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別本八重葎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

別本八重葎(べっぽんやえむぐら)は擬古物語の一つ。作者不詳。

成立年代は不明で、鎌倉時代の成立とする説もある一方江戸時代成立とする説もある。『源氏物語』「蓬生」巻のパロディで、内容は末摘花を思わせる姫君が、須磨から帰京した光源氏の訪問を受けるが、その正体はなどの妖怪が化けた姿だったというものである。

粗筋

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男君(源氏)の訪れを待つ姫君は、侍女たちを話し相手に暮らしていた。秋の長雨の晴れ間に、姫君たちが月を見て歌を詠んでいると、空模様が一変して気味の悪い夜となり、姫君は熱を出して臥せってしまう。そこへ源氏(実は源氏に化けた狐)が姫君を訪れて姫君に歌を贈る。

翌日、姫君を訪ねてきた山の阿闍梨は妖怪の気配を感じ取り、松の古木にいる狐の仕業だと判断する。その後、帰京した源氏(実は狐)が姫君を訪れたが、童が連れていた犬に吼えられて逃げ失せる。

関連項目

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参考文献

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  • 大曾根章介ほか編『研究資料日本古典文学』第1巻、明治書院、1983年。
  • 日本古典文学大辞典編集委員会編『日本古典文学大辞典』第1巻、岩波書店、1983年