人魚姫 (ツェムリンスキー)
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『人魚姫』(にんぎょひめ、独: Die Seejungfrau)は、オーストリアの作曲家アレクサンダー・ツェムリンスキーがアンデルセンのおとぎ話『人魚姫』を基に1902年から1903年にかけて作曲した3楽章からなる交響詩。
楽器編成
[編集]フルート4(フルート3はピッコロ2と、フルート4はピッコロ1と持ち替え)、オーボエ2、コーラングレ、小クラリネット(変ホ)、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット3、ホルン6、トランペット3、トロンボーン4、チューバ、ティンパニ、パーカッション2、ハープ2、弦五部
楽曲構成
[編集]- 第1楽章 - 非常に重々しく
- 暗い海底の描写で音楽は始まり、やがてヴァイオリンのソロで人魚姫の主題が現れる。人魚から見た人間界の楽しげな様子、激しい海の嵐、船の難破と王子との出会いが描かれる。
- 第2楽章 - 大きく動いて、ざわめくように
- 海の魔女の家を訪れる人魚姫の様子と、人間となった後の王子の館での苦しみ、王子の結婚式。
- 第3楽章 - 苦悩に満ちた表現で、広大に
- その後の人魚姫の姉妹達との対話や人魚姫の自殺、天国への救済。物語の描写や標題性よりも交響曲のような純音楽的な展開が重視されている。
参考文献
[編集]- リッカルド・シャイー指揮、ベルリン放送交響楽団のCD (POCL-2583) のライナーノーツ、石田一志による楽曲解説。