人生は死ぬまでの暇つぶし
人生は死ぬまでの暇つぶし(じんせいはしぬまでのひまつぶし)は、人生とは何であるかの概念。
概要
[編集]ブレーズ・パスカルの言葉であると伝えられている。『パンセ』の中に人生は死ぬまでの暇つぶしであるというようなことが書かれており、ここからこの言葉が広まった[1]。池田信夫は、人生とは何かという問いに対して答えは、中学生のときにパンセを読んでからずっと気晴らしであると言っている。パンセの言葉を解釈すれば、人生には意味が無いという事実を忘れるために常に何かをして気を紛らわせるのだという意味になる。パスカルはウサギ狩りを例にとり、狩りというのはウサギを手に入れるために行うのではなく、狩りを行うことによって気晴らしをすることが目的で狩りが行われていると説明する。それ以後の西洋哲学では暇つぶしを考察することが重要なテーマとなる。フリードリヒ・ニーチェのニヒリズムとそれを克服する超人や、カール・マルクスによって求められた労働時間の短縮から暇な時間を拡大することが社会の究極の目的であるという思想に行き着く[2]。
今東光は人生はいかに生きるかという問いに対して、人生とは冥土までの暇つぶしであるため、上等の暇つぶしをしなければならないと述べている。評判を気にして汲々として生きている人には、人生とは嫌われて生きる方が良いと諭す。今東光は迷いの元凶は人生に正解を求める心からであると言い、正しい人生なんてものは無くて、結局はただ生まれて生きてただ死ぬだけのことであるため、どのように生きるかはそれぞれの計らいで良いと述べている。死ぬまでの人生を思うままに生きたらよいとして、空々寂々な人生を否定する[3]。
堀江貴文は人生は壮大な暇つぶしであると言っている。今の時代は昔のような生きるために働くという時代を超越した時代であるため、このような時代に豊かな人生を送るためには、様々な遊びを全力ですることが大切であると語っている[4]。
西村博之も人生は死ぬまでの暇つぶしであると言っている[5]。2022年に西村博之の名言を集めた書籍が出版され、この書籍ではこの言葉も名言として紹介されている[6]。
立川談志は人生は死ぬまでの暇つぶしという言葉を残してこの世を去った[7]。立川談志の娘である松岡ゆみこは、この言葉は父の了見を表す言葉であるとして、こういう父の基準を了見に生きていこうと父が死んだときに真っ先に決めたという[8]。
脚注
[編集]- ^ Yuichi (2023年2月11日). “「人生は死ぬまでの暇つぶし」って本当?哲学的な見解や名言、後悔なく生きる方法を解説”. 本当の働き方さがし. 2024年2月4日閲覧。
- ^ 信夫, 池田 (2012年2月26日). “暇つぶしという重要な問題 - 『暇と退屈の倫理学』”. アゴラ 言論プラットフォーム. 2024年2月4日閲覧。
- ^ “天才たちが発した「生きる希望が湧く」7名言”. 東洋経済オンライン (2021年5月9日). 2024年2月4日閲覧。
- ^ “【堀江貴文】人生は壮大な暇つぶし!豊かな人生を送るために「遊び」を全力でやろう | JBpress (ジェイビープレス)”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2024年2月4日閲覧。
- ^ “ひろゆき指摘「幸せになれない人」の残念な考え方”. 東洋経済オンライン (2022年7月13日). 2024年2月4日閲覧。
- ^ ““ひろゆき語録”が本に 「それって、あなたの感想ですよね?」など100フレーズを収録”. ITmedia NEWS. 2024年2月4日閲覧。
- ^ 鈴木靖子 (2014年11月15日). “娘が語る亡き父・立川談志への思い――落語立川流一門による『談志まつり』が今年も開催”. 日刊SPA!. 2024年2月4日閲覧。
- ^ “立川談志の娘・松岡弓子さんが「父はあのまんまでブレない人」と振り返る”. AERA dot. (アエラドット) (2012年9月26日). 2024年2月4日閲覧。