全日本大学対抗選手権自転車競技大会
文部科学大臣杯全日本大学対抗選手権自転車競技大会(ぜんにほんだいがくたいこうせんしゅけんじてんしゃきょうぎたいかい)は、日本学生自転車競技連盟主催、日本自転車競技連盟共催で行われる自転車競技大会である。他競技の同種大会と同様、「大学対抗(対校)」または「大学間」の英語 "intercollegiate" から「インカレ」と呼ばれる場合が多い。
歴史
[編集]創立記念大会は1936年10月24日に陸軍戸山学校大運動場で開催(第1回は1937年に芝公園で開催)。その後戦争による中止を経て毎年開催されている伝統ある大会である。
開催地は固定されておらず、公募を経て選定される。
大学対抗の選手権争奪戦であり、各個別種目の個人順位に与えられる点数を所属大学別に合計し、最も高得点の大学が選手権獲得校となる。男子選手権校には文部科学大臣杯と優勝旗、女子選手権校には優勝杯が授けられ、次回大会まで保持する権利が与えられる。各種目について個人賞もある。
2018年より10年間、特別賞としてロードレース優勝者(男女それぞれ)を擁する大学に高木秀彰賞が授与される[1]。
2022年9月4日、鹿児島で行われた第77回大会男子ロードレース中に多重落車事故が発生し、法政大学1年の選手が意識不明の状態で病院に搬送され、その後死亡した[2][3]。これを受け、日本学生自転車競技連盟は、事故の検証と再発防止を図るために協議を始めたとの声明を出し、当面の間、競技大会の開催を見送ることを表明した[4]。その後、安全講習会の受講義務付けや集団ロードレースでの速度制限などの対策をまとめ、2023年1月29日のトラックレース大会より開催を再開した[5]。
種目(第75回大会以降)
[編集]- 男子の部
- 1kmタイムトライアル
- スプリント
- マディソン
- ケイリン
- 4kmインディビジュアルパシュート
- タンデムスプリント
- オムニアム[注 1]
- チームスプリント
- 4kmチームパシュート
- 個人ロードレース
- 女子の部
- 500mタイムトライアル
- スプリント
- マディソン
- 3kmインディビジュアルパシュート
- オムニアム[注 1]
- チームスプリント
- 個人ロードレース
第73回大会まで実施されてきたポイントレースは同大会をもって廃止され、代わってマディソンとオムニアムが採用された[6][7][8]。
歴代優勝校
[編集]回 | 年度 | 開催地 | 男子優勝 | 女子優勝[注 2] |
---|---|---|---|---|
創立記念 | 1936 | 東京 | 明治大学 | |
1 | 1937 | 東京 | 明治大学 | |
2 | 1937 | 東京 | 明治大学 | |
3 | 1938 | 東京 | 慶應義塾大学 | |
4 | 1939 | 埼玉 | 慶應義塾大学 | |
5 | 1940 | 埼玉 | 早稲田大学 | |
公開 | 1947 | 石川 | 法政大学 | |
公開 | 1948 | 福岡 | 法政大学 | |
公開 | 1949 | 東京 | 法政大学 | |
6 | 1950 | 愛知 | 法政大学 | |
7 | 1951 | 滋賀 | 法政大学 | |
8 | 1952 | 埼玉 | 法政大学 | |
9 | 1953 | 東京 | 法政大学 | |
10 | 1954 | 神奈川 | 法政大学 | |
11 | 1955 | 宮城 | 法政大学 | |
12 | 1956 | 埼玉 | 法政大学 | |
13 | 1957 | 愛知 | 日本大学 | |
14 | 1958 | 宮城 | 中京大学 | |
15 | 1959 | 東京 | 日本大学 | |
16 | 1960 | 神奈川 | 日本大学 | |
17 | 1961 | 滋賀 | 日本大学 | |
18 | 1962 | 滋賀 | 日本大学 | |
19 | 1963 | 宮城 | 日本大学 | |
20 | 1964 | 愛知・福島 | 日本大学 | |
21 | 1965 | 福島 | 日本大学 | |
22 | 1966 | 徳島 | 日本大学 | |
23 | 1967 | 福岡・静岡 | 日本大学 | |
24 | 1968 | 神奈川・静岡 | 法政大学 | |
25 | 1969 | 岩手 | 日本大学 | |
26 | 1970 | 和歌山 | 日本大学 | |
27 | 1971 | 福島 | 日本大学 | |
28 | 1972 | 東京・静岡 | 日本大学 | |
29 | 1973 | 新潟 | 日本大学 | |
30 | 1974 | 静岡 | 法政大学 | |
31 | 1975 | 青森 | 日本大学 | |
32 | 1976 | 静岡 | 法政大学 | |
33 | 1977 | 宮城 | 日本大学 | |
33 | 1978 | 静岡 | 日本大学 | |
35 | 1979 | 静岡 | 日本大学 | |
36 | 1980 | 群馬 | 日本大学 | |
37 | 1981 | 大分 | 法政大学 | |
38 | 1982 | 静岡 | なし[注 3] | |
39 | 1983 | 静岡 | 日本大学 | |
40 | 1984 | 宮城 | 日本大学 | |
41 | 1985 | 静岡 | 日本大学 | |
42 | 1986 | 群馬 | 日本大学 | |
43 | 1987 | 岩手 | 日本大学 | |
44 | 1988 | 静岡 | 日本大学 | |
45 | 1989 | 群馬 | 日本大学 | |
46 | 1990 | 静岡 | 日本大学 | |
47 | 1991 | 秋田 | 日本大学 | |
48 | 1992 | 静岡 | 日本大学 | |
49 | 1993 | 京都 | 日本大学 | |
50 | 1994 | 群馬・栃木 | 日本大学 | |
51 | 1995 | 青森 | 日本大学 | |
52 | 1996 | 静岡 | 日本大学 | |
53 | 1997 | 群馬 | 日本大学 | |
54 | 1998 | 石川 | 日本大学 | |
55 | 1999 | 静岡 | 日本大学 | 筑波大学 |
56 | 2000 | 青森 | 日本大学 | 筑波大学 |
57 | 2001 | 山形 | 日本大学 | 八戸大学 |
58 | 2002 | 静岡 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
59 | 2003 | 長野 | 日本大学 | 順天堂大学 |
60 | 2004 | 滋賀 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
61 | 2005 | 岩手 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
62 | 2006 | 静岡 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
63 | 2007 | 静岡 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
64 | 2008 | 長野 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
65 | 2009 | 静岡 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
66 | 2010 | 青森 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
67 | 2011 | 長野 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
68 | 2012 | 鹿児島 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
69 | 2013 | 青森 | 鹿屋体育大学 | 鹿屋体育大学 |
70 | 2014 | 静岡 | 鹿屋体育大学 | 日本体育大学 |
71 | 2015 | 長野 | 鹿屋体育大学 | 鹿屋体育大学 |
72 | 2016 | 静岡 | 鹿屋体育大学 | 鹿屋体育大学 |
73 | 2017 | 長野 | 日本大学 | 日本体育大学 |
74 | 2018 | 静岡・長野 | 日本大学 | 日本体育大学 |
75 | 2019 | 長野 | 中央大学 | 日本体育大学 |
2020[注 4] | 長野・群馬 | |||
76 | 2021 | 長野・群馬 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
77 | 2022 | 鹿児島 | 日本大学 | 日本体育大学 |
78 | 2023 | 千葉・長野 | 日本大学 | 鹿屋体育大学 |
79 | 2024 | 千葉・群馬 | 日本大学 | 早稲田大学 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “高木秀彰賞の創設について”. 日本学生自転車競技連盟. (2018年8月25日) 2018年9月9日閲覧。
- ^ “インカレ自転車事故、緊急搬送の法政大選手が死亡…下り坂で次々転倒13人リタイア”. 読売新聞. (2022年9月5日) 2022年9月18日閲覧。
- ^ “急傾斜コース、集団前方で次々と落車か ロードレース中に法政大選手が死亡、鹿児島県連盟「事故原因を究明」 インカレ自転車”. 南日本新聞. (2022年9月5日) 2022年9月18日閲覧。
- ^ “【 インカレ・ロードレースにおける落車事故について 】”. 日本学生自転車競技連盟 (2022年9月9日). 2022年9月18日閲覧。
- ^ “当⾯の⼤会開催等について 2023 年度 v1(0405〕”. 日本学生自転車競技連盟. (2023年4月5日) 2023年9月6日閲覧。
- ^ 『文部科学大臣杯 第 74 回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 大会要項』(プレスリリース)日本学生自転車競技連盟、2018年8月3日 。2019年9月2日閲覧。
- ^ 『文部科学大臣杯 第 75 回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 大会要項』(プレスリリース)日本学生自転車競技連盟、2019年8月14日 。2019年9月2日閲覧。
- ^ “インカレ開幕 トラック競技3種目で新記録誕生”. シクロワイアード. (2018年8月18日) 2019年9月2日閲覧。
- ^ “2020 全日本大学自転車競技大会”. 日本学生自転車競技連盟 (2020年8月23日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ 『当面の大会開催等について v11』(プレスリリース)日本学生自転車競技連盟、2020年8月23日 。2020年10月17日閲覧。
参考文献
[編集]- ^https://jicf.info/hp/wp-content/uploads/2023/08/23_ic_Communique12_somu_230819.pdf 2023年 文部科学大臣杯 第78回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 7頁 「8. 開会式および部旗等の持参について」、2023年9月取得
- ^https://jicf.info/hp/wp-content/uploads/2023/08/23intercollege_webprogram_230819.pdf 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 歴代優勝者一覧 42-47頁、2023年9月取得
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 日本学生自転車競技連盟
- “2009ブログ”. インカレ事務局. 2009年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月10日閲覧。