佐藤功
佐藤 功(さとう いさお、1915年(大正4年)3月29日 - 2006年(平成18年)6月17日)は、日本の法学者。専門は憲法。学位は、法学博士(東京大学・論文博士・1958年)。上智大学名誉教授。文化功労者。また、内閣法制局参事官として日本国憲法の制定作業に携わった[1]。主著『日本国憲法概説』(学陽書房刊)は版を重ねている。京都府京都市出身。宮沢俊義門下。弟子に粕谷友介、向井久了、高野敏樹、吉川和宏、矢島基美、藤本富一、松田聰子、玉巻弘光、前田徹生など。
略歴
[編集]京都府京都市に生まれる。1931年(昭和6年)4月1日:第二高等学校文科乙類入学。1934年(昭和9年)3月31日:第二高等学校文科乙類卒業。4月1日:東京帝国大学法学部政治学科入学。1937年(昭和12年)3月31日:東京帝国大学法学部政治学科卒業。4月28日:東京帝国大学法学部助手。1943年(昭和18年)10月1日:東京帝国大学農学部講師。
1946年(昭和21年)4月16日:内閣法制局参事官。1948年(昭和23年)2月15日:総理庁事務官。7月1日:行政管理庁管理部総務課長。
1949年(昭和24年)1月1日:行政管理庁管理部第一課長。7月12日:成蹊大学政治経済学部教授。
1958年(昭和33年)8月19日:「君主制の研究:比較憲法的考察」により法学博士の学位を取得(東京大学)[2]
1967年(昭和42年)4月1日:上智大学法学部教授。1969年(昭和44年)1月1日:上智大学法学部長。
1985年(昭和60年)4月1日:上智大学を退職し同大学名誉教授。東海大学法学部教授。
1987年(昭和62年):勲二等旭日重光章受章[3]。1995年(平成7年):文化功労者。
2006年(平成18年)6月17日:肺炎のため死去。91歳没。
家族
[編集]法学者で東北帝國大学初代法文学部長・仙台法経専門学校初代校長の佐藤丑次郎は父。児童文学作家のさとうまきこは娘。
著書
[編集]- 『憲法改正の経過』日本評論社 1947
- 『議会と内閣』日本電報通信社 1951
- 『日本国憲法十二講』学陽書房 1951
- 『憲法を守る力』弘文堂 1952 アテネ文庫
- 『憲法解釈の諸問題(全2巻)』(有斐閣、1953―62年)
- 『日本国憲法講義案』学陽書房 1953
- 『憲法のはなし 憲法をまもる一票のために』東洋経済新報社 1953 家庭文庫
- 『憲法(ポケット註釈全書)』(有斐閣、1955年)
- 『憲法と君たち』須田寿絵 牧書店 1955 学校図書館文庫[注釈 1]
- 『憲法の教室』有斐閣 1955
- 『君主制の研究 比較憲法的考察』日本評論新社 1957
- 『比較政治制度講義』東京大学出版会 1957
- 『行政組織法』有斐閣 1958 法律学全集
- 『日本国憲法概説』学陽書房 1959
- 『憲法』学陽書房 1960 地方公務員研修選書
- 『憲法研究入門』日本評論社 1964―67
- 『比較政治制度』東京大学出版会 1967
- 『日本国憲法の課題 憲法三〇年の歩みのなかから』学陽書房 1976
- 『日本の国会』写真:久保田富弘 毎日映画社 1976
- 『憲法問題を考える 視点と論点』日本評論社 1981
共編著
[編集]- 『破壊活動防止法の解釈』関之共著 学陽書房 1952
- 『政治の教室』編 有斐閣 1956
- 『警察』編 有斐閣 1958
- 『憲法演習』清宮四郎共編 有斐閣 1959
- 『憲法辞典』和田英夫共著 一粒社 1960 法律小辞典全書
- 『憲法講座』(全4巻)清宮四郎共編著 有斐閣、1963―64年)
- 『教材憲法入門』編 1966 有斐閣双書
- 『憲法基本判例集』正続 編 一粒社 1967-76 法学テキスト
- 『続憲法演習』清宮四郎共編 有斐閣 1967
- 『日本国憲法成立史』3-4(佐藤達夫遺稿に補訂を施す 有斐閣、1994年)
翻訳
[編集]- ローレンス・W.ビーア編『アジアの憲法制度 アメリカの影響に対するアジア的対応』監訳 学陽書房 1981