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信号隊ラジオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
SCR-300-A無線機

信号隊ラジオ(Signal Corps Radios, SCR)は、アメリカ陸軍が採用した軍用無線設備セットの通称である。本来、SCRは「無線一式セット」(Set, Complete Radio)を意味する頭字語だったが、後に誤って「信号隊ラジオ」と解釈されるようになった[1]

名称

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「SCR」とは陸軍信号隊英語版向けに考案された命名規則の1つで、少なくとも第一次世界大戦頃から使用されている。SCで始まる3字の識別名は何らかのシステム一式を、1文字ないし2文字がこれを構成するコンポーネントを示した(BCは基礎コンポーネントを、FTは設置型を意味する)。以下のシステムでこの命名規則が適用された。

  • SCM:気象観測一式セット(Set, Complete, Meteorological)
  • SCR:無線一式セット(Set, Complete, Radio)
  • SCS:システム一式セット(Set, Complete, System)

SCR無線セット

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信号隊では個々のコンポーネント(送信機、受信機、電源、受話器、ケース、アンテナなど)の特定の組分けを示すために「セット」(sets)という命名規則を用いた。SCR無線セットには小型のSCR-536無線機(ハンディトーキー)から、高出力なSCR-299英語版車載無線機、SCR-584マイクロ波レーダー英語版まで含まれた。

SCS

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「SCS」は戦闘機指揮・管制所で用いるような大規模な通信システム構築を想定した複数のSCR無線セットの組合せを示すために用いられた。SCSの組合せにはSCRの完全なセットのほか、送信機ないし受信機のセットのみ含まれる場合があった。

その他の命名規則

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「RC」はサブシステムやアクセサリーの組分けを示すために使われた。1943年の電子機器型式共通命名システム採用に際して統合された[2]

兵科ごとのSCR

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以下にアメリカ陸軍の各兵科が採用したSCRを示す。ただし、これはあくまでも一例であり、実際には多くのSCRが兵科をまたいで使用された[3]

関連項目

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脚注

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  1. ^ Getting the message through: A Branch History of the U.S. Army Signal Corps. Government Printing Office. (1996). pp. 172–. ISBN 978-0-16-087281-5. https://books.google.co.jp/books?id=noEBBvjbwVMC&pg=PA172&redir_esc=y&hl=ja 
  2. ^ World War Two Nomenclature Systems”. Electric Radio Magazine, June/July 1995. 8 January 2016閲覧。
  3. ^ TM 11-227 RADIO COMMUNICATION EQUIPMENT APRIL 1944”. 8 January 2016閲覧。

外部リンク

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