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亜酸化銅太陽電池

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

亜酸化銅太陽電池(あさんかどうたいようでんち)とは亜酸化銅を使用して光から電気に変換する太陽電池

概要

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亜酸化銅(Cu2O)はバンドギャップ約2.1eVをもつ半導体であり、通常P型の導電性を示す。亜酸化銅整流作用があることは古くから知られており、シリコン整流器が登場する前は整流素子として使用されたり、ラジオの検波器として使用されていた。比較的容易に作れる[1]。亜酸化銅太陽電池には電気化学式太陽電池酸化物半導体による太陽電池の2種類がある。変換効率は2006年までは2%未満だったが、近年では5.09%まで上昇した[2]。一時期、変換効率は2%未満で頭打ちになり、研究、開発は下火になっていたものの、資源的な制約が無く、低コストで製造できるため、近年、再び脚光を浴びつつある。

原理

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亜酸化銅と電解質との界面(ショットキー接合)に光を照射する事で発電する。

特徴

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  • 従来のシリコン系太陽電池よりも低コストで製造可能[3]
  • 変換効率は5.09%程度[4]
  • 主原料の資源の偏在が無く豊富で安価[3]
  • 希少金属(レアアース)を一切使用しない[3]
  • 曲げることで応力を発生させると変換効率が上がるという報告がある[5]

脚注

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  1. ^ 太陽電池を自作してみる”. 2018年12月12日閲覧。
  2. ^ 酸化物半導体である亜酸化銅を採用する高効率ヘテロ接合太陽電池に関する研究” (PDF). 2018年12月13日閲覧。
  3. ^ a b c 低コストで高効率の新型太陽電池を開発 南、宮田両教授の研究グループ”. 2018年12月12日閲覧。
  4. ^ 金沢工大、亜酸化銅基板で太陽電池のエネ変換効率5.09%に向上”. 2018年12月12日閲覧。
  5. ^ 祖山均, 土永誠. "202 曲げ応力負荷による亜酸化銅の光起電力の特性 (材料力学 I)." 東北支部総会・講演会 講演論文集 2004.39. 一般社団法人 日本機械学会, 2004.

参考文献

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  • Trivich, Dan, Edward Y. Wang, and Richard J. Komp. Cuprous oxide photovoltaic cells. Department of Energy, 1976.
  • Olsen, L. C., F. W. Addis, and W. Miller. "Experimental and theoretical studies of Cu2O solar cells." Solar cells 7.3 (1982): 247-279.
  • 祖山均, 棚瀬良太. "210 亜酸化銅の光起電力に及ぼす基板の曲率の影響." 日本機械学会東北支部秋季講演会講演論文集 2003.39. 一般社団法人 日本機械学会, 2003.
  • 西 祐希. "酸化物半導体である亜酸化銅を採用する高効率ヘテロ接合太陽電池に関する研究."
  • 伊崎昌伸, 品川勉. "CIGS ならびに酸化物系化合物太陽電池と湿式製膜法." 表面技術 59.3 (2008): 161-161, doi:10.4139/sfj.59.161
  • 西祐希, et al. "高効率 ZnO/Cu_2O ヘテロ接合太陽電池の作製." 電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス 111.110 (2011): 35-39, NAID 110008746475
  • 松尾亮佑, 徳悠葵, 森田康之. "GS0705-431 コアシェルナノワイヤを用いた亜酸化銅太陽電池の作製および評価." M&M 材料力学カンファレンス 2015. 一般社団法人 日本機械学会, 2015.
  • 小野慎司, et al. "創造実習における太陽電池の作製の取り組みについて." 研究紀要 52 (2016): 19-21.

関連

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外部リンク

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