コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

再生 (政党)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フランスの旗 フランス政党
再生
Renaissance
党首 ステファン・セジュルネ
下院代表 オロール・ベルジェ
上院代表 フランソワ・パトリア
成立年月日 2016年4月6日
本部所在地 フランスの旗 フランス パリ15区
アベ・グル―通り99番地
国民議会議席数
96 / 577   (17%)
(2024年7月7日[1]
元老院議席数
23 / 348   (7%)
(2020年6月30日[2]
党員・党友数
418,635人
(2020年6月17日[3]
政治的思想 親欧州主義[4][5]
自由主義[6][7]
社会自由主義[8]
進歩主義[9]
新自由主義[10]
政治的立場 中道[11][12] - 極中道[13]
公式カラー     ネイビー
国際組織 欧州刷新
公式サイト En Marche!
テンプレートを表示
再生の公開会合、赤坂にて

再生(さいせい、フランス語: Renaissance略称: RE)は、フランスの政党2017年フランス大統領選挙で当選し第25代大統領となったエマニュエル・マクロンによ2016年に結成された[14][15]中道政党である[11][12]

再生は親EU的な政党とみられ、明確に自国の主権を掲げる国民連合と対立している。欧州議会では欧州刷新に所属している。

政党名

[編集]

Renaissanceはフランス語で「再生」などの意味を持つ単語である。当初の党名en marcheはフランス語で「前進」などの意味を持つ成句。英語メディアは本政党をForward![16]、又はOn The Move[17]として紹介していた。日本語でも「共和国前進」[18]「進め!」[19]、「進行!」[20]か、カナ転写した「アン・マルシュ!」[21]、「エン・マルシュ」[22]という名称で紹介していた。

2022年9月17日、正式に党名を「再生」(Renaissance ルネッサンス)に変更した。

歴史

[編集]

再生は2016年4月6日、マクロンが「アン・マルシュ!(前進!)」としてアミアンで設立した[23]。2017年5月にマクロンが大統領に当選した翌日に党名を「共和国前進」(La République En Marche!)に変更した[24]

2017年6月の国民議会(下院)議員選挙ではほぼ全ての選挙区で候補者を立てた。候補者のおよそ半数は政治経験がなく、また女性が半数を占めた[25]。 下院の定数577の内共和国前進と同盟関係にある政党を合わせて351議席を獲得し、過半数を確保した[26]
しかし、同年9月の元老院(上院)議員選挙では改選171議席の内23議席を獲得するにとどまった[27]。上院選は地方議員などによる間接選挙で、結党間もない共和国前進には不利であったとされる[28]

その後、所属議員の離党が徐々に進み、2020年5月には所属する下院議員のうち17人が離党し新党「環境・民主主義・結束」を結成したことにより、下院での単独過半数を失った[11]

同年6月に行われた統一地方選挙(2020年フランス市議会議員選挙)では、パリやその他の地方都市の市長選で敗れるなど各地で敗北し、緑の党の躍進を許した[29]

2021年フランス地域圏議会選挙では、敗北した。

2022年5月5日、次期国民議会議員選挙に向け、党名を「再生」(Renaissance ルネッサンス)に変更した[30][31]

2022年9月17日、「共和国前進」は正式に党名を「再生」(Renaissance ルネッサンス)に変更し、エマニュエル・マクロンが名誉党首に就任し、ステファン・セジュルネフランス語版欧州議会議員が党首に就任した[32]

政策

[編集]

マクロン自身は、この党は左翼でも右翼でもなく、進歩的・革新的な組織なのだと語っており[33]進歩主義運動だと考えている[34]。その政治信条から再生と党首のマクロンは、スペインの中道主義政党、シウダダノスおよび党首のアルベール・リベラと比較される[35][36]

役職

[編集]

党役員

[編集]
役職 氏名 所属
名誉党首 エマニュエル・マクロン 大統領
党首 ステファン・セジュルネフランス語版 欧州議会議員
党首代行 クレマン・ボーヌフランス語版 運輸担当大臣
オロール・ベルジェフランス語版 ルネッサンス国民議会議員会長、国民議会議員、イル=ド=フランス地域圏議会議員
ブリジット・ブルギニョンフランス語版 パ=ド=カレ県議会議員
パスカル・カンファン 欧州議会議員
ジェラール・ダルマナン 内務大臣
アメリ・ド・モンシャランフランス語版 イル=ド=フランス地域圏議会議員
オリビエ・デュソップフランス語版 労働大臣
ベランジェール・クイヤールフランス語版 エコロジー担当副大臣
ブリュノ・ル・メールフランス語版 経済財務大臣
ファビエンヌ・ケレルフランス語版 欧州議会議員
ナタリ・ニゾンフランス語版 ブール=ド=ペアージュフランス語版市長
フランク・リステフランス語版 議会関係担当大臣
広報部長 ロイック・シニョールフランス語版[37]
国民議会議員会長 オロール・ベルジェ 国民議会議員(ルネッサンス会派代表として)
元老院議員会長 フランソワ・パトリアフランス語版 元老院議員
欧州議会議員会長 ステファヌ・セジュルネ 欧州議会議員

選挙結果

[編集]

大統領選挙

[編集]
選挙年 候補者 第1回投票 第2回投票
得票 % 順位 得票 % 順位
2017 エマニュエル・マクロン 8,656,346 24.01 1位 20,743,128 66.10 1位
2022 エマニュエル・マクロン 9,785,578 27.80 1位 18,779,641 58.54 1位

国民議会(下院)選挙

[編集]
選挙年 第1回投票 第2回投票 議席 +/− 備考
得票 % 得票 %
2017 6,391,269 28.21 7,826,245 43.06
308 / 577
増加 308 与党
2022 5,857,364 25.8 8,002,419 38.6
245 / 577
減少 101 与党

ロゴマーク

[編集]

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ "Groupes poplitiques" (Press release). 国民議会. 6 July 2022. 2022年7月6日閲覧
  2. ^ "Groupes poplitiques" (Press release) (フランス語). 元老院. 30 June 2020. 2020年7月12日閲覧
  3. ^ Adhérer” (フランス語). en-marche.fr. 共和国前進. 2020年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月12日閲覧。 “Rejoignez les 418 635 adhérents de La République En Marche !”
  4. ^ “Emmanuel Macron a Berlin pour se donner une stature européenne” (フランス語). Le Monde. (10 January 2017). http://www.lemonde.fr/election-presidentielle-2017/article/2017/01/10/emmanuel-macron-a-berlin-pour-se-donner-une-stature-europeenne_5060405_4854003.html 2 June 2017閲覧。 
  5. ^ France” (英語). Europe Elects. 2020年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月11日閲覧。
  6. ^ Emmanuel Macron and the building of a new liberal-centrist movement”. EUROPP. ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (6 February 2017). 25 April 2017閲覧。
  7. ^ Nordsieck, Wolfram (2017年). “France”. Parties and Elections in Europe. 2018年11月12日閲覧。
  8. ^ Audrey Tonnelier (24 February 2017). “« Le projet d'Emmanuel Macron est social-libéral »” (フランス語). Le Monde. 23 June 2017閲覧。
  9. ^ 疋田多揚「「反移民」躍進 スペイン 欧州議会選へ連携も」『朝日新聞(朝刊 12版)』朝日新聞社、2020年8月24日、8面。2020年9月10日閲覧。「マクロン氏は自らの政党を「進歩主義者」と位置づけ、ルペン氏ら右翼政党を「閉じこもる勢力」と批判して対決姿勢を強めている。」
  10. ^ Eric Fassin, Emmanuel Macron, un candidat néolibéral devenu président illibéral Libération (フランス語) (2017-09-07, 17:26) 2018年12月22日閲覧。
  11. ^ a b c 仏与党、議会下院で過半数割れ 離党議員が新会派結成」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社(ロイター)、2020年5月19日。2020年7月12日閲覧。
  12. ^ a b Emmanuel Macron and the building of a new liberal-centrist movement”. EUROPP. ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス (6 February 2017). 25 April 2017閲覧。
  13. ^ (2ページ目)「極中道」は民主主義の救世主か、破壊者か|国際”. chuokoron.jp. 2024年12月8日閲覧。
  14. ^ “France's Macron joins presidential race to 'unblock France'”. BBC News. http://www.bbc.com/news/world-europe-37994372 
  15. ^ “France's Macron shapes his party for 2017 election and beyond”. Firstpost. http://www.firstpost.com/world/frances-macron-shapes-his-party-for-2017-election-and-beyond-reuters-3074904.html 
  16. ^ Callus, Andrew; Jarry, Emmanuel (November 16, 2016). “Macron Launches French Presidential Bid as Polls Show Tight Race”. Reuters. http://www.reuters.com/article/us-france-election-idUSKBN13A2XH November 17, 2016閲覧。 
  17. ^ “France election: Far-right's Le Pen rails against globalisation”. (5 February 2017). http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-38872335 5 February 2017閲覧。 
  18. ^ 木村正人「極右、トランプという暗黒が生んだフランスの新星マクロンの魅力と」『ニューズウィーク日本語版』、CCCメディアハウス、2017年2月22日、2017年3月12日閲覧 
  19. ^ 吉田健一郎 (2017年2月1日). “フランス大統領選は「三つ巴」に 社会党予備選で高まる無所属・マクロン氏の存在感” (PDF). みずほ総合研究所. 2017年3月12日閲覧。
  20. ^ 山口昌子「仏大統領選をかき回しそうな「フランスのトランプ」 既成の政党政治にノーを突きつけるエマニュエル・マクロン」『JBpress』、日本ビジネスプレス、2016年5月2日、2017年3月12日閲覧 
  21. ^ 尾河眞樹「日米首脳会談に注目」(PDF)、ソニーフィナンシャルホールディングス、2017年2月13日、2017年2月13日閲覧 
  22. ^ 欧州選挙の裏を読む” (PDF). “ジュネーブから今を見る” 今日のヘッドライン. ピクテ投信投資顧問 (2017年2月21日). 2017年3月13日閲覧。
  23. ^ “Emmanuel Macron lance un " mouvement politique nouveau " baptisé " En marche ! "” (フランス語). Le Monde.fr. (2016年4月6日). ISSN 1950-6244. http://www.lemonde.fr/politique/article/2016/04/06/emmanuel-macron-lance-un-mouvement-politique-nouveau-baptise-en-marche_4897274_823448.html 2016年12月2日閲覧。 
  24. ^ "共和国前進"(小学館・デジタル大辞泉)
  25. ^ マクロン氏政党、仏下院選候補の顔触れ発表 半数が未経験や女性”. AFPBB. 2020年8月14日閲覧。
  26. ^ 仏下院選の最終結果判明、マクロン派が約6割の議席獲得”. AFPBB. 2020年8月14日閲覧。
  27. ^ 仏上院選、マクロン新党が議席減らす 共和党が第1党維持”. Reuters. 2020年8月14日閲覧。
  28. ^ 仏上院選、マクロン大統領の与党敗北 右派が勢力拡大”. AFPBB. 2020年8月14日閲覧。
  29. ^ 仏統一地方選で決選投票、環境政党が躍進 与党敗北”. AFPBB. 2020年8月14日閲覧。
  30. ^ France: LREM devient «Renaissance», au sein d'une confédération pour les législatives” (フランス語). RFI (2022年5月5日). 2022年5月5日閲覧。
  31. ^ Législatives 2022 : LREM devient «Renaissance», sur fond d'accord Ferrand, Bayrou et Philippe” (フランス語). Le Figaro (2022年5月5日). 2022年5月5日閲覧。
  32. ^ Stéphane Séjourné, le grand ordonnateur de l’après-Macron” (フランス語). Le Figaro (2022年9月16日). 2022年10月4日閲覧。
  33. ^ “Finalement, le parti d'Emmanuel Macron est "et de droite, et de gauche" (mais surtout progressiste) - Le Lab Europe 1” (フランス語). http://lelab.europe1.fr/emmanuel-macron-refuse-detre-loblige-de-francois-hollande-2726290 2016年12月10日閲覧。 
  34. ^ Le Monde - 20/08/2016 - Par Patrick Roger - Macron précise son projet « progressiste » pour 2017
  35. ^ magazine, Le Point, (2015年12月21日). “Élections espagnoles : un Ciudadanos à la française est-il possible ?” (フランス語). Le Point. http://www.lepoint.fr/chroniques/elections-espagnoles-un-tel-scenario-est-il-envisageable-en-france-21-12-2015-2004263_2.php 2016年12月10日閲覧。 
  36. ^ “Macron démissionne, avec 2017 dans le viseur” (フランス語). Mediapart. https://www.mediapart.fr/journal/france/300816/macron-demissionne-avec-2017-dans-le-viseur 2016年12月10日閲覧。 
  37. ^ Loïc Signor: «J’ai quitté CNews pour devenir porte- parole de Renaissance»” (フランス語). Le Figaro (2022年9月20日). 2022年10月5日閲覧。

外部リンク

[編集]