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内閣総理大臣夫人秘書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
内閣総理大臣夫人付から転送)
専用執務室が設置されている内閣総理大臣官邸

内閣総理大臣夫人秘書(ないかくそうりだいじんふじんひしょ)は、内閣総理大臣夫人(内閣総理大臣配偶者)の秘書である国家公務員をいう。

歴史

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2006年第1次安倍内閣安倍晋三首相)で自らの妻・安倍昭恵の側近として1人設置され[1]外務省退官間もない宮家邦彦が就任[2]。非常勤の一般職国家公務員で、官職名は「首相公邸連絡調整官(しゅしょうこうていれんらくちょうせいかん)」であった[2]。宮家は、2007年8月の第1次安倍改造内閣退陣に伴い退任[2]。この職は次期、福田康夫内閣福田康夫首相、貴代子夫人)に引き継がれなかった[2]。第2次安倍内閣において復活した首相夫人秘書は、米国のファーストレディを意識した制度である。

2012年12月、第2次安倍内閣(安倍晋三首相)が発足。2013年5月頃から首相周辺で「内閣総理大臣夫人・安倍昭恵の教育係兼監視役が必要」という声が上がる中、翌6月、2-3人態勢で非公式に「アッキー対策室」が設置されたといわれる[3]。当時の室の名称は昭恵の愛称が「アッキー」だったことから。

2017年3月時点で、経済産業省・外務省から派遣された常勤2人・非常勤3人の計5人態勢となっている[1][4]総理大臣官邸内に専用執務室を有し、国会議員公設秘書とほぼ同様の役割を担うとされる[5]名刺に表記されている官職名は「内閣総理大臣夫人付」(英語: special assistant to the spouse of the prime minister[6]。なお、この5人にかかる費用(人件費)は総額で2880万円と言われている[5]

公務員給与のほかに、内閣総理大臣の出張に同行する際は国家公務員等の旅費に関する法律に基づく交通費が支払われている[7]

職員数の推移

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内閣総理大臣夫人付き職員数の推移は、下記の通りである[8]

時点 内閣 内閣総理大臣夫人 人数 備考
2007年3月31日 第1次安倍内閣 安倍昭恵 1人 非常駐外務省職員
2008年3月31日 福田康夫内閣 福田貴代子 0人
2009年3月31日 麻生内閣 麻生千賀子 1人 非常駐外務省職員
2010年3月31日 鳩山由紀夫内閣 鳩山幸 1人 非常駐外務省職員
2011年3月31日 菅内閣 (第2次改造) 菅伸子 1人 非常駐外務省職員
2012年3月31日 野田内閣 (第1次改造) 野田仁実 1人 非常駐外務省職員
2013年3月31日 第2次安倍内閣 安倍昭恵 3人
2014年3月31日 第2次安倍内閣 安倍昭恵 5人 常駐経済産業省職員(出向)2人、
非常駐外務省職員3人
2015年3月31日 第3次安倍内閣 安倍昭恵 5人 常駐経済産業省職員(出向)2人、
非常駐外務省職員3人
2016年3月31日 第3次安倍内閣 (第1次改造) 安倍昭恵 5人 常駐経済産業省職員(出向)2人、
非常駐外務省職員3人
2017年3月31日 第3次安倍内閣 (第2次改造) 安倍昭恵 5人 常駐経済産業省職員(出向)2人、
非常駐外務省職員3人
2020年2月17日 第4次安倍内閣 (第2次改造) 安倍昭恵 3人[9] 非常駐外務省職員
2020年10月21日 菅義偉内閣 菅真理子 3人[9] 非常駐外務省職員

脚注

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  1. ^ a b “首相の妻・昭恵氏は私人?公人? スタッフに公務員5人”. 朝日新聞. (2017年3月2日). https://www.asahi.com/articles/ASK323QZ8K32UTFK006.html 2017年3月3日閲覧。 
  2. ^ a b c d “特集第40号 ファーストレディーの居場所 03 役割発揮 求める政権 Part2 日本初の「オフィス」は、たった2人だった”. 朝日新聞グローブ. (2010年5月24日). http://globe.asahi.com/feature/100524/index.html 2017年3月4日閲覧。 
  3. ^ “首相官邸に“アッキー部屋”設置、本当の目的は?”. プレジデントオンライン. (2013年7月25日). http://president.jp/articles/-/10064 2017年3月4日閲覧。 
  4. ^ 石井妙子「安倍昭恵『家庭内野党』の真実」『文藝春秋』2017年3月号
  5. ^ a b “「安倍昭恵」総理夫人を支える霞が関女性官僚5人衆の年収総計”. 週刊新潮. (2015年6月25日). http://www.dailyshincho.jp/article/2015/06300800/?all=1 2017年3月3日閲覧。 
  6. ^ “見苦しいブチ切れ答弁…森友疑惑、主役は安倍晋三である”. 日刊ゲンダイ. (2017年3月4日). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/200819 2017年3月4日閲覧。 
  7. ^ “安倍首相妻昭恵さんは公人?私人? 講演に政府職員同行”. 毎日新聞. (2017年3月3日). https://mainichi.jp/articles/20170304/k00/00m/010/114000c 2017年3月3日閲覧。 
  8. ^ “【政治】首相夫人付き職員 安倍政権で1→3→5人に 初の官邸常駐も2人”. 東京新聞. (2017年4月11日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017041102000134.html 2017年4月15日閲覧。 
  9. ^ a b “菅首相夫人付の政府職員は3人 外務省の非常勤 安倍政権を「継承」”. 毎日新聞. (2020年10月21日). https://mainichi.jp/articles/20201021/k00/00m/010/180000c.amp 2020年10月21日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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