佐々木敏 (栄養学者)
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佐々木 敏 | |
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生誕 | 三重県津市 |
研究分野 |
栄養疫学 社会予防疫学 食生活学 |
研究機関 |
東京大学大学院医学系研究科 女子栄養大学 |
出身校 |
京都大学工学部卒業 大阪大学医学部卒業 大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了 ルーベン大学大学院医学研究科博士課程修了 |
プロジェクト:人物伝 |
佐々木 敏(ささき さとし、1957年 - )は、日本の栄養学者、医師、医学博士、Ph.D[1]。専門分野は栄養疫学[1]。東京大学名誉教授[2]。女子栄養大学客員教授[3][4]。三重県津市出身[5]。国立がんセンター研究所支所臨床疫学研究部室長、国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラムリーダー等を歴任し、2007年より2023年3月まで東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野教授[3][6]。2012年より2014年まで世界保健機関(WHO)の栄養ガイダンス専門家会議のメンバーを務めた[7]。
「EBN (Evidence Based Nutrition、科学的根拠に基づく栄養学)」という概念を日本で早期に提唱し[8][1]、日本人が健康を維持するために摂取すべき栄養素とその量を示したガイドライン「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)策定において、2005年版から中心的役割を担っている[9][10]。また、東京栄養疫学勉強会などを通じて、学生や若手研究者への教育に積極的に取り組み、日本の栄養学の発展に貢献している[1]。
著書に『わかりやすいEBNと栄養疫学』『食事摂取基準入門 そのこころを読む』(ともに同文書院)、『佐々木敏の栄養データはこう読む!』『佐々木敏のデータ栄養学のすすめ』『行動栄養学とはなにか?』(ともに女子栄養大学出版部)ほか[1]。月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部)にて「佐々木敏がズバリ読む栄養データ」を連載中[11][12]。
略歴
[編集]- 三重県立津高等学校卒業
- 1981年 京都大学工学部資源工学科卒業[13]
- 1983年 京都大学大学院工学研究科修士課程中退
- 1989年 大阪大学医学部医学科卒業(医師免許取得)[13]
- 1994年 大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了(医学博士)[13]
- 1994年 ルーヴェン・カトリック大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)[13]
- 1995年 - 1996年 名古屋市立大学医学部公衆衛生学教室助手[14]
- 1996年 - 2002年 国立がんセンター研究所支所臨床疫学研究部室長[14]
- 2002年 - 2006年 独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養所要量策定企画・運営担当リーダー[14]
- 2004年 - 2005年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科客員教授
- 2005年 - 2006年 女子栄養大学栄養科学研究所客員教授
- 2005年 - 2007年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科客員教授
- 2006年 - 2007年 独立行政法人国立健康・栄養研究所栄養疫学プログラムプログラムリーダー[14]
- 2006年 - 女子栄養大学大学院栄養学研究科客員教授[14]
- 2007年 - 2023年 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 疫学保健学講座社会予防疫学分野教授[14]
- 2023年 東京大学名誉教授[2]
著書
[編集]単著
[編集]- 『わかりやすいEBNと栄養疫学』(2005年、同文書院)
- 『食事摂取基準入門―そのこころを読む』(2010年、同文書院)
- 『佐々木敏の栄養データはこう読む!』(2015年、女子栄養大学出版部)
- 『佐々木敏のデータ栄養学のすすめ』(2018年、女子栄養大学出版部)
- 『佐々木敏の栄養データはこう読む! 第2版』(2020年、女子栄養大学出版部)
- 『行動栄養学とはなにか?』(2023年、女子栄養大学出版部)
共著、編著、監訳
[編集]- 『改訂 公衆栄養学―日本人の食事摂取基準(2005年版)の活用 準拠 (Nブックス)』(共著、2008年、建帛社)
- 『ロス 医療栄養科学大事典―健康と病気のしくみがわかる』(監訳、2018年、西村書店)
- 『EBN入門:生活習慣病を理解するために』(編著、2000年、第一出版)
監修
[編集]- 『日本人の食事摂取基準―厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書〈2015年版〉』第一出版
- 『日本人の食事摂取基準―厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書〈2020年版〉』第一出版[14]
執筆
[編集]- 『八訂食品成分表2021』女子栄養大学出版部 - 担当範囲「もしも食品成分表が世の中になかったら……食品成分表の役割とその使い方」「知って納得!『日本人の食事摂取基準(2020年版)』のここがすごい」[15]
- 月刊誌『栄養と料理』(2011年4月号から - 連載「佐々木敏がズバリ読む栄養データ」、女子栄養大学出版部)
ほか
論文
[編集]出演
[編集]- 『クローズアップ現代』「道は険しい? “減塩社会”への挑戦」(NHK、2014年9月4日)[16]
- 『ヒューマニエンス』「40億年のたくらみ:『おいしさ』ヒト進化のスイッチ」(NHK BSプレミアム4K、2024年5月11日)
- 『NHKスペシャル』「ヒューマンエイジ 人間の時代 第3集・食の欲望 80億人の未来は」(NHK、2024年6月16日)[17]
ほか
関連項目
[編集]- 月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部)
- 国立健康・栄養研究所
- 「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)
脚注
[編集]- ^ a b c d e “行動栄養学とはなにか?”. 女子栄養大学出版部. 2023年6月15日閲覧。
- ^ a b “社会予防疫学分野初代教授である佐々木敏が本学名誉教授となりました”. 東京大学 大学院医学系研究科 社会予防疫学分野 (2023年6月13日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b “社会予防疫学分野メンバー紹介”. 東京大学医学部研究科. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “佐々木 敏 Sasaki Satoshi”. KAKEN(科学研究費助成事業データベース). 2021年7月26日閲覧。
- ^ 佐々木/敏『わかりやすいEBNと栄養疫学』同文書院、2005年11月1日。ISBN 978-4810313161。
- ^ “本研究室教授の佐々木敏の退任記念最終講義が以下のとおり行われますのでお知らせいたします。”. 東京大学医学部研究科 (2023年3月25日). 2023年6月15日閲覧。
- ^ 松永和紀 (2018年9月3日). “栄養情報も流行には要注意、話は単純化され盛ってある”. Wedge. 2024年7月6日閲覧。
- ^ “EBNに対する誤解を解く(佐々木敏)” (PDF). 臨床栄養 2002年5月(臨時増刊号). 2023年6月15日閲覧。
- ^ “佐々木敏氏講演会 ようこそ、「栄養」の世界へ! 「栄養学」ってこんなにおもしろいの?”. 女子栄養大学出版部 (2024年4月8日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ “『八訂食品成分表2021』「巻頭特集 - 知って納得! 『日本人の食事摂取基準 (2020年版)』の ここがすごい” (PDF). 女子栄養大学出版部. 2024年7月6日閲覧。
- ^ “寄稿者 佐々木敏”. ハフィントンポスト. 2021年7月26日閲覧。
- ^ “佐々木先生のためになる栄養学”. 生活協同組合ユーコープ. 2021年7月26日閲覧。
- ^ a b c d 松永和紀 (2020年5月21日). “新型コロナ予防に乳酸菌は効くか?エビデンスを見極める(前編)”. Wedge. 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g “対談「日本人の食事摂取基準(2020年版)」から医食同源を考える” (PDF). アニムス 2021;105:3-10. 2024年7月6日閲覧。
- ^ “佐々木敏氏インタビュー「八訂の食品成分表、ぼくはこう見て使っています」【2】組成成分表の時代が来た! 編”. 女子栄養大学出版部 (2021年7月11日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ “道は険しい? “減塩社会”への挑戦”. NHK (2014年9月4日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ “NHKスペシャル ヒューマンエイジ 人間の時代 第3集・食の欲望 80億人の未来は”. NHK (2024年6月16日). 2024年7月6日閲覧。
外部リンク
[編集]- 東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野
- 佐々木敏の「データ栄養学のすすめ」 (@dataeiyosusume) - X(旧Twitter)
- 佐々木先生のためになる栄養学生活協同組合ユーコープ
- 東京栄養疫学勉強会
- 東京栄養疫学勉強会 - YouTubeチャンネル