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確率分布の族における再生性(さいせいせい、英: reproductive property)とは、同じ分布族に含まれる確率分布を持つ2つの独立な確率変数に対して、その和の確率分布もまた同じ族に含まれる性質のことを言う。
分布族を考える。
任意の確率分布に対して、Fiに従う互いに独立な確率変数をXiとおく () 。これをと書く(以下同様)。
このとき、の確率分布Fがを満たすならば、分布族は再生性を持つという。
ある分布族が再生性を持つということは、その分布族が畳み込み演算について閉じていることを意味する。
以下で用いられる2つの確率変数 X1, X2 は互いに独立であると仮定する。
- 正規分布
- コーシー分布
- コーシー分布に従う2つの確率変数の和は、再びコーシー分布に従う。
- ガンマ分布
- 尺度母数 θ が異なる場合は当てはまらない。
- 特に k1, k2 が整数である場合はアーラン分布を表し、このことからアーラン分布も再生性を持つことが分かる。同様に、k1, k2 が半整数である場合はカイ二乗分布に相当し、同様に再生性を持つ。
- 二項分布
- 確率 p が異なる場合は当てはまらない。
- 負の二項分布
- 確率 p が異なる場合は当てはまらない。
- ポアソン分布
- カイ二乗分布