兪飛鵬
兪 飛鵬 | |
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Who's Who in China 4th ed. (1931) | |
プロフィール | |
出生: |
1884年12月20日 (光緒10年11月13日) |
死去: |
1966年(民国55年)12月19日 中華民国 台湾省台北市 |
出身地: |
清 浙江省寧波府奉化県 (現:寧波市奉化区) |
職業: | 軍人・政治家 |
各種表記 | |
繁体字: | 兪 飛鵬 |
簡体字: | 俞 飞鹏 |
拼音: | Yú Fēipéng |
ラテン字: | Yü Fei-p'eng |
和名表記: | ゆ ひほう |
発音転記: | ユー フェイポン |
兪 飛鵬(ゆ ひほう)は中華民国(台湾)の軍人・政治家。兵站など軍後方勤務の専門家で、後に国民政府においても交通部長など要職を務めた人物である。字は樵峰。
事跡
[編集]民国初期の活動
[編集]1908年(光緒34年)に寧波師範学校を卒業し、辛亥革命が勃発すると上海学生軍の一員として革命派に加わった。このとき、蔣介石の下で軍需官を務めている。1912年(民国元年)、陳其美の推薦で北京軍需学校第1期に入学し、2年後に卒業した。以後、国立北京師範学校、国立北京高等両等師範学校などで学監や体育教員を務めている。1915年(民国4年)、寧波第四中学と紹興第五中学で舎監となっている。
孫文が護法運動を開始すると、兪飛鵬もこれに合流した。1922年(民国11年)、福建省で松渓県と浦城県の県長を歴任する。1924年(民国13年)6月、粤軍総司令部審計処処長代理となり、さらに黄埔軍官学校軍需部副主任も兼ねた。翌年2月、同校運輸総站官に任ぜられ、1926年(民国15年)2月には中央軍事政治学校経理部主任となっている。
後方勤務の専門家としての台頭
[編集]北伐が開始される直前の1926年(民国15年)6月、兪飛鵬は国民革命軍総司令部兵站総監に任命された。北伐軍が南昌を攻略すると、江西省政務委員会委員と財政委員会委員を兼ねている。1927年(民国16年)4月の上海クーデター(四・一二政変)後に、国民政府財政部江海関監督に任ぜられた。北伐終了後の1928年(民国17年)11月に軍政部軍需署署長に任ぜられ、翌年3月、中央編遣区兼第1編遣区弁事処経理分処処長となっている。
1931年(民国20年)1月、兪飛鵬は交通部政務次長に任ぜられる。1933年(民国22年)の長城抗戦では、華北兵站事宜に任ぜられ、前線を支援した。翌年、欧米を視察し、帰国後の1935年(民国24年)に通信兵学校副校長に任ぜられている。同年11月、中国国民党第5期中央執行委員候補に選出され、その翌月には交通部長代理を務めた。1937年(民国26年)2月、中央執行委員に補充昇格し、その翌月に交通部長に正式に任命されている。
日中戦争、国共内戦での活動
[編集]日中戦争勃発後、兪飛鵬は軍事委員会後方勤務部部長に転じた。1939年(民国28年)3月には屯糧監理委員会主任委員に任ぜられ、翌年4月に運輸統制局参謀長を兼任している。1941年(民国30年)、運輸統制局副主任に昇進し、さらに滇緬公路(ビルマ公路)運輸工程監理委員会主任員に任ぜられた。同年9月には、中緬運輸総局局長に移っている。1945年(民国34年)1月、交通部長曽養甫が病気により辞任し、同時期に後方勤務部も廃止されたため、兪が後任の部長として復帰し、さらに戦時運輸管理局局長も兼任した。同年5月には、国民党第6期中央執行委員に再選されている。
戦争終結後も、兪飛鵬は引き続き交通部長の地位に在り、公路総局局長も兼任した。1946年(民国35年)5月、交通部長から退き、翌年1月には陸軍上将の位を授与されたことを機に予備役に退いている。7月、行政院政務委員会委員兼糧食部部長となり、翌1948年(民国37年)5月まで務めた。その後、総統府戦略顧問委員に任ぜられ、国共内戦末期の1949年(民国38年)7月には、国防部東南区点験整編委員会副主任委員を務めている。
台湾での活動
[編集]国民党の敗北と共に兪飛鵬は台湾に逃れ、東南軍政長官公署航空委員会主任委員に任ぜられる。その後、中国油輸公司董事長、国民党中華航業海員党部改造委員会主任委員、総統府国策顧問、招商局董事長、中国験船協会理事長など、政界・実業界の要職を歴任した。1952年(民国41年)10月、国民党第7期中央評議委員に選出され、以後第8期(1957年10月~)、第9期(1963年11月~)でも連続して選出されている。1954年(民国43年)6月には、中央銀行副総裁に任ぜられた。
1966年(民国55年)12月19日、台北市にて病没。享年83(満81歳)。
参考文献
[編集]- 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
- 劉国銘主編『中国国民党百年人物全書』団結出版社、2005年。ISBN 7-80214-039-0。
- 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。
- 東亜問題調査会『最新支那要人伝』朝日新聞社、1941年。
中華民国
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