモ

「神の国」は『福音書』におけるイエスの発言に頻出する最重要用語である。イエス以前の「神の国」という言葉の使われ方を調べてみると『旧約聖書』には「神の国」そのままの形では出て来ない。しかしさほど多くはないものの『旧約聖書』で「神の国」につながる観念を表す個所はある。「神の国」という用語はイエスが初めて言いだしたわけではない。しかしイエスの宣教における最重要概念であり、イエスによって宗教的概念「神の国」は当時のユダヤ教社会において面目を一新したと思われる（？）。『福音書』のイエスの発言とされるものの一つ一つが歴史的に実在したイエス本人の発言かどうかは研究者間の議論百出、定説が無い。説明の錯綜を避けるため、ここでは『福音書』に収められたイエスの発言と実在したイエス本人の発言を分けずに伝統的解釈に従ってすべてイエスの発言として説明する。

『福音書』における神の国。神の国が現在なのか未来なのかが議論のあるところだが、両者を止揚して説明する研究者もいる。

初代教会における神の国。教会を通じて神の国が実現するという考えだった。

初期の教父たちは神の国に関する議論をした。

教会の発展にともなって、教会こそが神の国であるという考えになった（？）。教会や教父、神学者による神の国についての言及や議論が少なくなる過程で、民間の多様な天国観・天国概念と混淆していわゆる天国のイメージが形成され、神の国に関する概念は教会でもキリスト教社会でもあいまいになった。

歴史上では至福千年運動などで神の国に言及し、あるいは旗印とすることがあり（？）、現在でも神の国あるいは神の王国を重要な宗教的概念としている教派もある（？）。