今日の香港、明日の台湾
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今日の香港、明日の台湾(きょうのほんこんあすのたいわん、繁体字中国語: 今日香港,明日臺灣)は、2014年4月に台湾で起こったひまわり学生運動で掲げられたスローガンの1つ。その後、香港と台湾の運命共同体意識を表すスローガンともなった[1]。また、民主化以前の中華民国においては、(当時の中国大陸と台湾より相対的に民主的な社会であった)香港に対してのポジティブな意識を表す表現でもあった[2]。
概要
[編集]今日の香港、明日の台湾 | |
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各種表記 | |
繁体字: | 今日香港,明日臺灣 |
簡体字: | 今日香港,明日台湾 |
拼音: | Jīn rì xiāng gǎng, míng rì tái wān |
注音符号: | ㄐㄧㄣ ㄖˋ ㄒㄧㄤ ㄍㄤˇ , ㄇㄧㄥˊ ㄖˋ ㄊㄞˊ ㄨㄢ |
発音: | ジンリーシャンガン、ミンリータイワン |
広東語拼音: | gām yaht hēung góng, mìhng yaht tòih wāan |
スローガンの指す「香港」とは、返還後の香港の政治及び経済的な状況を指している。つまり、中国共産党政府と香港政府の間で結ばれた中国本土・香港経済連携緊密化取決めにより、香港の経済は向上した一方で中国本土へ経済的な依存が進んだ事実と、海峡両岸サービス貿易協定が台湾にもたらしうる「中国化」ーーすなわち賃金の強制的な下落、資産のバブル化、貧富の差の拡大、中国資本の浸透に起因する政策への間接的な影響、本土・香港間の各分野における対立といった、返還後の香港が経験した悪影響ーーに対して警戒すべきだというものである[3]。月刊誌『七十年代』の元編集者である李怡は、「今日の香港、明日の台湾」という言葉のここ30年間に渡る意味合いの変遷と、返還後17年を経た香港と民主化した台湾を比較して、次のように述べた:「台湾における政治的民主主義は精彩を欠き、経済発展においても大陸や香港と比べて遅れている。だが、台湾の市民社会は徐々に改善され、自己認識を強めている。これは、香港の市民社会と政府機関が中国共産党と大陸人の侵食の下で大きく後退しているのとは対照的である。」[2]。
台湾の「ひまわり運動」には香港人からのFacebookメッセージが多数寄せられたうえ、香港のニュース報道を席巻し、この運動を支持、共感する香港人の主な表現を表した[4][5]。しかし、香港中文大学学生連合会の会長である張秀賢は、「今日の台湾、明日の香港」の標語は2014年に台湾で起きた「ひまわり運動」のスローガンから派生したもので、、台湾人が香港の現状を警告として挙げた後は、香港の社会運動が「今日の台湾、明日の香港」になる可能性がかなり高いと考えており、香港は台湾の「ひまわり運動」をモデルにして、占拠の準備をすることができるとしている。 ひまわり運動の原因となった「海峡両岸サービス貿易協定」は、香港人に中国本土・香港経済連携緊密化取決め(CEPA)に対する負の感情を思い出させ[6][7]、香港を台湾の先例にしてしまった[8]。
大公報は、香港の野党が(台湾のひまわり運動をモデルに)「今日は台湾、明日は香港」と言って、香港の立法会を占拠すると脅したと報じた[9]。曾志豪は、香港を示範部隊に例え、本土の所有者に取り戻された後、本来の人権、自由、法治の掛け軸を「社会主義中国を愛する」というスプレーペイントに変え、「台湾は過去の香港に影響を与える示範部隊になり」、香港人は自分たちで戦い、「今日の台湾、明日の香港」になることを期待していた[10]。
同年、香港では2014年香港佔領立法會事件が発生した[11]。
一方、蔡英文は2019年-2020年香港民主化デモを追い風にした喪に関わらず香港人の亡命者の受け入れに消極的なことには香港人から批判の声もある[12]。
今日のウクライナ、明日の台湾
[編集]2022年ロシアのウクライナ侵攻が起こると、「今日のウクライナ、明日の台湾」(繁体字中国語: 今日烏克蘭,明日台灣)という言葉もまた、台湾のネット上で広がりを見せた[13][14][15][16]。これは、ひまわり学生運動で使われた「今日の香港、明日の台湾」に由来する。中華民国総統の蔡英文はこの論調を受け、米台関係と米宇関係の違いなどを挙げた上で「ウクライナと台湾は違う」と強調するに至った[17][18][19]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ AMY CHANG CHIEN (2019年8月21日). “香港“反送中”催化台湾社会红色恐惧” (中国語). 纽约时报中文网. 2019年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月28日閲覧。
- ^ a b 「今日香港,明日台灣」的30年變遷 アーカイブ 2016年9月16日 - ウェイバックマシン〝香港回歸快17年了。這17年,台灣走在民主道路上,跌跌撞撞,政治上政黨輪替,似乎乏善可陳,經濟上看來也落後於大陸與香港,但台灣原來匱乏的公民社會倒是逐步走向完善,人民的自主意識和愛護自己家園的觀念越來越強。大陸經濟起飛,但社會越趨潰敗,人民的自私貪婪、只顧自己不顧社會,已發展到見死不救見危不扶的極冷酷的地步。香港在中共和大陸人的侵凌下,也從良好的公民社會大倒退,廉署、警隊和相當部份的政府機構在政治干預下選擇性執法,受尊重的專業精神受政治衝擊,核心價值不斷受挑戰,奮發自強的香港精神變成絕望與無力感,滿街擁擠的大陸客及其中的劣質文化,和劉進圖事件,今天我們還可以像30年前那樣說,知識分子講話不會損及自身安全嗎?甚至,如柏楊說的在街道大小便只出現於半夜或人車較少的時候嗎?〞
- ^ “【寰宇追击】今日香港,明日台湾?”. 2014年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月7日閲覧。
- ^ “香港觀察:台灣太陽花和香港豆腐花”. 2014年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月1日閲覧。
- ^ 《視點31》今日香港,明日台灣? アーカイブ 2019年5月10日 - ウェイバックマシン(RTHK31:25/03/2014)
- ^ 張秀賢﹕今日台灣,明日香港?
- ^ 香港觀察:台灣太陽花和香港豆腐花
- ^ “香港台灣原來只是那麼近”. 2014年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月1日閲覧。
- ^ “反對派揚言「今日台灣,明日香港」謀占立會 各界隱憂”. 2019年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
- ^ “也可以是「今日台灣,明日香港」”. 2016年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
- ^ “也可以是「今日台灣,明日香港」”. 2016年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。
- ^ 「台湾に来ている時点で、みんな中国共産党は嫌いなはず。なのに…」台湾亡命中の香港人が蔡英文と民進党を恨む悲しい実情
- ^ “今日乌克兰、明日台湾”掀话题 台防长:自己的国家靠自我防卫 自由亚洲
- ^ “今日乌克兰,明日台湾”?俄乌局势带给台湾人的启示 - 纽约时报中文网
- ^ 今日烏克蘭,明日台灣? 釋昭慧批政客恫嚇台灣人:讓人反感 - 政治 - 自由時報電子報
- ^ 「今日烏克蘭明日台灣」是假訊息 他反酸:那蘇貞昌喊這句話不也是?
- ^ “台湾への波及めぐり論争 ウクライナ侵攻で米の対応注視:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年3月22日閲覧。
- ^ “台湾、中国の「情報戦」に苦慮 対米不信の拡大懸念―ウクライナ危機で議論活発化:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2022年3月22日閲覧。
- ^ “ウクライナ侵攻と「台湾有事」5つの相違点と4つの類似点、日本人が覚悟すべきこと”. ダイヤモンド・オンライン (2022年3月2日). 2022年3月22日閲覧。