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伊理正夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊理 正夫いり まさお
国籍 日本の旗 日本
研究分野 数理工学
応用数学
数値解析
線形計画法
マトロイド理論
計算幾何学
研究機関 東京大学
中央大学
出身校 東京大学工学部
主な業績 IMT (Iri-Moriguti-Takasawa) 数値積分公式
伊理-松井方式
線形計画法における伊理-今井法
主な受賞歴 紫綬褒章
瑞宝中綬章
正四位
松永賞
情報処理学会論文賞
電子情報通信学会業績賞
プロジェクト:人物伝
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伊理 正夫(いり まさお、1933年昭和8年)1月7日[1] - 2018年平成30年)8月13日)は、日本数学者工学者東京大学名誉教授、元同大学工学部学部長中央大学理工学研究所所長。学位は、工学博士(東京大学)。専門は、数理工学応用数学(例えば数値解析線形計画法マトロイド理論、計算幾何学など)。

来歴

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1951年麻布高等学校卒業、東京大学理科一類入学。1955年3月、東京大学工学部応用物理学科(数理工学専修コース)を卒業。1960年3月、東京大学大学院数物系研究科応用物理学専門課程博士課程を修了し、同年工学博士の学位を取得。

1960年4月より九州大学工学部通信工学科助手に就任し、同年12月、助教授となる。1962年10月、東京大学工学部計数工学科助教授に転任。1973年4月に教授に就任し、1993年3月まで務める。1993年5月、東京大学名誉教授となる。

1987年4月、東京大学工学部学部長に就任(1989年3月まで)。1989年4月より1991年3月まで東京大学総長特別補佐(副学長)を務めた。この間、1991年10月に西安電子科技大学から名誉教授の称号を授与されている。

1991年には日本応用数理学会・計算の品質研究部会(精度保証付き数値計算を扱う部会)の主査を務める(その後、大石進一に引き継がれる)[2]

1992年から1994年まで日本オペレーションズ・リサーチ学会会長[3]

1993年4月より2003年3月まで中央大学理工学部情報工学科教授。1994年4月より2002年3月まで中央大学理工学研究所長。

日本応用数理学会会長、地理情報システム学会会長、財団法人日本測量調査技術協会会長などを歴任した。

1995年には紫綬褒章を、2007年には瑞宝中綬章を受章した[4]

2018年8月13日に肺炎のため死去。85歳没[5]。叙正四位[6]

研究業績

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マトロイド理論とその応用についての研究を進める一方[7]、IMT (Iri-Moriguti-Takasawa) 数値積分公式を提案した[8].その後は計算幾何学アルゴリズム開発と地理情報処理への応用、浮動小数点数値表現法である伊理-松井方式[9]線形計画法における伊理-今井法[10]、高速自動微分法の研究を進めた[11]

栄典・受賞歴

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著書

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監修

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  • 計算幾何学と地理情報処理 第2版 共立出版 1993

単著

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  • 「数値計算―方程式の解法」朝倉書店 1981年12月
  • 『線形計画法』共立出版 1986
  • 『一般線形代数』岩波書店 2003
  • 『線形代数汎論(基礎数理講座)』朝倉書店 2009
  • Network flow, transportation, and scheduling; theory and algorithms (Vol. 57). Academic Press (1969)

共著

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訳書

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  • G・ホフマン・ドゥ・ヴィスム(著)「2値系列」共立出版 1977年2月
  • スタンリー・ファーロウ「偏微分方程式―科学者・技術者のための使い方と解き方」ワイリー・ジャパン 1983年1月
  • D.A.ハーヴィル著、井上玄定訳『統計のための行列代数』(監訳)丸善 2012

脚注

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  1. ^ 『著作権台帳』
  2. ^ 研究部会便り「計算の品質研究部会」
  3. ^ 歴代会長|公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会 2017年5月閲覧
  4. ^ 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 2023年2月12日閲覧
  5. ^ “東京大名誉教授の伊理正夫さん死去”. 朝日新聞社. (2018年8月15日). https://www.asahi.com/articles/ASL8G4DF1L8GUTIL015.html 2018年8月16日閲覧。 
  6. ^ 「叙位叙勲」『読売新聞』2018年9月8日朝刊
  7. ^ Iri, M. (1979). A REVIEW OF RECENT WORK IN JAPAN ON PRINCIPAL PARTITIONS OF MATROIDS AND THEIR APPLICATIONS. Annals of the New York Academy of Sciences, 319 (1), 306-319.
  8. ^ Iri, M., Moriguti, S., & Takasawa, Y. (1987). On a certain quadrature formula. Journal of computational and applied mathematics, 17 (1-2), 3-20.
  9. ^ 松井正一、伊理正夫「あふれのない浮動小数点表示方式」情報処理学会論文誌 Vol. 21 No. 4(1980 Jul)pp.306-313 NAID 110002723544
  10. ^ Iri, M., & Imai, H. (1986). A multiplicative barrier function method for linear programming. Algorithmica, 1(1-4), 455-482.
  11. ^ 伊理正夫先生追悼特集(1):伊理正夫先生を偲ぶ ―ご経歴とご業績を中心に―

関連項目

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外部リンク

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先代
岡久雄
日本オペレーションズ・リサーチ学会会長
1992年 - 1994年
次代
村井勉