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佐藤友祈

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
佐藤 友祈 Portal:陸上競技
選手情報
愛称 トモちゃん(くん)、サトちゃん
国籍 日本の旗 日本
競技 短距離走中距離走
所属 株式会社モリサワ
生年月日 (1989-09-08) 1989年9月8日(35歳)
出身地 静岡県の旗静岡県藤枝市
居住地 岡山県の旗岡山県岡山市
身長 183cm[1]
体重 77kg[1]
パラリンピック 2020東京パラリンピック 金メダル、2016リオパラリンピック 銀メダル
世界選手権 2019ドバイパラ世界陸上選手権 優勝、2017ロンドンパラ世界陸上選手権 優勝
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
パラリンピック
2020 東京 男子400m T52
2020 東京 男子1500m T52
2016 リオデジャネイロ 男子400m T52
2016 リオデジャネイロ 男子1500m T52
2024 パリ 男子400m T52
2024 パリ 男子100m T52
世界パラ陸上競技選手権大会
2015 ドーハ 男子400mT52
2019 ドバイ 男子400mT52
2019 ドバイ 男子1500mT52
2023 パリ 男子1500mT52
2024 神戸 男子400mT52
2024 神戸 男子1500mT52
2015 ドーハ 男子1500mT52
2024 神戸 男子100mT52
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佐藤 友祈(さとう ともき、1989年9月8日[2] - )は、日本の車いす陸上競技選手株式会社モリサワ所属。マネジメントは株式会社クロスブレイス

2021年開催の東京パラリンピック 陸上 車いす 金メダリスト。

経歴

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静岡県藤枝市出身。静清工業高校(現静清高校)卒[3]。卒業後は県内の水産加工会社に勤めたが、半年後に退職。演劇の仕事を夢見て上京したが、21歳の時に脊髄炎になり、左腕が麻痺し、下半身の感覚を失った[4][5]

車いす生活になってからは藤枝市に戻り、しばらくは引きこもるようになったが、ロンドンパラリンピックで競技用車いすで走る選手をテレビで見て衝撃を受け、自分もやってみたいと思うようになった[5]

2013年2014年東京マラソンの10キロ車いす男子に出場。2014年には29分19秒で2位の成績を残している[6]。同年には車いす陸上の現役選手で、北京、ロンドンと2大会連続パラリンピックに出場している松永仁志に学ぶために岡山に移り住んだ[7]

2015年11月、ドーハで行われた世界選手権で400メートル(T52クラス)で1分0秒91で優勝し、リオデジャネイロパラリンピックの代表選手に内定[8](1500メートルでは3位[9][10])。翌2016年には勤務先のグロップサンセリテが設立した松永仁志が監督兼選手を務める車いす陸上部、「WORLD-AC」の所属メンバーとなる[11][12]。同年6月に行われた新潟市デンカビッグスワンスタジアムジャパンパラ競技大会では100メートル、400メートル、1500メートルの3種目で優勝した[13]

2021年1月、株式会社モリサワと所属契約を締結し、同時にプロ転向を表明。また朝日新聞による新しい地図香取慎吾との対談内で今後の活動チーム名の命名を依頼。祈る(仏語)=prier、佐藤が好きな歌である「世界に一つだけの(SMAP)」の歌詞にある「オンリーワン」からONEを組み合わせ、"prierONE(プリエワン)"と命名される。[14]

東京パラリンピック 陸上 男子400m・1500m車いすT52において金メダルを獲得した功績をたたえ、2022年2月26日、岡山市北区のJR岡山駅前 市役所筋東側(MMビル前)に記念のゴールドポスト(第77号)が設置された(ゴールドポストプロジェクト[15])。

リオパラリンピック

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2016年9月に開催されたリオデジャネイロパラリンピックでは、400メートルと1500メートルに出場(いずれもT52クラス)。

12日の400メートルでは予選2組で1位(全体では2位[16])でゴールし、決勝進出[17]。翌13日の決勝では序盤スタートで遅れるが、後半追い上げ、ロンドンパラリンピック金メダリストのレイモンド・マーティン英語版に次ぐ2位でフィニッシュ(記録は58秒88)、銀メダルを獲得した[10]

15日の1500メートル決勝もマーティンとの一騎打ちとなった[注釈 1]。800メートルの手前でマーティンを追い抜くも、最後のカーブで抜き返され、1秒差の3分41秒70で2位。競技後、一時失格が宣告されるハプニングがあったが、対象が別人であることが判明し、失格取り消し。本大会2個目の銀メダル獲得となった[18][19]

人物

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  • 父はレスリングの元国体選手。本人もレスリングや陸上、バスケットボールなどをしていたが、どちらかといえば文科系に興味を示し、中学時代は藤枝市の合唱団でパートリーダーを務めた。高校では囲碁で県中部の大会で8位になったことがある[3]
  • 時期は不明ながら、岡山県内にある障碍者専門職業訓練施設での職業訓練を修了している。
  • 2015年9月から人材派遣会社のグロップサンセリテの正社員としてフルタイムで勤務している[20]
  • 2021年2月よりフォントメーカーである株式会社モリサワと所属契約の締結を発表、同時にプロ転向を表明。国枝慎吾上地結衣(共に車いすテニス)、木村敬一(パラ水泳)、山本篤(パラ陸上)に続く現役プロパラアスリートとなる[21]

表彰

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脚注

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注釈

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  1. ^ 予選は2選手が棄権した為行われず、決勝のみ実施。

出典

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  1. ^ a b 「RIO2016:パラリンピック 選手の横顔 陸上」.『毎日新聞』.2016年9月6日付朝刊、22面。
  2. ^ “【パラ陸上】佐藤友祈、初出場「銀」!20年東京で日本勢の金メダル“奪回”だ”. スポーツ報知. (2016年9月14日). http://www.hochi.co.jp/sports/etc/20160914-OHT1T50119.html 2017年3月22日閲覧。 
  3. ^ a b 「佐藤友、風を切って、失意の引きこもり越え銀(Rio2016)」.『日本経済新聞』.2016年9月14日付朝刊、39面。
  4. ^ 「「自分も出る」憧れ、力に、車いす400佐藤友が銀、引きこもり越え快挙(Rio2016)」.『日本経済新聞』.2016年9月14日付朝刊、16面。
  5. ^ a b 「車椅子陸上 あこがれ実現 リオパラリンピック 佐藤選手=岡山」.『読売新聞(岡山)』.2016年2月14日付朝刊、31面。
  6. ^ 「五輪への道、駆ける 東京マラソンに3万6000人 /東京都」.『朝日新聞(東京西部)』.2014年2月24日付朝刊、27面。
  7. ^ 「リオ・パラリンピック 殻破って表彰台 車いす男子400メートル 佐藤友祈」.『読売新聞』.2016年9月14日付朝刊、38面。
  8. ^ “佐藤友祈がリオ・パラリンピック出場枠を獲得”. 日刊スポーツ. (2015年11月1日). https://www.nikkansports.com/sports/athletics/news/1560381.html 2017年3月22日閲覧。 
  9. ^ 「リオ・パラリンピック:開幕まで100日 陸上の新星、輝くか 来月、代表選考会」.『毎日新聞』.2016年5月30日付朝刊、21面。
  10. ^ a b 「【リオ・パラリンピック】陸上 佐藤友、懸命追い上げ 男子400」.『産経新聞(大阪)』.2016年9月14日付朝刊、スポーツ面。
  11. ^ 「車いす陸上:障害者スポーツに夢を 北区のグロップサンセリテ、実業団チーム発足 目標は東京パラリンピック /岡山」.『毎日新聞(岡山)』.2016年3月14日付朝刊、22面。
  12. ^ 「実業団に車いす陸上部 岡山の人材派遣会社が設立 競技活動、業務とみなし支援/岡山県」.『朝日新聞(岡山)』.2016年3月23日付朝刊、28面。
  13. ^ 「日体大・辻2冠 陸上・ジャパンパラ大会 4日」.『朝日新聞』.2016年6月5日付朝刊、21面。
  14. ^ 「香取慎吾がチーム名を考案。金メダルに近い男・佐藤友祈がプロ宣言」.『webSportiva』.2/1(月) 11:15。
  15. ^ ゴールドポストプロジェクト”. 首相官邸 オリンピック・パラリンピックレガシー推進室. 2022年6月6日閲覧。
  16. ^ 「リオ・パラリンピック 陸上 辻 初登場7位」.『読売新聞』.2016年9月13日付朝刊、24面。
  17. ^ 「【リオ・パラリンピック】佐藤友 世界王者の加速 陸上男子400 決勝進出」.『産経新聞』.2016年9月13日付朝刊、スポーツ面。
  18. ^ 「佐藤友、笑顔晴れやか、東京での雪辱誓う」.『日本経済新聞』.2016年9月16日付朝刊、39面。
  19. ^ 「リオ・パラリンピック 陸上 佐藤 1500も快挙」.『読売新聞』.2016年9月16日付朝刊、14面。
  20. ^ 「RIO・リオパラリンピック:ロンドン大会見て奮起 陸上400銀、佐藤」.『毎日新聞』.2016年9月14日付夕刊、11面。
  21. ^ 「モリサワ パラ陸上競技・佐藤友祈選手と所属契約を締結」.『PR TIMES』.2021年1月29日14:00。
  22. ^ 日本パラスポーツ賞”. 読売新聞社 (2016年12月8日). 2017年7月26日閲覧。
  23. ^ 受賞者発表紙面|毎日スポーツ人賞2016”. 毎日新聞社. 2017年7月26日閲覧。
  24. ^ 岡山県県民栄誉賞”. 岡山県(総務学事課). 2022年7月25日閲覧。
  25. ^ 『官報』第250号、令和3年11月4日

外部リンク

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