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中村惕斎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『先哲像伝』より

中村 惕斎(なかむら てきさい、寛永6年2月9日1629年3月3日〉 - 元禄15年7月26日1702年8月19日〉)は江戸時代前期の儒学者本草学者。名は之欽(しきん)。字は敬甫。通称は七左衛門、仲二郎。

生涯

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京都呉服屋の子として生まれる。7、8歳で句読を授かり、読書を好み物価や世事にうとく、かつ市中の騒がしさを嫌って家業を顧みなかった[1]。店が零落しても意に介さず学問に専心した。ほぼ独学で朱子学を修め、天文・地理度量衡音律の蘊奥を究め、当時その学識は伊藤仁斎と比較され、兄たり難く弟たり難しと評された。門弟としては、菊池黄山加藤艮斎増田立軒(増益夫)がいる。

礼儀・徳義を重んじ、かつて家の手代に財を持ち逃げされた時も「我が財のために人を死地に追いやるは不慈」として訴え出なかったという。また、「自ら著書を刻行して名を求むるは恥である」という理由で、著書の大部分は惕斎没後に出版されたという。

大正4年(1915年)、従四位を追贈された[2]

著書・編著

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  • 『四書示蒙句解』27巻
  • 訓蒙図彙
  • 『入学紀綱』
  • 『大学筆記』『中庸筆記』『論語筆記』『孟子筆記』
  • 『詩経筆記』『書経筆記』『周易筆記』『春秋筆記』『礼紀筆記』
  • 『読易要領』
  • 『四書鈔説』12巻
  • 『孝経集解』
  • 『通書筆記』
  • 『西銘筆記』
  • 『三器通考』6巻
  • 『天文考要』4巻
  • 『匠人測景定方図説』
  • 『愼終疏節』4巻・『追遠疏節』
  • 『筆記律呂新書説』3巻
  • 『姫鑑』32巻
  • 『近思録鈔説』『近思録示蒙句解』
  • 『孝経示蒙句解』『小学示蒙句解』『詩経示蒙句解』
  • 『筆記詩集伝』16巻
  • 『太極図説筆記』

脚注

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  1. ^ 原念斎『先哲叢談』平凡社〈東洋文庫〉、1994年、187p頁。 
  2. ^ 田尻佐 編『贈位諸賢伝 増補版 上』(近藤出版社、1975年)特旨贈位年表 p.35

参考文献

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  • 原念斎『先哲像伝』(有朋堂文庫『先哲像伝・近世畸人伝・百家琦行伝』所収、1914年)
  • 原念斎『先哲叢談』(平凡社東洋文庫〉、1994年)