利用者‐会話:115.124.231.248
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「流矢」に関連して
[編集]個人的な意見や見解が含まれるので、ノートではなくこちらに書かせていただきます。
まず「無端」という言葉についてですが、この言葉の基本的なイメージは何かというと、たとえば「始乎無端,卒乎無窮;始乎無端,道也,卒乎無窮,德也。」(『管子』幼官篇)のように、「始まりが無い(分からない)」といえるでしょう。この「始まり」が、「原因・理由」になれば「理由がない・わけもなく」という意味が派生し、「物理的な場所」になれば「起点が無い・出発点が分からない」という意味が派生するわけです。そしてここからさらに「思いもかけず」とか「始まりも終わりもなく」というような意味が派生してきます。ですから「無端飛来的箭」というのも、「射撃の起点が不明な矢・どこから飛んできたのか分からない矢・思いかけずも飛んできた矢」という意味でとらえるのが適当でしょう。
高島俊男の著作から「流矢」の解釈をされたのだろうとは思っておりました。ただ結論から申しますと、私は高島氏の意見というのは、一応参考にはしても全面的に信用するのは危険だと思います。というのも高島氏の書くもの(特に論文ではないこうしたエッセイの類)は、資料の紹介が恣意的だったり、なまじ博識なばかりに、その正しさを確認するというプロセスを飛ばしたり、早合点することがちょくちょくあるからです。三国志本については現在手元になく確認できないので恐縮ですが、あそこでも「劉璋はまごうかたなき章帝の子孫」とか「大赦してまで誕生を祝った皇子(曹殷)はどこへ行ってしまったのか」というような気になる記述がいくつかあったと記憶しています。
『三国志』以外ですがこういうものもあるのでご参考までに紹介します。
- http://ch12200.kitaguni.tv/e325046.html
- http://ch12200.kitaguni.tv/e327332.html
- http://ch12200.kitaguni.tv/e347396.html
話を「流矢」に戻しますと、『大漢和辞典』などでも「【流矢】一、それ矢。ながれ矢。[礼、檀弓上]……。二、飛びくる矢。[荀子、彊国]……。」となっており、そしてその後ろに「【流矢如雨】矢が雨のやうに盛んに飛んでくる。[呂覧、期賢]……。」というのがありました。高島氏は恐らくうろ覚えのままこの「流矢如雨(雨のように飛んでくる矢)」を「流矢」の本義だと速断したのではないかと疑っております。というわけで「流矢」の意味は「1:飛んでくる矢。2:どこからともなく飛んでくる矢、思いもかけず飛んでくる矢、流れ矢」とするのが適当だと思われます。--Melckebeke 2009年7月12日 (日) 14:00 (UTC)
「無端飛来的箭」の意味を中国からの同学に訪ねたところ、「これは撃った人も狙っていないで発射したのがたまたま当たった矢です。この間のイスラムの少女が死んだという報道の時に『流弾』という言葉が使われていましたが、それと同じような感じですね。撃たれた人からすると『どこから飛んできたのか分からない』という意味です」と答えてくれました。やはり「流矢」には「どこからともなく飛んできた矢≒流れ矢」という意味もあるようです。--Melckebeke 2009年7月15日 (水) 12:35 (UTC)
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