代数的整数論では、 n乗剰余記号(整数n > 2の場合)は、(2次の場合の)ルジャンドル記号をn乗に一般化したものである。これらの記号は、 3次、 4次、および関連するより高い次数での[1]相互法則の文脈と証明で使用される。 [2]
kを整数環を持つ代数体とし、をその整数環とする。には1の原始n乗根が含まれているとする。
をである素イデアルであるとし、 nとは互いに素(すなわち )。
のノルムは、剰余環の位数として定義される( は素イデアルであるため、剰余環は有限体)。:
でのフェルマーの小定理の類似物はならば
が成り立つという主張であり、そのまま成立する。
そして、 のとき、上記を利用した
はwell-definedであり、がで1の冪根と合同であることを意味する。
上の右辺に出現した1の冪根は、における乗剰余記号と呼ばれ、以下の記号で示される。
乗剰余記号は、古典的な(2次の)ルジャンドル記号と非常に類似した特性を持っている。(以下、 を1の原始n乗根として固定する):
すべての場合(記号の値がゼロおよび非ゼロのいずれの場合でも)において
次の冪乗剰余記号は、ヒルベルト記号とも関連している。 を素イデアルに対して
はと互いに素、ここでは局所体の素元とする。 [3]
次のヤコビ記号はヤコビ記号がルジャンドル記号を拡張するのと同じ方法で、素イデアルまたはゼロ以外の元を「分母」として使用するように、冪乗剰余記号を拡張できる。
任意のイデアルは素イデアルの積に表され、その方法は一意的である。
次のヤコビ記号はこれを利用して乗法的に定義される:
に対しては、
ここで、はによって生成された主イデアルである。
2次のヤコビ記号と同様に、この記号は上部と下部それぞれのパラメーターについて乗法的である。
記号の値は常に1の原始n乗根。その乗法性のため、一方のパラメーターが乗剰余である場合は常に1に等しくなる。 逆は真ではない。
- はを法とした乗剰余ではない。
- 場合はを法として乗剰余かもしれないし、そうでないかもしれない。
平方剰余の法則の類似物である乗剰余の相互法則は、ヒルベルト記号を利用して以下として定式化できる[4]。
ただし、とは互いに素である。
- ^ Quadratic reciprocity deals with squares; higher refers to cubes, fourth, and higher powers.
- ^ All the facts in this article are in Lemmermeyer Ch. 4.1 and Ireland & Rosen Ch. 14.2
- ^ Neukirch (1999) p. 336
- ^ Neukirch (1999) p. 415
- Gras, Georges (2003), Class field theory. From theory to practice, Springer Monographs in Mathematics, Berlin: Springer-Verlag, pp. 204–207, ISBN 3-540-44133-6, Zbl 1019.11032
- Ireland, Kenneth; Rosen, Michael (1990), A Classical Introduction to Modern Number Theory (Second edition), New York: Springer Science+Business Media, ISBN 0-387-97329-X
- Lemmermeyer, Franz (2000), Reciprocity Laws: from Euler to Eisenstein, Berlin: Springer Science+Business Media, doi:10.1007/978-3-662-12893-0, ISBN 3-540-66957-4, MR1761696, Zbl 0949.11002
- Neukirch, Jürgen (1999), Algebraic number theory, Grundlehren der Mathematischen Wissenschaften, 322, Translated from the German by Norbert Schappacher, Berlin: Springer-Verlag, ISBN 3-540-65399-6, Zbl 0956.11021