コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

中世城郭研究会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

中世城郭研究会(ちゅうせいじょうかくけんきゅうかい)は、関東近県を中心に活動する城郭専門の研究会[1]。創立は1971年昭和46年)[1][2]。2021年に創立50年を迎えた。前身は、「日本城郭学生研究会」だった[3]

会の名称には、創立当時まだまだ市民権を得ていなかった用語「中世城郭」を用いて、中世城郭を研究することを強調している[4]。略称は中城研[5][6]

活動

[編集]

例会は月1回で、原則として第3日曜日に行っている[1]

  • 冬(11~4月) - 関東近県の城郭調査
  • 夏(5~10月) - 室内での会員の発表などによる研究会

上記の外、毎年、次の行事を行っている[1]

中世城郭研究会の主要メンバーによって構成された「倭城址研究会」による『倭城 I』[9]1979年)は、倭城研究の先鞭を付けた良書である[10]。20以上の倭城を調査している[2]

『図説中世城郭事典』(1987年)全3巻は、その縄張図と解説の約半数が中世城郭研究会の会員の手によるものである[11][2]

創立期のメンバーは約30人で、教師、サラリーマン、自営業などだった[2]。城郭の保存運動もしていた[2]

刊行物

[編集]
  • 中世城郭研究』 - 1987年(昭和62年)創刊の会誌。この年から毎年発行されている[12][10]
  • 『縄張図とともに』[13] - 1991年。中世城郭研究会20周年記念誌。
  • 『東国の中世城郭』[14] - 2010年。静岡県以北の城の縄張図集。

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d 八巻孝夫 2018.
  2. ^ a b c d e 読売新聞 1988.
  3. ^ 縄張図とともに 1991, p. 表紙裏.
  4. ^ 八巻孝夫 2000, p. 99.
  5. ^ 八巻孝夫 2004, pp. 74–75.
  6. ^ 縄張図とともに 1991, 見返しには「中城研結成」等の記述が見られる.
  7. ^ 全国城郭研究者セミナーのあゆみ.
  8. ^ 城郭見学会案内.
  9. ^ 倭城 1979.
  10. ^ a b 高田徹 2003.
  11. ^ 村田修三 1987, 第1巻, p. 9.
  12. ^ 縄張図とともに 1991, p. 127, 中世城郭研究会年譜.
  13. ^ 縄張図とともに 1991.
  14. ^ 東国の中世城郭 2010.

参考文献

[編集]
  • 倭城址研究会編『倭城 I : 文禄慶長の役における日本軍築城遺跡』倭城址研究会、1979年。 
  • 村田修三編『図説中世城郭事典』 全3巻、新人物往来社、1987年。ISBN 4-404-01425-2 
  • 矢 (1988年10月8日). “中世の城郭にかける民間研究者の情熱”. 読売新聞 夕刊: p. 9.. https://database.yomiuri.co.jp/rekishikan/viewerMtsStart.action?objectId=Jh6Tg1c5oXtIBSs2nUFTeGfo10d4VjkYbPeiW7pzkJE%3D 2018年7月25日閲覧。 
  • 八巻孝夫(編)『縄張図とともに』中世城郭研究会20周年記念誌、中世城郭研究 別冊、中世城郭研究会、1991年。 
  • 八巻孝夫「昭和40年代の城郭研究の流れについて (3)」『中世城郭研究』第14号、中世城郭研究会、2000年、ISSN 0914-3203 
  • 高田徹「この本を読めば城郭のここがわかる」『城を歩く : その調べ方・楽しみ方』、別冊歴史読本第28巻、第7号、新人物往来社、2003年3月。 
  • 八巻孝夫「城談会対中城研十番勝負 : 城談会・中城研比較論序説」『城郭研究の軌跡と展望』Ⅱ、城郭談話会20周年記念誌、城郭談話会、2004年。 
  • 西股総生(編)『東国の中世城郭』中世城郭研究 別冊、中世城郭研究会、2010年。 
  • 八巻孝夫「中世城郭研究会新会員の募集」『中世城郭研究』第32号、2018年、63頁。 
  • 全国城郭研究者セミナーのあゆみ”. 中世城郭研究会. 2022年3月22日閲覧。
  • 城郭見学会案内”. 中世城郭研究会. 2022年3月11日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]