京都教育大学集団準強姦事件
京都教育大学集団準強姦事件(きょうときょういくだいがくしゅうだんじゅんごうかんじけん)は、京都教育大学の男子学生6人が2009年(平成21年)2月25日に起こした事件。
本事件により、京都教育大学の学長であった寺田光世が辞任、男子大学生6人は無期停学処分、所属していた部活動は無期限活動停止・部長及び監督が解任となるなどの影響が出た。男子大学生らは処分無効を求める訴訟を起こしたが、京都地方裁判所及び大阪高等裁判所は女子学生の同意があったとしつつも「道徳的には非難に値する行為」「教員養成系大学の社会的責任として合理的な裁量の範囲内」として処分は有効とした。
事件の経緯
[編集]2009年2月25日の夜、京都市内の居酒屋で京都教育大学の学生によるコンパが開かれた[1]。捜査関係者によると、6人の学生らがコンパで泥酔状態になった女子学生を空き部屋で集団暴行したとされる。
2009年6月1日、京都府警察は男子学生6人を集団準強姦容疑で逮捕[1]。それぞれ陸上競技部、アメリカンフットボール部、サッカー部、ハンドボール部に所属していた。これらの部活動は無期限活動停止、部長および監督を解任とした[2]。
同年9月7日、京都教育大学の学長であった寺田光世は、この事件の責任を取る形で辞意を表明。寺田は前日に開かれた大学の経営協議会で、大学の社会的信頼を大きく損ねた責任は自分にあるとして辞任すると述べていた[3]。
同日にはこの事件を受けて京都教育大学サッカー部は関西学生サッカーリーグ2部リーグBブロック後期への出場を辞退。これにより次期は3部に降格した[4]。
後に示談が成立し、4人の男子学生は不起訴処分となった。これらの学生は無期停学処分の無効確認を求めた訴訟を起こした。
2011年7月15日、京都地方裁判所の一審では女子学生の明確な同意があったことを認め、処分を無効とする判決がなされた。4人を含む6人の無期停学は解除された。
2012年7月20日、大阪高等裁判所の控訴審において、一審の認定事実については追認された一方、「道徳的には非難に値する行為」「処分は教員養成系大学の社会的責任として合理的な裁量の範囲内」として、男子学生の請求は退けられた。なお大学のHPに加害者として掲載されたことに対する慰謝料については1人当たり10万円が認められた[5]。
脚注
[編集]- ^ a b “京都教育大生の集団準強姦 上級生が主導的役割”. インターネットアーカイブ. 2022年2月28日閲覧。
- ^ “大学スポーツにおける 不祥事を法的に分析する”. スポーツ法政策研究会. 2009年2月28日閲覧。
- ^ “「社会的信頼大きく損ねた」京都教育大の学長が辞意”. インターネットアーカイブ. 2022年2月28日閲覧。
- ^ “京教大が集団準強姦事件でリーグ戦を辞退”. 日刊スポーツ新聞社. 2022年2月28日閲覧。
- ^ “無期停学無効、二審は認めず 集団暴行不起訴の京都教育大学生”. 日本経済新聞 (2012年7月21日). 2022年5月10日閲覧。