五郷
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来歴
[編集]鳥文斎栄之の門人。俗名不明、あるいは「五卿」と号したかともいう。また孟城斎と号したといわれる。作画期は天明の末から寛政はじめにかけての頃とされ、作に吉原の遊女を描いた大判の錦絵が知られる。いずれも「栄之門人五郷画」と落款している。
作品
[編集]- 「あふき屋内華人」 大判錦絵 ボストン美術館所蔵 ※ほかに平木浮世絵財団、ベルリン東洋美術館も所蔵
- 「丁子屋錦戸」 大判錦絵 ※「あふき屋内華人」と2枚続になるもの
- 「てう字屋美さ山・松葉屋わかな・あふき屋うちとふ知」(桜下太夫道中) 大判錦絵3枚続 大英博物館所蔵 ※他に平木浮世絵財団も所蔵
- 「玉屋うち小紫・蔦屋内三しう」 大判錦絵2枚続 ボストン美術館所蔵 ※寛政2年(1790年)頃。現在この2枚が知られているが、本来はもう1枚あって3枚続だったかという。他に「玉屋うち小紫」をヴィクトリア&アルバート美術館、「蔦屋内三しう」をブリュッセル王立美術歴史博物館が所蔵
参考文献
[編集]- 菊地貞夫 『浮世絵大系6 歌麿/栄之』 集英社、1975年
- 楢崎宗重ほか 『浮世絵聚花 フォッグ美術館・ネルソン美術館』 小学館、1980年 ※巻末「細田派版画作品目録」
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- セーラ・トンプソン、永田生慈監修 『ボストン美術館浮世絵名品展 錦絵の黄金時代―清長、歌麿、写楽』 日本経済新聞社、2010年 ※展覧会図録