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交響管弦楽のための音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響管弦楽のための音楽(こうきょうかんげんがくのためのおんがく、Musica per Orchestra Sinfonica)は、芥川也寸志1950年に作曲した管弦楽曲[1]。演奏時間は約9分[2][3]

作曲の経緯等

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NHK放送25周年記念事業の懸賞募集管弦楽曲応募作として作曲[1]、1950年2月20日に完成された[2]。審査の結果、團伊玖磨交響曲第1番とともに特賞入賞し、作曲者の出世作となった[2][4]

初演

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1950年3月21日日比谷公会堂にて近衛秀麿指揮日本交響楽団により初演[1]。なお、1955年に来日したシンフォニー・オブ・ジ・エアにより採り上げられ[2]後楽園球場でのNHK交響楽団との合同野外演奏の模様がニュース映画として残されている[5]

編成

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ピッコロフルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴット
ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ
ティンパニバスドラムスネアドラムシンバル
弦五部

構成

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二楽章構成。

第1楽章 Andantino

三部形式。スネアドラム、チェロ、ファゴットにより単調なリズムが刻まれる中、オーボエ、クラリネットが断片的だが軽妙な主題を奏し、これに弱音器付きのトランペットが応答する。続いて、ホルンに導かれてヴァイオリンが細かな動きの主題を奏する。中間部に入ると、コールアングレにより哀しげなメロディが奏され、徐々に他の楽器に広がる。やがて曲の冒頭の感じに戻り、同様に進行して終わる。第2楽章は続けて奏される。

第2楽章 Allegro

ロンド形式。おおまかな構成はA-B-A-C-B-A-C-B。シンバルの一撃後、トランペットとトロンボーンにA主題が強奏で現れ、続いて全楽器で奏される。B主題は木管で開始される軽妙なもの。再度A主題が低弦に登場、全合奏された後、三連音を含むC主題が弦楽器で奏される。B主題が続いて奏された後、A主題が弱音でトロンボーン、弦楽器に登場、急激に盛り上がり、変拍子も交えたクライマックスを形成する。全休止の後、低音によるC主題、B主題の順に登場、決然と終わる。

参考文献

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脚注

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  1. ^ a b c 現代日本の管弦楽作品表〈1912〜1980〉(『フィルハーモニー』特別号(53巻9号)) NHK交響楽団、1981年9月, pp52-53
  2. ^ a b c d 石田一志「芥川也寸志 交響管弦楽のための音楽」『最新名曲解説全集7 管弦楽曲IV』(音楽之友社, 1980, pp429-431)
  3. ^ 「現代日本の管弦楽作品表」および全音楽譜出版社のミニアチュアスコアでは、約12分となっている。
  4. ^ 後にテレビコマーシャルでも編曲された第2楽章の一部が演奏された。
  5. ^ この時の指揮者ソーア・ジョンソン(Thor Johnson , 1913 - 1975)によりアメリカでも盛んに演奏され、楽譜も出版された。
  6. ^ 全音楽譜出版社 2021年12月9日閲覧。