五菱・宏光ミニEV
宏光 ミニ EV(Wuling Hongguang Mini EV)は、上汽通用五菱汽車が生産・販売する電気マイクロカーである。
概要
[編集]五菱・宏光ミニEV | |
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概要 | |
別名 | Freze Nikrob EV[1](ヨーロッパ) |
製造国 | 中華人民共和国 |
販売期間 | 2020年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 3ドアハッチバック |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
最高出力 | 20 kW |
最大トルク | 85 N⋅m |
車両寸法 | |
ホイールベース | 1,940 mm |
全長 |
2,917-2,920 mm |
全幅 |
1,493 mm 1,520 mm (Game Boy) 1,521 mm (Urban Windchaser / Racing Ranger) |
全高 |
1,621 mm 1,659–1,665 mm (Game Boy) 1,649 mm (Urban Windchaser) 1,604 mm (Racing Ranger) |
車両重量 | 665-705 kg |
その他 | |
最高速度 | 100 km/h |
バッテリー容量 | 9.3 kWh/13.9 kWh/13.8 kWh |
2020年6月23日に詳細を発表し[2]、同年7月より販売開始[3]。廉価グレード「轻松款」は2万8,800元(約45万円)、中間グレード「自在款」は3万2,800元(約51万円)、エアコンが装備される上級グレード「悦享款」は3万8,800元(約60万円)という安さ[4]と全長2,917mm、全幅1,493mmというコンパクトなボディサイズが特徴の電気自動車で、メーカーは「人民代歩車(足代わりの車)」と位置付けている[5]。
エクステリアデザインは電気自動車を印象付ける先進的なイメージではなく、シンプルで親しみやすいデザインとなっている[3]。インテリアは樹脂などを使いコストダウンが見受けられるが、日常使いには十分なものに仕上げた[3]。4人分の乗車スペースが確保されている一方、後部座席を収納すると約760Lの荷室が出現する[6]。
廉価・中間グレードでは9.3kWh、上級グレードでは13.9kWhのバッテリー容量を備えるリチウムFe電池を搭載している[3]。充電電圧は220Vで急速充電には未対応。充電時間は廉価・中間グレードで6時間半、上級グレードは9時間である[5]。航続距離は廉価・中間グレードで120km、上級グレードでは170kmとなる。
日本ではアパテックモーターズが2022年3月から市場調査を開始し、2023年の発売を目指している[7]。
宏光 ミニ EV マカロン
[編集]2021年4月、上海モーターショーにて初公開。宏光ミニEVの上級モデルで、LEDヘッドライトやツートン合金ホイールが装備される[8]。ボディカラーはパントンとコラボし、アボカドグリーン、レモンイエロー、ホワイトピーチピンクを揃えた。また、低速歩行者警報や運転席エアバッグなどの安全装備も充実している。「时尚款」はバッテリー容量9.3kWhで価格は3万7,600元、「臻享款」はバッテリー容量13.8kWhで価格は4万3800元。
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Macaron
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Macaron
宏光 ミニ EV カブリオ
[編集]2021年4月、上海モーターショーにてコンセプトモデルを初公開[9]。折りたたみ式ソフトトップを備えるオープンモデルで2022年9月より中国で販売が開始された[10]。
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Cabrio(コンセプト)
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Cabrio(コンセプト)
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Cabrio
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Cabrio
宏光 ミニ EV ゲームボーイ エディション
[編集]2022年4月、エクステリアデザインを変更した特別仕様車として「ミニ EV ゲームボーイ エディション(Mini EV GameBoy Edition)」が販売開始された[10][11]。
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ゲームボーイ エディション
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ゲームボーイ エディション
フリーズ ニクロブ(Freze Nikrob)
[編集]中国国外では、ラトビアに拠点を持ち高性能装甲車などを手掛けるダーツ(Dartz)がヨーロッパ向けに販売を行う[12]。上汽通用五菱汽車からの技術や部品の提供をもとにダーツが組み立て、「Freze Nikrob EV」の名称が使用される。
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フリーズ ニクロブ
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フリーズ ニクロブ
販売状況
[編集]中国では、2020年11月に33,904台を販売し、中国国内の電気自動車販売ランキングでテスラ・モデル3を抜き1位となった[13]。また、2020年内には11万9255台を販売し、テスラ・モデル3に続く2位を記録した[14]。
好調な販売とともに日本メディアでも「50万円EV」として注目が高まっている[15]。
年 | 中国 |
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2020 | 127,651[16] |
2021 | 395,451[17] |
2022 | 404,823[18] |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “中国EV、販売「テスラ超え」 格安で狙う世界市場席巻”. 日本経済新聞 (2021年4月25日). 2021年6月5日閲覧。
- ^ “名副其实“人民代步车”,宏光MINIEV配置信息曝光” (中国語). wuling (2020年6月23日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ a b c d “中国でテスラ超えの大ヒット! 激安EV「宏光ミニ」をなぜ日本メーカーは作れないのか!?”. ベストカーWeb (2021年1月18日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ “中国で大人気の電気自動車「宏光MINI EV」とは ?”. MOBILITY TRANSFORMATION (2021年5月6日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ a b “10万台が爆売れした電気自動車の実力とは? 中国産・45万円の「宏光ミニEV」に乗ってきた!”. HARBOR BUSINESS Online (2020年12月27日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ “中国で一番売れている小型電気自動車…約48万円の「宏光MINI EV」を見てみよう”. BUSINESSINSIDER (2021年5月12日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ “中国で大人気の小型EV「宏光MINI」、23年春にも日本上陸へ 65万円から | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア” (2022年10月29日). 2022年10月29日閲覧。
- ^ “New Wuling Hong Guang MINI EV Macaron Launches In China” (英語). GMAuthority (2021年4月21日). 2021年6月4日閲覧。
- ^ “2021 Auto Shanghai: Wuling Hong Guang MINI EV Cabrio” (英語). INSIDEEVs (2021年4月21日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ a b “Wuling Launches Hong Guang MINIEV Cabrio in China” (英語). GM (2022年9月26日). 2023年11月8日閲覧。
- ^ “GM’s All-New Wuling MINI EV GameBoy Edition Revealed” (英語). GMAuthority (2022年3月3日). 2023年11月8日閲覧。
- ^ “Meet The Dirt Cheap Dartz FreZe, The Most Affordable EV In Europe” (英語). CARSCOOPS (2021年2月3日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “China November 2020” (英語). EV Sales (2020年12月24日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “China December 2020” (英語). EV Sales (2021年1月21日). 2021年6月9日閲覧。
- ^ “50万円でクルマが買える? 中国EV市場で今、起きていること”. 日本放送協会 (2021年4月30日). 2021年7月17日閲覧。
- ^ “China: Wuling Hong Guang MINI EV Amazes With 35,000+ Sales In December” (英語). InsideEVs (2021年1月6日). 2023年11月8日閲覧。
- ^ “China: Wuling Hong Guang MINI EV Sets Massive Sales Record” (英語). InsideEVs (2022年1月14日). 2023年11月8日閲覧。
- ^ “乘联会发布 2022 年中国市场汽车销量榜” (中国語). auto.sina.com.cn (2023年1月12日). 2023年11月8日閲覧。