世界民主青年連盟
設立 | 1945年11月10日[1] |
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所在地 |
ハンガリー・ブダペスト・フランゲパン通り16番地 北緯47度32分10秒 東経19度04分19秒 / 北緯47.53611度 東経19.07194度座標: 北緯47度32分10秒 東経19度04分19秒 / 北緯47.53611度 東経19.07194度 |
子団体 | 162団体(2003年) |
標語 | Youth Unite Forward for Lasting Peace(永続する平和に向けて青年は団結せよ) |
ウェブサイト | http://www.wfdy.org/ |
世界民主青年連盟(せかいみんしゅせいねんれんめい、英語: World Federation of Democratic Youth、WFDY)は、1945年に結成された共産主義青年の国際組織。略称世界民青連。世界民主主義青年連盟[2]と呼ばれることもある。資本主義国(西側諸国)国籍者を含め、ソ連崩壊(冷戦崩壊)まではソ連派が占めた組織である[3]。
概要
[編集]国際連合に認定された非政府組織(NGO)であり、経済社会理事会および国連の招集する各種会議にオブザーバーとして参加し、理事会への仮議題提案権を持つ一般協議資格を有している。
2003年の時点で、103の国と地域から162の団体が加盟しており、資本主義国国民を含む社会主義、共産主義を志向する青年学生団体である。本部はブダペストに置かれている。
日本では、旧日本社会党の日本社会主義青年同盟、北朝鮮派在日朝鮮人の在日本朝鮮青年同盟の2団体が加盟している。かつては日本共産党の日本民主青年同盟も加盟していたが、2020年2月時点で、世界民青連から既に脱退していることが明かされている[4]。日本共産党議員の笠井亮は、29歳の時に1982年から世界民主青年連盟の本部があるハンガリーのブダペストに派遣され、日本民主青年同盟の代表(中央常任委員・国際部長)として3年間赴任した。この際に組織の主流派であるソ連派から、非ソ連派だったことで総攻撃を受けている[3]。
世界青年学生祭典をはじめとする各種集会・会議の開催、国際会議への参加、出版物の発行、声明の発表、各種抗議行動、世界各国へ代表団派遣など、国際青年学生運動発展のための活動を世界規模で行なっている[5]。
沿革
[編集]1945年11月、世界63か国の青年代表が参加する第1回世界青年大会がロンドンで開かれ、「世界中の平和・自由・民主主義・平等・独立」の目標を掲げて、世界民主青年連盟が結成された[6]。
1949年、冷戦の激化のもとで分裂。同年8月、アメリカ・イギリスなどの青少年団体は、37か国の代表を集めてブリュッセルで世界青年会議 (WAY) を結成した。世界民青連第2回大会は、同年9月ブダペストで開かれた[6]。
1953年7月25-30日、ブカレストで第3回総会。106か国から1500人が参加[7]。
1999年、キプロスで第15回総会
2003年3月4-7日、ハバナで第16回総会。70の国と地域から約150人が参加[5]。
2007年、ハノイで第17回総会。
2011年11月9-12日、第18回総会がリスボンで開催され、パレスチナ・西サハラ・キューバ・ミャンマーにおける反帝国主義闘争への国際連帯が呼びかけられた[8]。
2015年11月、第19回総会がハバナで開催され、シリアやパレスチナをはじめ中東における反帝国主義闘争への連帯が呼びかけられた。議長にキプロス統一民主青年機構(EDON)、書記長にキューバ共産主義青年同盟(UJC)を選出。
2019年12月、第20回総会がキプロスの首都ニコシアで開催され、議長にスペイン共産主義青年同盟が選出された。
加盟団体
[編集]アフリカ
[編集]国名 | 団体名 | 特記事項 | 脚注 |
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アンゴラ | アンゴラ解放人民運動青年部 | [9] | |
ベナン | ベナン革命青年機構 | ||
ベナン独立社会主義青年連合 | |||
ブルンジ | ブルンジ・ルワガソレ革命青年団 | ||
カーボベルデ | カーボベルデ独立アフリカ党青年部 | ||
コモロ | 社会主義青年戦線 | ||
コンゴ共和国 | コンゴ社会主義青年連合 | コンゴ労働党系青年団体 | |
コンゴ民主共和国 | 再建民主人民党青年同盟 | ||
エリトリア | エリトリア青年学生全国連合 | [9] | |
エチオピア | エチオピア青年同盟 | [9] | |
ガーナ | ガーナ民主青年同盟 | ||
アフリカ青年指導委員会 | |||
ギニアビサウ | アミルカル=カブラル・アフリカ青年団 | ギニア・カーボベルデ独立アフリカ党系青年団体 | |
マダガスカル | マダガスカル民主青年委員会 | ||
マラウイ | 社会経済開発青年同盟 | ||
モザンビーク | モザンビーク青年機構 | モザンビーク解放戦線系青年団体 | [9] |
ナミビア | 南西アフリカ人民機構青年同盟 | ||
ナミビア全国学生機構 | |||
ナイジェリア | ナイジェリア全国青年協議会 | ||
オゴニ人民全国青年協議会 | |||
セネガル | 民主青年運動 | 民主連盟・労働党建設運動系青年団体 | |
アルブリ・ンジャイ民主青年連合 | 独立労働党系青年団体 | ||
南アフリカ | アフリカ民族会議青年同盟 | [9] | |
南アフリカ学生会議 | |||
南アフリカ共産主義青年同盟 | 南アフリカ共産党系青年団体 | ||
スーダン | スーダン青年連合 | スーダン共産党系青年団体 | |
タンザニア | 青年連合 | タンザニア革命党系青年団体 | [9] |
西サハラ | サハラ青年連合 | ポリサリオ戦線系青年団体 | [9] |
ザンビア | 統一民族独立党青年同盟 | ||
ジンバブエ | ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線青年同盟 | [9] | |
ジンバブエ学生自治会会議 |
アジア・太平洋
[編集]国名 | 団体名 | 特記事項 | 脚注 |
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オーストラリア | レジスタンス・青年社会主義者連盟 | 社会主義者連盟系青年団体 | |
バングラデシュ | 社会主義学生戦線 | バングラデシュ社会党系学生団体 | |
バングラデシュ学生連合 | |||
バングラデシュ青年連合 | バングラデシュ共産党系青年団体 | [9] | |
ブータン | ブータン民主青年団 | ブータン民族民主党系青年団体 | |
ブータン学生連合 | |||
インド | 全インド学生連合会 | インド共産党系学生団体 | |
全インド青年連合会 | インド共産党系青年団体 | [9] | |
インド学生連合会 | インド共産党マルクス主義派系学生団体 | ||
インド民主青年連合会 | インド共産党マルクス主義派系青年団体 | ||
全インド青年同盟 | 全インド前進同盟系青年団体 | ||
イラン | トゥーデ青年機構 | トゥーデ党系青年団体 | [10] |
日本 | 日本社会主義青年同盟 | 社会主義協会系青年団体 | [9] |
在日本朝鮮青年同盟 | 在日本朝鮮人総聯合会系青年団体 | ||
朝鮮民主主義人民共和国 | 社会主義愛国青年同盟 | 朝鮮労働党系青年団体 | [9] |
韓国 | 韓国大学総学生会連合 | ||
ラオス | ラオス人民革命青年団 | ラオス人民革命党系青年団体 | |
ミャンマー | 全ビルマ学生民主戦線 | ||
全ビルマ学生連盟 | |||
ネパール | ネパール青年連盟 | ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派系青年団体 | |
全ネパール民族自由学生連盟 | ネパール共産党統一マルクス・レーニン主義派系学生団体 | [9] | |
パキスタン | 民主学生連合会 | パキスタン共産党系青年団体 | |
フィリピン | アナクバヤン | 新民族主義者同盟青年共闘組織 | |
スリランカ | 共産主義青年連合会 | スリランカ共産党系青年団体 | |
スリランカ全国学生連盟 | スリランカ共産党系学生団体 | ||
全スリランカ(セイロン)青年団体連合会 | 人民統一戦線系青年団体 | ||
社会主義学生連盟 | スリランカ人民解放戦線系学生団体 | [9] | |
社会主義青年連盟 | スリランカ人民解放戦線系青年団体 | ||
ベトナム | ホーチミン共産青年同盟 | ベトナム共産党系青年団体 | [9] |
ベトナム青年連合会 |
ヨーロッパ・北アメリカ
[編集]ラテンアメリカ・カリブ
[編集]国名 | 団体名 | 特記事項 | 脚注 |
---|---|---|---|
アルゼンチン | 共産主義青年連合会 | アルゼンチン共産党系青年団体 | [9] |
バルバドス | 進歩青年同盟 | ||
ボリビア | ボリビア共産主義青年団 | ボリビア共産党系青年団体 | |
ブラジル | 共産主義前進青年団 | ルイス・カルロス・プレステス共産主義軸系青年団体 | |
共産主義青年連盟 | ブラジル共産党 (PCB)系青年団体 | [9] | |
社会主義青年連盟 | ブラジル共産党 (PCdoB)系青年団体 | [9] | |
労働者党青年部 | [12] | ||
チリ | チリ共産主義青年団 | チリ共産党系青年団体 | [9] |
コロンビア | コロンビア共産主義青年団 | コロンビア共産党系青年団体 | [9] |
コスタリカ | 拡大戦線青年部 | [9] | |
キューバ | 共産主義青年同盟 | キューバ共産党系青年団体 | [9] |
エクアドル | エクアドル共産主義青年団 | エクアドル共産党 | |
エクアドル社会主義青年団 | エクアドル社会党系青年団体 | ||
エルサルバドル | ファラブンド・マルティ民族解放戦線青年部 | ||
エルサルバドル共産主義青年団 | エルサルバドル共産党系青年団体 | ||
グアテマラ | グアテマラ民族革命連合青年部 | ||
ガイアナ | ガイアナ青年学生運動 | 全国人民改革会議系青年団体 | |
ウォルターロドニー青年運動 | |||
メキシコ | メキシコ共産主義青年団 | メキシコ共産党系青年団体 | |
人民社会青年団 | 人民社会党系青年団体 | [9] | |
ニカラグア | 7月19日サンディニスタ青年団 | サンディニスタ民族解放戦線系青年団体 | |
パラグアイ | パラグアイ青年の家 | ||
ペルー | ペルー共産主義青年団 | ペルー共産党系青年団体 | |
ウルグアイ | 3月26日運動青年部 | ||
ベネズエラ | ベネズエラ共産主義青年団 | ベネズエラ共産党系青年団体 | [9] |
ベネズエラ統一社会党青年部 |
中東
[編集]国名 | 団体名 | 特記事項 | 脚注 |
---|---|---|---|
アルジェリア | アルジェリア青年連合 | アルジェリア民族解放戦線系青年団体 | |
アルジェリア学生全国連合 | アルジェリア民族解放戦線系学生団体 | ||
エジプト | エジプト進歩青年連合 | 国民統一進歩党系青年団体 | [9] |
イラク | イラク民主青年連合会 | イラク共産党系青年団体 | [9] |
イラク共和国学生総連合会 | |||
イスラエル | イスラエル青年共産主義者連盟 | イスラエル共産党系青年団体 | [9] |
ヨルダン | 民主青年連合 | ヨルダン共産党系青年団体 | |
レバノン | レバノン民主青年連盟 | レバノン共産党系青年団体 | [9] |
リビア | リビア民族青年機構 | ||
バーレーン | バーレーン青年協会 | バーレーン進歩民主護民党系青年団体 | [9] |
モロッコ | イスティクラル党青年部 | ||
人民勢力社会主義同盟青年連盟 | |||
社会主義青年団 | 進歩社会主義党系青年団体 | ||
パレスチナ | パレスチナ学生総連合会 | [9] | |
パレスチナ民主青年連盟 | パレスチナ解放民主戦線系青年団体 | [9] | |
パレスチナ青年機構 | パレスチナ解放人民戦線系青年団体 | ||
パレスチナ人民党青年部 | |||
シリア | シリア・ハーリド=バクダーシュ民主青年連合 | シリア共産党 (バクダーシュ派)系青年団体 | [9] |
シリア民主青年連合 | シリア共産党 (統一派)系青年団体 | ||
革命青年連合 | アラブ社会主義バアス党シリア地域指導部系青年団体 | ||
クウェート | 民主青年連合 | クウェート進歩運動系青年団体系青年団体 | |
イエメン | イエメン青年総連合会 |
非加盟国・オブザーバ国
[編集]国名 | 団体名 | 特記事項 | 脚注 |
---|---|---|---|
中国 | 中華全国青年連合会 | ||
スウェーデン | 革命的共産主義青年団 | 共産党系青年団体 | |
オランダ | 共産主義青年運動 | オランダ新共産党系青年団体 | |
ルクセンブルク | ルクセンブルク共産主義青年団 | ルクセンブルク共産党系青年団体 | |
フランス | フランス共産主義復興青年団 | フランス共産主義復興の極系青年団体 |
関連人物
[編集]- 笠井亮 - 日本共産党衆議院議員。1982年から3年間、ブダペストの世界民青連本部に常駐[13]。
- 勝山俊介 - 劇作家、批評家、日本共産党員。1958年から5年間、日本民主青年同盟から書記局員として派遣される[14]
- 山口健二 - 政治活動家、作家。日本社会党と日本共産党に二重入党し、共産党の中核自衛隊にも参加した。1952-56年には世界民青連日本代表として東欧やソ連に滞在。
- エンリコ・ベルリンゲル - イタリア共産党書記長。1950-52年、世界民青連議長[15]。
脚注
[編集]- ^ History
- ^ ダブリュー‐エフ‐ディー‐ワイ【WFDY】 デジタル大辞泉の解説
- ^ a b “政治家への道”. 笠井亮|日本共産党. 2023年9月1日閲覧。
- ^ 日本人民の未来は、 世界の労働者階級人民との連帯の中にこそある「思想運動」1049号 2020年2月1日号(活動家集団思想運動)
- ^ a b 世界民主青年連盟第16次総会 新秩序構築へ変革の声 朝鮮新報 2003.3.31
- ^ a b 劉全勝「日本青年団協議会の対中交流(1956年〜1966年):第一回の交流活動を中心に」『人文学報. 教育学』首都大学東京 42, 43-70, 2007-03
- ^ 法政大学大原社会問題研究所 日本労働年鑑 第27集 1955年版 第二部労働運動 第四編その他の社会運動 第三章学生・青年・婦人の運動 第一節学生・青年の運動
- ^ "WFDY 18th Assembly concludes successfully" (「世界民主青年連盟第18回大会、成功裏に終了」)2011年11月14日
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am “Members”. wfdy.org. 2016年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月16日閲覧。
- ^ United States Congress, House Committee on Un-American Activities (1956), Soviet Total War: "Historic Mission" of Violence and Deceit, 1-2, U.S. Government Printing Office, pp. 589–90
- ^ “CPUSA youth leader greets WFDY meeting in Cyprus”. Communist Party USA. 2019年12月4日閲覧。
- ^ 労働者党青年部第2回大会決議
- ^ 笠井亮公式サイト 私の紹介 訪れた国は40数カ国
- ^ 勝山俊介『湖の別れ』東銀座出版社、2009年、p1
- ^ ベルリングエル(べるりんぐえる)日本大百科全書(小学館)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- “World Federation of Democratic Youth” (英語). 2015年11月29日閲覧。
- WFDY-FMJD (@wfdy1945fmjd) - X(旧Twitter)