中国=ミャンマー・パイプライン
中国=ミャンマー・パイプライン(ちゅうごく=ミャンマー・パイプライン、中国語: 中缅油气管道、英語: Sino-Myanmar pipelines)は、中国南西部とミャンマーを結ぶ原油と天然ガスのパイプラインである。全長は793kmで、ミャンマーのラカイン州チャウピューを起点とし、6つのステーションとプロセス設備があり、ラカイン州、マグウェ地方域、マンダレー地方域、シャン州を経て、ナムカム(南坎)から中国雲南省瑞麗に入る。2013年7月に天然ガスパイプラインが中国へのガスの供給を開始し[1][2]、2017年には石油パイプラインが開通した[3]。
概要
[編集]中国=ミャンマー・パイプラインには、原油パイプラインと天然ガス・パイプラインが含まれる。そのうち、原油パイプラインの設計能力は年間2200万トン、中国・ミャンマー天然ガスパイプラインのガス輸送能力は年間120億立方メートルである。[4]
中国石油天然気集団とミャンマー石油・天然ガス会社の協定によると、中国石油天然気集団の子会社がパイプラインの設計、建設、運営、拡張、保守を担当する。
2010年6月には、こののパイプラインが正式にミャンマーで建設を開始した。 2010年9月には、雲南省安寧市で中国セクションが開始され、同時にプロジェクト全体の支援事業として、同市の草埔鎮で年間1000万トンの石油精製事業も起工式を行った。
中国とミャンマーの石油とガス・パイプライン・プロジェクトは2013年に一応完了した。そのうち、天然ガスパイプラインは2013年5月30日までにガス輸送運用基準を満たし、原油パイプラインについては2014年に試運転要件を満たす予定であった。
こうして、この石油パイプラインにより、中国は中東から原油もマラッカ海峡を経由することなく、インド洋のアンダマン海にあるミャンマー・ラカイン州マーデ島(Made Island 北緯19度21分52.39秒 東経93度41分3.91秒 / 北緯19.3645528度 東経93.6844194度)の海岸から、輸入することができるようになった。中国がパイプラインでその南西部に原油を運べる一方、ミャンマーは毎年、200 万トンの原油と 20 億立方メートルの天然ガスしか利用できない。[5]
パイプライン反対論
[編集]ミャンマーの軍政下で、民衆の反対論も活発である。[6][7]
参照項目
[編集]- 中国のエネルギー政策 (Energy policy of China)
- シベリアの力2
- 西気東輸天然ガスパイプライン
- 蘭州・鄭州・長沙石油製品パイプライン
- 錦州・鄭州石油製品パイプライン
- 東シベリア・太平洋石油パイプライン
- 中央アジア・中国天然ガスパイプライン
脚注
[編集]- ^ 中缅天然气管道开始向中国输气(凤凰网,2013年)
- ^ “ミャンマー、中国にパイプラインでガス供給”. 日本経済新聞. (2013年)
- ^ “中国・ミャンマー原油パイプライン、正式に運営開始”. 北京週報. (2017年)
- ^ 中缅输油管道从瑞丽一直通到重庆(天津网,2010年,Archived)
- ^ “中缅油气管道5月底可望输气 并非“抢其资源””. China.com. (2013年)
- ^ “中国、ミャンマー情勢を静観:エネルギー重視”. 西日本新聞. (2021年)
- ^ “ミャンマーで中国向けパイプライン襲撃 警備員3人死亡”. 朝日新聞デジタル. (2021年)