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亜リン酸トリメチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
亜リン酸トリメチル
識別情報
CAS登録番号 121-45-9 チェック
PubChem 8472
ChemSpider 8159 チェック
特性
化学式 C3H9O3P
モル質量 124.08 g mol−1
外観 無色液体
匂い 独特の刺激臭[1]
密度 1.052
融点

-78 °C, 195 K, -108 °F

沸点

111 °C, 384 K, 232 °F

への溶解度 反応[1]
蒸気圧 24 mmHg (25°C)[1]
危険性
許容曝露限界 none[1]
関連する物質
関連物質 メチルホスホン酸ジメチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

亜リン酸トリメチル (あリンさんトリメチル、英語: Trimethyl phosphite[2]) は化学式P(OCH3)3と表される有機リン化合物P(OMe)3と略されることもある。無色液体であり、有機金属化学における配位子有機合成における試薬として用いられる。三角錐形をした中心の3価のリン原子に、3つのメトキシ基が結合した構造である。

合成と反応

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市販されているものを購入することも可能だが、三塩化リンから合成することもできる。

Synthesis of Trimethyl phosphite

酸化されてリン酸トリメチルに変化しやすい。

配位子としては、配位子円錐角が小さくトリメチルホスフィンより強いπ受容性を持つ。代表的な錯体として、無色の正四面体型錯体であるNi(P(OMe)3)4(融点108℃)がある[3]Kläui ligandと呼ばれる三座配位子は亜リン酸トリメチルの誘導体であり、この配位子(とそれに続く金属錯体)が形成されやすいことは亜リン酸トリメチルがミカエリス・アルブーゾフ反応を受けやすいことの証左となっている。

有機合成においては穏和な脱硫黄試薬として、テトラチアフルバレン誘導体などの合成に用いられる[4]

脚注

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  1. ^ a b c d e NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0640
  2. ^ A comprehensive guide to the hazardous properties of chemical substances - Pradyot Patnaik - Google Kitaplar
  3. ^ Ittel, Steven D.; Ittel, S. D.; Cushing, M. A.; Baker, R.; Gilbert, R. J.; Madden, D. P. (1990). “Complexes of Nickel(0)”. Inorganic Syntheses. Inorganic Syntheses 28: 98–104. doi:10.1002/9780470132593.ch25. ISBN 978-0-471-52619-3. 
  4. ^ Jan Larsen and Christine Lenoir (1998). "2,2'-Bi-5,6-Dihydro-1,3-Dithiolo[4,5-b][1,4]dithiinylidene (BEDT-TTF)". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 9, p. 72.

外部リンク

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