世界青年学生祭典
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世界青年学生祭典(せかいせいねんがくせいさいてん、英語: World Festival of Youth and Students)は、第2次世界大戦の1949年以降からソビエト連邦の主導で、世界民主青年連盟(WFDY、略称世界民青連)と国際学生連盟(IUS、略称国際学連)が不定期に「反帝・反戦・平和・親善・連帯」をスローガンに開催した祭典[1]。参加者らは親ソ派が占めていた[2]。冷戦終結以降もロシア、北朝鮮、キューバ等で開催されていたものの[1]、2023年9月時点で2017年大会が最新となっている。
日本では、世界青年学生平和友好祭、平和友好祭[3](略称平友祭)、世界青年学生フェスティバル、世界青年学生祝典[4]等と訳されることもある。
沿革
[編集]第1回大会は、1947年にチェコスロバキアのプラハで開催された。以降、2年に1回開催されたが、1968年の第9回大会以降は5年ごとになり、第14回大会は8年のブランクを経て開催された。以降、16回大会までは4年に1度の開催であった。
オリンピックやユニバーシアードがスポーツのみの大会なのに対し、スポーツ・文化芸術・政治の各プログラムがあり、「社会主義国におけるユニバーシアード」と称されていた[5]。ただし、その開催期間は約1週間と著しく短く、また参観者の娯楽性もオリンピックなどに比べて低いとされる[6]。
2009年の第17回大会はベラルーシのミンスクで開催予定だったが[7]、2008年に開催を取り下げた[8][9]。結局、2010年になって南アフリカ共和国のプレトリアで開催された。
開催地一覧
[編集]回 | 開催年 | 開催地 | 参加人数 | 参加国 | スローガン |
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1 | 1947年 | プラハ(チェコスロバキア) | 17,000 | 71 | "Youth Unite, Forward for Lasting Peace!" |
2 | 1949年 | ブダペスト(ハンガリー) | 20,000 | 82 | "Youth Unite, Forward for Lasting Peace, Democracy, National Independence and a better future for the people" |
3 | 1951年 | 東ベルリン(東ドイツ) | 26,000 | 104 | "For Peace and Friendship – Against Nuclear Weapons" |
4 | 1953年 | ブカレスト(ルーマニア) | 30,000 | 111 | "No! Our generation will not serve death and destruction!." |
5 | 1955年 | ワルシャワ(ポーランド) | 30,000 | 114 | "For Peace and Friendship – Against the Aggressive Imperialist Pacts" |
6 | 1957年 | モスクワ(ソ連) | 34,000 | 131 | "For Peace and Friendship" |
7 | 1959年 | ウィーン(オーストリア) | 18,000 | 112 | "For Peace and Friendship and Peaceful Coexistence" |
8 | 1962年 | ヘルシンキ(フィンランド) | 18,000 | 137 | "For Peace and Friendship" |
9 | 1968年 | ソフィア(ブルガリア) | 20,000 | 138 | "For Solidarity, Peace and Friendship" |
10 | 1973年 | 東ベルリン(東ドイツ) | 25,600 | 140 | "For Anti-Imperialist Solidarity, Peace and Friendship" |
11 | 1978年 | ハバナ(キューバ) | 18,500 | 145 | "For Anti-Imperialist Solidarity, Peace and Friendship" |
12 | 1985年 | モスクワ(ソ連) | 26,000 | 157 | "For Anti-Imperialist Solidarity, Peace and Friendship" |
13 | 1989年 | 平壌(北朝鮮) | 22,000 | 177 | "For Anti-Imperialist Solidarity, Peace and Friendship" |
14 | 1997年 | ハバナ(キューバ) | 12,325 | 136 | "For Anti-Imperialist Solidarity, Peace and Friendship" |
15 | 2001年 | アルジェ(アルジェリア) | 6,500 | 110 | "Let’s Globalize the Struggle For Peace, Solidarity, Development, Against Imperialism" |
16 | 2005年 | カラカス(ベネズエラ) | 17,000 | 144 | "For Peace and Solidarity, We Struggle Against Imperialism and War" |
17 | 2010年 | プレトリア(南アフリカ) | 15,000 | 126 | "For A World Of Peace, Solidarity And Social Transformation, Let's Defeat Imperialism!" |
18 | 2013年 | キト(エクアドル) | 8,500 | 80[10] | "Youth Unite Against Imperialism, for a World of Peace, Solidarity and Social Transformation!" |
19 | 2017年 | ソチ(ロシア) | 25,214 | 185 | "For Peace, Solidarity and Social Justice, we Struggle against Imperialism - Honoring our past, we build the future!!!" |
出典
[編集]- ^ a b “モスクワで「世界青年学生祭典」のパレード、旧ソ連スタイルで ロシア”. www.afpbb.com (2017年10月15日). 2023年9月1日閲覧。
- ^ “【駆けある記】旧ソ連とたたかった党:笠井亮衆院議員 | JCP TOKYO” (2022年3月3日). 2023年9月1日閲覧。
- ^ たとえば、法政大学大原社会問題研究所検索「平和友好祭」
- ^ 朝鮮語では「世界靑年學生祝典」の漢字があてられ、日本語訳でもしばしば「世界青年学生祝典」の表記が用いられる。--たとえば、聯合ニュース検索「世界青年学生祝典」
- ^ 但し、東西冷戦において中立的な立場であったオーストリアやフィンランドでも開催されたことがある。また、冷戦終結後は第三世界諸国における開催が多くなっている。
- ^ 内藤陽介『北朝鮮事典―切手で読み解く朝鮮民主主義人民共和国』竹内書店新社 2001年 ISBN 4-8035-0316-8
- ^ Belarus Hosts the XVII World Festival of Youth and Students Archived 2011年7月6日, at the Wayback Machine.
- ^ WFDY News, June 2008[リンク切れ]
- ^ La Juventud Mundial no renunciara a los Festivales Cuba Información:
- ^ http://www.telegrafo.com.ec/politica/item/el-festival-busca-que-los-jovenes-tengan-presencia.html