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京阪13000系電車

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
京阪13000系から転送)

京阪13000系電車
特急の運用についた13024F 大和田駅
基本情報
運用者 京阪電気鉄道
製造所川崎重工業→)
川崎車両
種車 京阪3000系(13850形)
製造年 2012年 -
製造数 113両
(2022年4月1日現在[1]
改造数 6両(13850形)
運用開始 2012年4月14日
主要諸元
編成 4両編成(0番台)
7両/8両編成(20番台)
6両編成(30番台)
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1500 V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 2.8 km/h/s
減速度(常用) 4.0 km/h/s
減速度(非常) 4.3 km/h/s
編成定員 530人(4両)
804人(6両)
941人(7両)
1078人(8両)
車両定員 先頭車:128人
中間車:137人
自重 Mc:36.0 t, 36.5 t
M: 34.5 t
T:25.5 t - 28.5 t
全長 先頭車:18,900 mm
中間車:18,700 mm
全幅 2,792 mm
全高 先頭車:4,195 mm
中間車:4,116 mm
車体 アルミニウム合金efACE
台車 電動車:川崎重工業KW-77D 軸梁式ダイレクトマウント式空気ばね台車
付随車:住友金属工業FS577 モノリンク式ダイレクトマウント空気ばね台車
主電動機 かご形三相誘導電動機
TDK6151-C
主電動機出力 200 kW
駆動方式 TD平行カルダン駆動方式[2]
歯車比 6.07
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
制御装置 東洋電機製造
RG6004-A-M
保安装置 K-ATS
備考 軌条塗油装置(曲線検知、シーケンサ制御・13501号車のみ)・ホーム検知装置・運転状況記憶装置・自動放送装置・転落防止放送装置を搭載
都市型ワンマン運転に対応
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京阪13000系電車(けいはん13000けいでんしゃ)は、2012年平成24年)から京阪電気鉄道(京阪)が導入している通勤形電車である[3]

概要

本系列は、京阪線の通勤車として運用されている2200系2600系0番台5000系の置き換え[注 1]を目的に導入された[3]製造は川崎重工業および2021年令和3年)以降分社化された川崎車両が担当する。2002年および2006年に導入された10000系ならびに2008年に導入された2代目3000系をベースに開発された。京阪電鉄で導入される新造車は2代目3000系以来、4年ぶりとなる。

2012年以降、宇治線交野線向けの4両編成が投入され、2014年からは京阪本線鴨東線中之島線向けの7両編成も投入された。さらに2021年からは6両編成も投入された。

アルミ合金製の車体とVVVFインバータ制御の採用により、2600系との比較で約35 %消費電力削減が、また、2600系20両を代替することにより、運転用全体で約1 %消費電力の削減が実現する見込みである(20両で年間約60万立方メートルCO2排出を削減)。

2022年現在、京阪に在籍する系列の中では113両と最多の車両数(次点は6000系の112両)を有する[4]

製造

1次車

2012年3月12日から14日にかけて寝屋川車庫に13001Fが搬入され[5][6]、3月26日より試運転が実施された[7]4月14日中之島駅宇治行き臨時列車で営業運転を開始した[8][9]ワンマン運転にも対応しており、交野線においては運用開始当初よりワンマン運転を実施[10]し、宇治線でも2013年6月1日よりワンマン運転が開始された[11]。同年7月までに、13005Fまでの4両編成5本が落成した[12]

2次車

2013年度以降も旧型車両の置き換えとして増備されることとなって[13]、2014年3月には6編成目となる13006F(4両編成)が落成した[14]。続いて4月には20番台の車両番号を付された本線用の7両編成の13021Fが落成し[14]、同年5月末より京阪本線中之島線鴨東線で営業運転を開始した[15]。続いて、同年7月末には13022Fも導入された[16]。本線用の7両編成の通勤車は1995年の7200系以来、19年ぶりの導入である[注 2]。2次車からは前照灯および室内照明灯にLEDを採用し、更なる消費電力削減を図っている[17]

3次車

2016年7月に、4両編成では7編成目(7両編成を含めると9編成目)となる3次車の13007Fが製造された。ドアの開閉の音がより静かになり、LED式室内照明灯の形式変更、座席下の機器改良がされた。続いて、同年8月には本線用の7両編成では3編成目となる13023F、同年9月には7両編成では4編成目となる13024Fが竣工している[18]。さらに、同年度中に7両編成では5編成目となる13025Fも竣工している[19]

4次車

2018年度には7両編成2本の計14両が製造され、4月18日付けで13026Fが、5月22日付けで13027Fが落成した[14]。この2編成の製造は2018年6月15日に京阪が発表した2018年度鉄道事業設備投資計画に含まれている[20]

5次車

2021年度中に京橋駅に設置予定のホームドアに扉の位置が合わない5000系の置換えを目的とし[21]、2020年度に6両編成4本、2021年度に6両編成2本の計36両を新造した[1]。6両編成には30番台の車両番号が付与された[22]。5次車からは扉上部に戸挟み検知装置が新設され、車内には防犯カメラ(1両あたり3か所)や、扉上部に広告用デジタルサイネージ(1両あたり3か所)が設置される[23]。広告用デジタルサイネージについては20番台や6000系にも2022年までに設置予定である。また、京阪線の通勤車では初のシングルアーム型パンタグラフが採用された。

6次車

2024 - 2025年度に18両の導入が予定されている[24]

7次車

2025 - 2026年度に49両の導入が予定されている[24]

編入車

3000系プレミアムカーを新造し組み込んだ代わりに編成から外されて運用を離脱していた中間車3750形6両が本系列に編入され、13850形へと改番された。2023年6月29日に、元3751号車が13871号車へと改番のうえ、13771号車と入れ替えの形で13021Fに組み込まれ営業運転に復帰したのを最初として、13022F以外の20番台6編成に順次組み込まれた。本系列に合わせた塗装変更や、ドアチャイムの追加などの改造は行われているものの、座席は3000系時代と同様のセミクロスシートとなっている[25][注 3]

車体

車体は大型中空押出材によるセミダブルスキン構体を採用したアルミ合金製で、一部摩擦攪拌接合を用いた箇所がある。台車はダイレクトマウント式空気ばね台車を採用している。また、前面強度の向上やオフセット衝突への対策など、車体強度の向上も行われている[3]

外観は、2代目3000系で採用された「風流の今様」のデザインコンセプトを継承する。京阪電鉄の一般車として、製造当初から新塗装(シティ・コミューター、)を纏っているのは本系列が初である[注 4]

エクステリアデザインとして、「風流の今様」を具現化するモチーフとしての「スラッシュ・ムーン」という円弧形状に加え、コーナーにエッジを持たせた「ウェッジシェイプ」というテーマを導入し、通勤車らしい軽快感を演出する[3]

13000系は柔軟な組成変更に対応できる構造となっている。13001F - 13007Fは他の編成と併結可能な仕様となっており、奇数編成の淀屋橋方先頭車と偶数編成の出町柳方先頭車は車体正面裾部とスカートに切り欠きがあるほか、併結時に先頭部に幌座・幌を取り付けることで車内の通り抜けも可能となる[26]

内装

インテリアには外観との調和を考慮して「京都らしさ」をイメージした墨色を取り入れ[27]、京都の石畳をイメージした床面のほか、つり革ストラップ、座席の背ずり、袖仕切りを墨色、つり革の握りと座布団を萌黄色とし、背ずりの円弧模様や袖仕切りの縁に橙色を配し、アクセントとしている。座席構造はロングシートで、1人あたりの座席幅470 mmバケットシートが採用されている[3]

自動音量調整機能つき自動放送装置を搭載しており、特急・通勤快急・快速急行運用においては日本語英語アナウンスを実施することが可能(現在はタブレット端末により全列車で多言語放送可能)。また、バリアフリー対応として車椅子スペース転落防止外ほろ誘導鈴、扉開閉予告灯が設置され、荷棚の高さは従来車両よりも20 mm低い1,750 mm、優先座席部は従来より50 mm低い1,720 mmとしている。さらに、京阪の車両では初めて弱視利用者向けに配慮して客用扉の端部と出入口の足元にオレンジ色のラインが配されている[27]。なお、客室照明蛍光灯カバーが10000系10004F以降同様に省略されている。

安全性向上のため、万一の事故時や急ブレーキ時に、乗客同士や車内設備との衝突で怪我をすることを防ぐよう、握り棒手摺)の増設と座席端部の袖仕切が大型化されている[3]

サービス向上として、除湿機能を備えた全自動空調装置LCD車内案内表示器も設置される[3][注 5]。また、腰掛は足元の空間を広げるために京阪では初めて片持ち式を採用した。車端部のみは情報関係などの機器を収納するため、従来の脚台式となっている。

車内妻面に掲出されている車両番号・落成年・「Kawasaki」ロゴ・禁煙ピクトグラムは、2代目3000系や8000系更新車同様、すべて1枚のステッカーにまとめられているが、号車番号は省略されている。

2014年に製造された13006F・13021F以降は従来の戸閉予告ブザーに加えて、2打式ドアチャイム(JR西日本の通勤・近郊・特急形電車と同一の音)が追加[17]、室内灯はすべて蛍光灯型LED照明に変更され、その消費電力は従来の半分以下に削減されている[28]

また、2021年1月22日から順次デジタルサイネージ用18.5インチフルHD対応LCDの設置が開始された(0番台を除く)[29]

機器

台車は、電動車には川崎重工(現・川崎車両)製、付随車には住友金属工業(現・新日鐵住金→日本製鉄)製の空気ばね台車が採用されている。

制御装置には、2代目3000系車両と同型の2レベルVVVFインバータ(IGBT素子)装置が採用されている。

4次車までは廃車車両から流用した下枠交差型パンタグラフ(架線との摩擦摺動により発生する走行騒音を低減させるためのCFRP製のパンホーンが追加で搭載された)だったが、5次車においては新造品のシングルアーム型パンタグラフが採用されている。

自動列車停止装置(ATS)については、京阪型速度照査ATSから多情報連続制御式ATS「K-ATS」へ全線において更新を行ったため、ATS車載器は、旧型の機能も備えた新型の装置が搭載されている[30]

2017年よりヘッドライトのLED化が行われており、現在では全編成のLED化が完了した。2次車以降は登場時よりLEDであるが、13021Fについては前照灯がシールドビームで試運転されていたことがある。

運用

現在、4両編成(0番台と一部の20番台)は宇治線・交野線で、6両編成(30番台)、7両・8両編成(20番台)は京阪本線・鴨東線・中之島線で運用されている。

2012年4月14日に第1編成(13001F)が運用開始し、同年7月13日には4両編成5本がそろい、2600系4両編成は宇治線の定期運用から離脱した[31]

2013年6月1日から宇治線でワンマン運転が開始されたことにより、13000系は10000系と共通運用となったため、交野線にも入線する[32]。支線運用時は種別及び行先は自動更新される。

2014年3月末より2次車の13006Fが運用を開始し、更に同年5月30日より本線用の13021F(7両編成)が運用を開始した[33]。7両編成の20番台は全編成が中間車3両を外した4両編成で運用可能であり、またそれを考慮して本線用でありながらワンマン運転機能を有していることから、2015年7月23日には13021Fが宇治線で、翌24日には交野線で0番台と同様の4両編成として運用された[34]。以降も20番台が4両に短縮され、宇治線・交野線で運用されることがある。

なお、2600系2623F(4両編成)が2015年7月をもって廃車となり、宇治線・交野線での使用車両は基本的に10000系と13000系の2形式に統一された。

7両編成のため原則特急運用に充当されることはないが、2017年頃から行楽シーズンの臨時列車で7両編成の臨時特急が運転されることがあり、この臨時特急には本系列が充当されることがある。また8000系が2016年から2017年にかけて中間車1両の「プレミアムカー」への改造のため7両編成で運用されていた時期には、8000系の運用の状況によって13000系7両編成が定期運用の特急に代走で運用されることがあった。

2017年以降、一時的に7両編成のうち1両が他の7両編成の中間に組み込まれ、8両編成が組成されることがある[35]。中間車1両を抜いた残りの6両は2両を半端車とした上で4両編成として運用されることが多い。8両編成となった編成は6000系9000系9005Fと共通運用するため、特急や深夜急行など7両編成では見られない種別での運用も見られる。なお、8両に組成される編成は一定期間おきに変更される。

編成表

2023年7月1日現在

4両編成
交野線
← 私市
枚方市 →
宇治線
← 宇治
中書島 →
形式 13000形 13500形 13650形 13050形 竣工
区分 Mc1 T0 T1 Mc2
車両番号 13001 13501 13651 13051 2012年3月26日
13002 13502 13652 13052 2012年5月25日
13003 13503 13653 13053 2012年6月8日
13004 13504 13654 13054 2012年6月26日
13005 13505 13655 13055 2012年7月10日
13006 13506 13656 13056 2014年3月8日
13007 13507 13657 13057 2016年7月11日
6両編成
← (京都)三条・出町柳
(大阪)淀屋橋・中之島 →
形式 13000形 13500形 13700形 13150形 13550形 13050形 竣工
区分 Mc1 T0 T2 M1 T3 Mc2
車両番号 13031 13531 13731 13181 13581 13081 2021年1月19日
13032 13532 13732 13182 13582 13082 2021年2月10日
13033 13533 13733 13183 13583 13083 2021年3月4日
13034 13534 13734 13184 13584 13084 2021年3月15日
13035 13535 13735 13185 13585 13085 2021年7月2日
13036 13536 13736 13186 13586 13086 2021年9月2日
7両編成
← (京都)三条・出町柳
(大阪)淀屋橋・中之島 →
形式 13000形 13500形 13700形 13150形 13550形 13750形 13050形 竣工
区分 Mc1 T0 T2 M1 T3 T4 Mc2
車両番号 13022 13522 13722 13172 13572 13772 13072 2014年7月24日
7両編成(編入車組込み編成)
13850形:3000系3750形からの編入車
← (京都)三条・出町柳
(大阪)淀屋橋・中之島 →
形式 13000形 13500形 13700形 13150形 13550形 13850形 13050形 竣工
(編入車以外)
区分 Mc1 T0 T2 M1 T3 T4 Mc2
車両番号
(旧番号)
13021
 
13521
 
13721
 
13171
 
13571
 
13871
(3751)
13071
 
2014年4月23日
13023
 
13523
 
13723
 
13173
 
13573
 
13873
(3753)
13073
 
2016年8月25日
13024
 
13524
 
13724
 
13174
 
13574
 
13874
(3754)
13074
 
2016年9月20日
13025
 
13525
 
13725
 
13175
 
13575
 
13875
(3755)
13075
 
2017年3月28日
13026
 
13526
 
13726
 
13176
 
13576
 
13876
(3756)
13076
 
2018年4月18日
13027
 
13527
 
13727
 
13177
 
13577
 
13877
(3752)
13077
 
2018年5月22日
半端車
形式 13750形 竣工
区分 T4
車両番号 13771 2014年4月23日
13773 2016年8月25日
13774 2016年9月20日
13775 2017年3月28日
13776 2018年4月18日
13777 2018年5月22日

脚注

注釈

  1. ^ 当初は、2200系と2600系0番台のみを置き換え対象としていたが、後にホームドア導入の計画が進むと5000系も対象に加わった。
  2. ^ その間、製造された10000系は交野線、宇治線の支線向けの4両編成、9000系と2代目3000系は、特急・快速急行などの優等列車を運用の主体とする8両編成で導入された。このほか8000系のダブルデッカー車8800形10両も製造され、特急の8両編成化が行われた。後に9000系と10000系は一部の編成が7両編成化された。
  3. ^ 京阪線の通勤車において転換クロスシート装備となるのは本形式が初めてとなる。大津線では800系の先頭車が固定クロスシートを装備している。
  4. ^ 2代目3000系(と白)は現在は主に特急快速急行など優等列車を重点に運用されているため、純然たる一般車としては当系列が初となる。
  5. ^ 京阪の車両では2代目3000系、8000系に続き3系列目の設置となる。

出典

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参考文献

  • 京阪電気鉄道(株)車両部技術課「京阪電気鉄道13000系電車」、『鉄道ジャーナル』2012年5月号(通巻547号)、鉄道ジャーナル社、 pp. 90 - 92。
  • 『鉄道ファン』
    • 2012年6月号(通巻614号)「新車ガイド3」京阪電気鉄道13000系電車。
    • 2016年11月号(通巻667号) 私鉄通勤形電車シリーズ化と個性、pp.44 - 45。

関連項目

外部リンク